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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2018.05.27,Sun

 にこ前のエントリに無断転載した写真、つまりこれですけど──


 この「くろがね叢書」第十七輯には乱歩の「二銭銅貨」と「黒手組」が収録され、第二十輯には「灰神楽」も入ってます。

 名張人外境:江戸川乱歩著書目録 > 昭和19年●1944

 『江戸川乱歩著書目録』をつくるため旧乱歩邸の蔵書調査に潜り込んだとき、平井隆太郎先生から、くろがね叢書は「もう一冊ありましたよ」と教えていただきました。

 つまり、第十七輯、第二十輯のほかにもう一冊ということなのですが、いまに至るも三冊目が確認できておりません。

 こちら「怪の会」関係者のかた作成のリスト。

 大衆文学・探偵小説資料館:くろがね叢書

 国立国会図書館にも、第十三輯、第二十三輯、第二十七輯の三冊しかないみたいです。

 三冊目は確認できないままで終わりそうだな、と思います。
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Posted by 中 相作 - 2018.05.27,Sun

 いっこ前のエントリに無断転載した共同通信配信の「言論統制下も執筆続ける 乱歩ら、海軍関連の会報で」に、乱歩が「くろがね」に発表した「江田島記」が出てきます。

 どんな訪問記か、とお思いのかたもおありでしょうから、江戸川乱歩推理文庫59『奇譚/獏の言葉』から全文を転載しておきましょう。

 ただし、ルビは省き、あまり詰まってるのもあれですから、段落間に一行空きを設けることにいたします。

江田島記

 十一月十四日の海軍兵学校卒業式見学旅行に、くろがね会からは笹本寅、摂津茂和、秦賢助の三君と私とが参加した。ほかに同行者は海軍省詰記者倶楽部「黒潮会」の各社記者諸君、写真班員、婦人雑誌代表、日本映画社のニュース班など約三十名であった。

 十一月十一日夜出発、十二日夕呉市着、同市古林旅館に合宿、翌十三日、一同江田島に渡り、着任間もなき兵学校校長井上成美中将に挨拶、副官室に於て先任副官前川中佐、監事近藤少佐から卒業式当日の次第を聞き、式場内整列の位置、御差遣高松宮殿下奉迎送の堵列順序などにつき打合せの後、近藤少佐の案内で校内見学、生徒自習室、洗面所、寝室などを見せて貰い、生徒の日常生活について説明を聞き、それから大講堂、八方園神社、教育参考館などを巡覧した。これら生徒の日常、校内の模様については、昨年くろがね会幹部諸君が見学、夫々発表された通りである。十三四日の両日にかけて我々の案内役を引受けて下さった近藤賢一少佐の懇切丁寧な誘導ぶりには一同大いに感謝した。印象的な八字髭、鄭重な言葉遣い、説明中口をついて出る諧謔、身振り手振り、チョコンとあみだに冠った軍帽、しかもこの飄逸の中に時々ピリッとした軍人魂が鋒鋩を現わす所など流石と肯かれ、作家一同甚だ好印象を受けたのである。

 江田島は唯一の旅館も民家も、卒業式参列の為遥々全国から来島した卒業生の親御さん達で一杯なので、我々の宿泊する余地なく、その日は呉の旅館に引返し、翌十四日朝いよいよ卒業式に列するため、一同モーニング又は儀礼章をつけた国民服に着更えて、再び江田島に渡った。九時三十分、御差遣宮御召艦入港、十時御上陸、我々一同は、文武官、生徒、父兄などと共に、校内桟橋から大講堂御休憩所までの御道筋に堵列奉迎、十時三十分殿下には海岸砲台屋上より、校庭及海上に於ける卒業生の作業を台覧、我々見学の一行は桟橋附近に集合して之を拝観することを得た。台覧作業はカッター競漕、無線通信作業等であった。

 十一時、大講堂に入り所定の位置につき、三十分に亘る荘厳なる卒業式典に列した。正面壇上に御直立の御差遣宮殿下の聖なる御姿の御前に、軍楽隊の奏する「誉の曲」の繰返し鳴り渡る中を、此度御卒業の久邇宮徳彦王殿下を御先頭に、卒業生総代、修業専修学生総代、十二名の優等生が次々と壇上に登り、証書、御下賜の短剣を拝受した。その間、奏楽と拝受者の名を呼び上げる声の外は場内寂として声なく、我々は直立不動の姿勢をつづけて、正面の聖なる御姿を拝し、その御前に次々に最敬礼して引下る卒業生のはれがましい動作を見守ったのである。今にして思えばこの日は遥か南方に於て第三次ソロモン海戦の戦われていた日である。十二日から十四日にかけて敵艦船二十数隻を屠ったが、我も亦戦艦一隻を失い、一隻大破され、大東亜戦史上最も銘記すべき日であった。将来の帝国海軍を背負って立つ若人の生涯の祝典と、この銘記すべき大海戦とが、日を同じゅうしていたことを思い合せ、感慨の更らに新なるものがある。

 十二時十分、御差遣宮殿下奉送の後、十三時、第一生徒館大食堂に於て立食の宴。卒業生とその父母とが別れの盃を酌み交す場面である。卒業生達は今日は平時のように練習艦に乗るのではない。すぐ様軍艦に乗組み、所定の訓練期間を終れば前線の人となるのだ。卒業の祝宴は兼ねて征途への別宴である。正面にマイクロフォン備えつけの演壇、その前のメイン・テーブルには御卒業の久邇宮徳彦王殿下、及川古志郎大将、井上校長その他海軍高官、その両脇のテーブルには来賓の陸海軍武官、文官、食堂全体には生徒用の長い食卓が十数の縦列を作り、卒業生とその父母とがそれらの食卓に向い合って立ち、その間々に教官が混るという和やかな配置である。一同今日のよき日を乾盃、及川大将と井上校長は正面壇上に登って卒業生に慈父の言葉を与えられ、中庭を隔てた生徒館からの奏楽裡に立食の宴がはじまる。卒業生の大多数は生れて初めての酒盃に顔を真赤に染め、師弟父子互いに酌し合う美しい情景を眺めながら、くろがね会の四人も来賓席の一隅に立って、海軍武官の方々と共に祝酒の盃を挙げ、山と積まれた御馳走を十分に頂戴した。

 宴の直後、私はこの日最も感銘の深い情景に接した。手洗所に行くため生徒館階下の廊下を通ろうとすると、そこが生徒服で充満しているのに一驚した。自習室前の廊下に、各学年の生徒が二列に向い合って事ありげに整列しているのである。私は会釈してその列の間をくぐりぬけ、中庭に降りて、何事かと眺めていると、やがて廊下の向うから夥しい靴音が轟き、二列に向き合っている生徒達の間を、祝酒に顔を赤くした卒業生達が、走るようにして通り過ぎて行くのである。在校中同じ分隊に属していた下級生の前にさしかかると「がんばるんだぞッ」「しっかりやれ」などと怒鳴りながら、ある者の手を握り、ある者の肩を抱きなどして訣別の意を表しつつ通り過ぎて行く。手を握られ、肩を抱かれた下級の少年達の紅顔は見る見る歪んで行く。忽ち彼等の目は涙にふくれ上り、之れをこぼすまいとして思わず両手がそこへ上がって行くのである。一人ではない。五人、七人、私は泣顔を隠そうとして困惑している可憐の少年達を見た。そして、中庭に佇立した私自身も、いつしか貰い泣きをしていたのである。

 卒業生達は八方園神社に最後の参拝を為し将校集会所に赴いて諸恩師と懇ろの別れを告げ、いよいよ住みなれた校舎をあとにして、父母や下級生の堵列する道を桟橋に急ぎ、十数艘の艦載水雷艇又は内火艇に分乗、沖の軍艦へと出発する。父母達は岸辺のランチに、桟橋に、黒山となり、さいぜん廊下で涙を隠した下級生達は全員海岸に整列して之を見送る。やがて「蛍の光」の奏楽と共に、水雷艇、内火艇は一艘又一艘、桟橋を離れて行く。これぞ最後の訣別である。生きて再び相見ゆる日は無いかも知れぬ。艦上の卒業生も海岸の下級生も一斉に帽子を振り、母達はハンカチを振って、尽きぬ名残りを惜しむ。卒業生の小艇は列を為して沖に向う。奏楽の響、万歳の嵐、海原をどよもす壮観である。と見れば先頭の小艇が進路を変えた。その次も、又その次も、そして全艇再び海岸に戻って来るのだ。そこに堵列して、いつまでも帽子を振りつづける下級生達の顔が見分けられる近さまで。過ぎ去っては又立戻り、円を描いて去来する小艇の群、低徊去るに忍びざる風情、濃やかなる武人の情緒、宛として海上の一大演劇である。

 卒業生の乗組んだ軍艦は、十五時解纜、いずこかに向って出発する。在校下級生達は更らにも尽きぬ別れを惜しんで、二十余艘のカッターに分乗して力漕、巨艦の舷に近づき、櫂を立ててその出港を見送るのであった。くろがね会の笹本君、摂津君私の三人は卒業生の親御さん達が、愛児の乗艦をしたいながら宮島に渡航する小汽艇に、便乗することを得た。動くとも見えぬ巨艦ながら、いつの間にか、全速力の小汽艇を遥かうしろに隔てて、くろがねの浮城は折からの夕靄の中に、とけこむように霞みつつ、瀬戸内の島の彼方に隠れ去った。私はその艦尾が全く見えなくなるまで、風寒き小艇の甲板に佇んで、目も離し得ず眺めていたが、眺めながら、同じ艇上のお母さん達の心を思わぬ訳には行かなかった。海原遠く霞み行く艨艟、いくら遠ざかっても小さくは見えぬ島の如きくろがねの団塊、その偉容と愛児の面影とが二重の幻となって生涯母達の瞼に残ることであろう。

 その夕方、私達は厳島神社に参拝、同地の旅館で夕食を認め、夜更けて呉の旅宿に帰ったが、翌十五日午前、見学団一行は潜水学校を参観した。正門前の六号神社に参拝、そこの石垣の上に安置された旧六号艇の内部を感慨深く拝観、次に校内海上に繫留せられた大潜水艦の中を隈なく見せて貰い、更らに校内諸施設を一々参観することを得た。案内して下さったのは同校生徒の一人、まだ二十六七歳に見える非常に若い大尉の方であった。やがてこの学校を出れば何艦かの水雷長になるべき人。若したった今特殊潜航艇に乗り攻撃に向えと命ぜられたなら、我々海軍軍人は誰でも勇躍死に赴くのだと語った時、同大尉の眉宇に現われた一死報国の負けじ魂は、今猶脳裡に鮮かである。言語明晰、見るからに俊秀らしい、紅顔の美少年大尉であった。

 見学を終って、我々くろがね会の四人は、引率者土田中尉、新聞記者諸君と別れを告げ呉を出発することになったが、笹本君は序でに九州の郷里を訪れるといい、秦君は広島からの乗車、摂津君と私だけが、十五日十三時二十何分呉発の急行列車に同乗した。車中計らずもくろがね会会長上田良武中将御夫妻に御会いし、同車することとなった。上田中将の御子息も今度の兵学校卒業生の一人でありその見送りの為に江田島に来られたのである。又後に「婦人倶楽部」を代表して一行に加わった清閑寺健氏も同車であることが分った。満員のため座席もない車中ながら、我々は江田島の感動を語り合って少しも退屈することがなかった。上田中将御夫妻と摂津君とは途中京都で下車、あとは清閑寺氏と私の二人、その頃やっと座席を見つけて、東京までを辛うじて眠ったのであった。

(昭一七・一一・二〇)

 このテキストは、『奇譚/獏の言葉』を横に置いてキーボード入力したものではありません。

 と書いて、『奇譚/獏の言葉』を横に置いて「奇譚」のテキストをキーボード入力していたころを懐かしく思い出しましたが、この「江田島記」はそんな面倒な作業は必要ありませんでした。

 というのも、『奇譚/獏の言葉』から起こしたテキストをワードファイルで保存したコンパクトディスク、なんてものをさる筋から頂戴してあるものですから、そこから拾うだけでOKでした。

 名張市立図書館の嘱託を拝命したときから数えればもう二十年以上、こんな稼業をつづけておりますから、いやいや、とても稼業と呼べるようなものではないのですが、それなりに乱歩関連のあれこれをいただくことがないこともなくて、このコンパクトディスクもそのひとつでした。

 『奇譚/獏の言葉』なんてごくわずかな数が世に送られただけでしょうから、名張市立図書館の公式サイトで「江田島記」のテキストを公開する、みたいなことがあってもいいとは思います。

 いいとは思いますけど、とても無理だとも思います。

 しかし、無理は無理だとしても、いったいどんな理由をつけてそんなことは無理でございますと答えてくれるのか、ちょっと興味が出てきたぞ。
Posted by 中 相作 - 2018.05.25,Fri

 こっそり行ってこっそり帰ってくるつもりが、なかなかそうもまいらず──

 2018年5月13日:海野十三忌講演会ならびに前日大宴会

 といった感じで予告したものですから、当然報告も必要でしょう。


 そんなような次第で、5月19日土曜と翌20日日曜、徳島県で楽しく有意義な時間を過ごしてまいりました。

 「シュピオ」研究の第一人者、湯浅篤志さんの講演「海野十三と『シュピオ』をめぐる作家たち 小栗虫太郎、木々高太郎、そして森下雨村」はさすがに聴きごたえたっぷりで、なんかあまりいい趣味じゃありませんけど湯浅さんにお送りしたお礼のメールから引用いたしますと、「三人の探偵作家がそれぞれ微妙に異なる切実な希望を一冊の雑誌に託し、その希望が時局や探偵小説そのものの本質のせいで無惨に変質したり霧消してしまったりした過程に思い及びました。海野十三の作家としての個性も、ほかのふたりと対比することでよりくっきりと浮き彫りにされていたように思います」といったようなことなどを感じました。

 海野十三忌の講演会は隔年の開催で、大阪へ向かう帰りの高速バスから暮れなずむ瀬戸内海をぼんやり眺めつつ、かつて高速バスでいっしょに徳島入りしたこともある知人の唐突な死なんかも思い合わせながら、十三忌の講演会に来るのもこれが最後かもしれんなあ、などと年甲斐もなく、というか、年齢相応の感慨にふけってしまいました。

 さて、くたばるまでになんとか白黒つけときたいな、とは思いますものの、向こうは向こうであのきちがいクレーマーがくたばるまでずーっと先送りしてやろうと固く決意しているらしいから困ったもんだな、とじつになんとも悩ましいかぎりの例の一件。

 中 相作 様

 市長への手紙をお寄せいただきありがとうございました。

 平成30年4月6日付でお尋ねのありましたことについて、以下のとおり回答させていただきます。

 乱歩関係資料を収集する方法として、購入はせず書誌データだけを収集して記録しておくことについては、貴重なご提案として受けとめさせていただきます。しかしながら、資料の購入に掛かる経費は必要としないものの、日々の出版情報の中から乱歩関係資料となる書誌データを収集し、それを記録するためには、それなりの時間と労力を継続してかけていく必要があります。したがいまして、市立図書館の運営形態の現状の中でそういったことができるかどうかについて見極めてまいりたいと考えています。

 平成30年4月13日

 名張市長 亀井利克


 あまりといえばあまりな逃げ口上。

 さすがに唖然として、嵐の大連投とはなりました。

 2018年5月12日:沈香は焚かず左右に屁を放つ

 いまとなってはなんとも意味不明なエントリタイトルですが、とにかくこのエントリに記しましたとおり、5月11日金曜日、「連休明け嵐の大連投最終日」と題してこげな「市長への手紙」ば送信しましたばい。

 お世話さまです。

 4月6日付「市長への手紙」へのご回答、ありがとうございました。

 恐れ入りますが、まず下記リンク先のエントリをお読みいただければと思います。

http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/5196/

 わが国には、図書館法という法律があります。

 地方公共団体が設立する公立図書館は、この図書館法の規定にもとづいて運営されることになっています。

 条文は下記リンク先でお読みいただけます。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000118

 図書館法の第一章第二条には、図書館とは「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設」であると明記されています。

 いっぽう、4月13日付ご回答には、名張市立図書館が「日々の出版情報の中から乱歩関係資料となる書誌データを収集し、それを記録するためには、それなりの時間と労力を継続してかけていく必要があり」、「現状の中でそういったことができるかどうかについて見極めてまいりたい」とお書きいただいてありました。

 このお答えは、現在の名張市立図書館には図書館業務の一丁目一番地とも呼ぶべき資料収集の能力がない、ということを明瞭に物語るものです。

 では、ここで問題です。

 名張市立図書館には乱歩関連資料を収集する能力がない、というのは名張市長の公式見解であると認識してよろしいでしょうか。

 お手数をおかけして恐縮ですが、よろしくお願い申しあげます。

 で、西城秀樹さんの訃報が伝えられた翌日にして徳島入り前日の5月18日金曜日、こんな一通が──

 中 相作 様

 市長への手紙をお寄せいただきありがとうございました。
 平成30年5月11日付でお尋ねのありましたことについて、以下のとおり回答させていただきます。

 平成30年4月13日付で回答いたしましたように、乱歩関係資料を収集する方法として、購入はせず書誌データだけを収集して記録しておくことについては、貴重なご提案として受けとめさせていただいています。そして、そのことを実行してく方法について市立図書館の運営形態の現状の中で見極めてまいりたいと考えています。

 平成30年5月18日
 名張市長 亀井利克

 白痴みてーにわけのわかんねー回答ばっかくり返してんじゃねーよ、とお怒りの向きもあるかもしれませんが、そんなことおっしゃっちゃいけません。

 もしかしたら名張市のお役人には質問の意味が理解できず、そのせいでこんな白痴みたいな回答を魯鈍のようにくり返すことしかできなかったのかもしれません。

 だとしたら、白痴や魯鈍レベルのお役人でもちゃんと理解できるようなわかりやすい質問を用意できなかったこちらにも、おそらくいくばくかの非はあることでっしゃろ。

 そうした反省に立って振り返ってみますと、まず、4月13日付回答にあった「現状の中でそういったことができるかどうかについて見極めてまいりたい」という文言は、ごく単純に解釈して、現在ただいまそういったことはできておりません、ということである、と判断されます。

 この解釈には、とくに問題はないはずです。

 さらに一歩進めて、現在ただいまそういったことができていない、ということは、すなわち、現在ただいまそういったことを行う能力がない、ということにほかなりません。

 そういったこと、というのは、いうまでもなく、「日々の出版情報の中から乱歩関係資料となる書誌データを収集し、それを記録する」ことであり、名張市立図書館には現在ただいまそれができていない、そういったことを行う能力がない、ということになります。

 論理の流れにおかしなところはありません。

 で、以上のようなことが名張市長名義の文書に記されているのですから、これはもう間違いなく、名張市立図書館には資料収集ができていないという事実を名張市長が明確に認識していらっしゃる、ということになります。

 そうとしか理解できません。

 しかしまあ、念には念を入れよ、という言葉もありますから、5月11日付「市長への手紙」において、

 「名張市立図書館には乱歩関連資料を収集する能力がない、というのは名張市長の公式見解であると認識してよろしいでしょうか」

 とお聞きしたわけです。

 ところが、なんということでしょう、この国全体がヒデキロスに打ち沈んでいたあの5月18日、

 「平成30年4月13日付で回答いたしましたように、乱歩関係資料を収集する方法として、購入はせず書誌データだけを収集して記録しておくことについては、貴重なご提案として受けとめさせていただいています。そして、そのことを実行してく方法について市立図書館の運営形態の現状の中で見極めてまいりたいと考えています」

 とかなんとかすっとぼけたおちゃらけ回答よこしやがってうすらばかが白痴みてーにわけのわかんねー寝言ばっかくり返してんじゃねーよこの魯鈍のたーこ、とお怒りになるかたがいらっしゃったとしても、これはもう無理のないところかもしれません。

 名張市役所のお役人にもほんとに困ったものです。

 そういえば、名張市役所のお役人は徳島県でも悪評を鳴り響かせておりました。

 今年2月に亡くなった大杉漣さんゆかりのラーメン屋さん、というのがあって、といっても大杉さんがただ一度立ち寄っただけという程度のゆかりらしいのですが、そのお店を出たあとご当地グルメ徳島ラーメン誕生秘話みたいなことが話題になり、徳島県の県職員というのがもう名張市の市職員と同じでとにかくひどいんです、と名張市役所のお役人の悪評がいきなり飛び出した次第です。

 結局まあ、地域にとって何が大切なのか、ということが連中にはまったく理解できていないんでしょうね、みたいな結論に至ったわけですが、お役人にとって大切なもの、それはいったい何?
Posted by 中 相作 - 2018.05.22,Tue
雑誌

大衆文化 第18号

平成30・2018年3月26日 立教大学江戸川乱歩記念大衆文化研究センター
A5判 68ページ 500円(税込)


 

江戸川乱歩自筆稿本『家蔵同性愛関係書』目録 2──和本目録、洋書目録、西洋に関するもの、東洋に関するもの
 丹羽みさと
 p47─68

 立教大学:旧江戸川乱歩邸(大衆文化研究センター)
Posted by 中 相作 - 2018.05.12,Sat

 ほんと、朝だけなんでこんな寒いの? とか思いながら5月ももう中旬です。

 きょう12日には東京銀座でこの催しが開幕します。

催事
石塚公昭 ピクトリアリズム展Ⅲ
 平成30・2018年5月12日(土)─25日(金)
 青木画廊(東京都中央区銀座3-5-16)
Entry

 池袋では恒例の新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館がそろそろスタートいたしますが、いっこ前のエントリに掲載した池袋乱歩通り商店街振興組合のYouTube動画、「防犯カメラ設置記念」とあるのが笑えました。

 いっぽう当地伊賀地域では、名張市のおとなり伊賀市の恒例イベントがこんな感じで閉幕しました。

 伊賀タウン情報YOU:観光客3・2万人 過去11年で最低 伊賀上野NINJAフェスタ(2018年5月11日)

 そうかと思うと、伊賀市からはこんな愉快なニュースも伝えられました。

 朝日新聞デジタル:原付き免許に「中型」貼り付け偽造容疑 伊賀市職員逮捕(2018年5月10日)
 伊賀地域タウン情報YOU:幹部職員逮捕で大森副市長らが謝罪会見 伊賀市(2018年5月10日)

 運転免許証が偽造できるなんて、なかなか器用なお役人です。

 処分明けに図書館へ飛ばしてさしあげれば、蔵書の修復に天与の才幹を発揮してくれるのではないかと思われます。

 それにひきかえ名張市にはこのところこれといったイベントがなく、お役人の不祥事も伝えられません。

 沈香も焚かず屁もひらず、といったところでしょうか。

 さて毎度おなじみの「市長への手紙」はきのう、「連休明け嵐の大連投最終日」を迎えました。

 まず、5月10日木曜日は「連休明け嵐の大連投四日目」でした。

 お世話さまです。

 4月5日付「市長への手紙」へのご回答、ありがとうございました。

 恐れ入りますが、まず下記リンク先のエントリをお読みいただければと思います。

http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/5193/

 4月5日付「市長への手紙」では、平成28年12月定例会一般質問における教育次長のご答弁にもとづき、名張市立図書館には乱歩関連資料の収集に関してどんな課題があり、それぞれについてどんな検討が進められてきたのかをお聞きいたしました。

 名張市教育委員会から頂戴した4月13日付ご回答には「資料について十分な知識を持った職員、資料を収集するための予算、収集した資料を整理して保存するための場所、これらのことが図書館を運営していくうえで重要な要素であり課題であるといわれています」とお書きいただいてありましたが、こんな一般論をご説明いただく必要はありません。

 名張市立図書館に具体的にどんな課題があり、平成28年12月以降、どんな検討が進められたのか、その点についてお聞きしております。

 そこで、不本意ながら再質問とあいなります。

 しかし、課題は何か? と漠然とお聞きしても、まともなお答えは期待できないかもしれません。

 ですから、僭越ながら当方から、ひとつだけではありますが、名張市立図書館の課題を明示し、それに関するご見解をお聞かせいただければと思います。

 ちなみに、課題という言葉を手もとの辞書で引いてみますと、複数の語釈のなかに「解決しなければならない問題」という文言がありますが、当方がここで申しあげている課題は、この「解決しなければならない問題」という意味であるとご理解ください。

 では、ここで質問です。

 名張市立図書館の乱歩関連資料収集における最大の課題は、資料収集能力が著しく欠如していることであると判断されますが、この問題を解決するためにいったい何をなすべきか、教育次長のご見解をお聞かせいただきたいと思います。

 なお、かりに、そんな課題は存在しない、あるいは、課題を解決する気はさらさらない、とお思いなのであれば、その旨をお知らせいただきたく思います。

 お手数をおかけして恐縮ですが、よろしくお願い申しあげます。

 これもまあ、お役人の先送りやごまかしやはぐらかし、ひとことでいえば大うそに気長につきあってみる作戦の一環ということになりましょうか。

 これが名張市議会の先生がたであれば、先送りやごまかしやはぐらかしを並べただけの答弁でも素直に納得してくれるんですけど、あいにくこちらはそんなご立派な先生ではなく、したがって質問に回数や時間の制限はありませんから、ちゃんとしたお答えが頂戴できるまで、いくたびもいくたびも気長にお聞きすることにいたします。

 つづきまして、きのう11日金曜日は「連休明け嵐の大連投最終日」でフィナーレとなりました。

 内容はこんなんでした。

 お世話さまです。

 4月6日付「市長への手紙」へのご回答、ありがとうございました。

 恐れ入りますが、まず下記リンク先のエントリをお読みいただければと思います。

http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/5196/

 わが国には、図書館法という法律があります。

 地方公共団体が設立する公立図書館は、この図書館法の規定にもとづいて運営されることになっています。

 条文は下記リンク先でお読みいただけます。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000118

 図書館法の第一章第二条には、図書館とは「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設」であると明記されています。

 いっぽう、4月13日付ご回答には、名張市立図書館が「日々の出版情報の中から乱歩関係資料となる書誌データを収集し、それを記録するためには、それなりの時間と労力を継続してかけていく必要があり」、「現状の中でそういったことができるかどうかについて見極めてまいりたい」とお書きいただいてありました。

 このお答えは、現在の名張市立図書館には図書館業務の一丁目一番地とも呼ぶべき資料収集の能力がない、ということを明瞭に物語るものです。

 では、ここで問題です。

 名張市立図書館には乱歩関連資料を収集する能力がない、というのは名張市長の公式見解であると認識してよろしいでしょうか。

 お手数をおかけして恐縮ですが、よろしくお願い申しあげます。

 念のために申し添えますと、4月6日付「市長への手紙」でお願いしたのは、

 「乱歩関連資料のうち漫画、視聴覚資料、定期購読していない雑誌に関して、購入はせずに書誌データだけを収集して記録してゆくことが名張市立図書館に可能かどうか、お知らせいただきたい」

 ということでした。

 しかるに、4月13日付回答では、

 「乱歩関係資料を収集する方法として、購入はせず書誌データだけを収集して記録しておくことについては、貴重なご提案として受けとめさせていただきます。しかしながら、資料の購入に掛かる経費は必要としないものの、日々の出版情報の中から乱歩関係資料となる書誌データを収集し」

 と、いつのまにか出版情報全体に範囲をひろげて、「市立図書館の運営形態の現状の中でそういったこと」がどうとかこうとか、要するに手前どもにはそんなことする気はさらさらありません、という結論に至っているわけですが、お役人衆がどうしてこんな小細工を弄したのかはわかりません。

 なんだかもうすっかりうろたえちゃって、質問をよく読みもせずに回答を書いてしまった、ということなのかもしれません。

 まあそんなのは些細なことですからさっさと本題に進みますと、言を左右にする、という言葉があります。

 デジタル大辞泉には「あれこれ言い逃れて、はっきりしたことを言わない。『―◦して確答を避ける』」とあります。

 さしずめお役人の答弁など、中央であれ地方であれ、言を左右にする例の代表のようなものだなとあらためて痛感させられる昨今、たとえばこの4月13日付回答がどんなぐあいに言を左右にしているか、簡単に見ておきたいと思います。

 2017年12月22日:本日は冬至なり

 上のリンク先エントリから引用いたしますと、

 「(2)これまで依拠してきた「出版案内など」の名称は何か、また、見直しを進めたあと現在はどういったチェック方法が採用されているのか」

 という質問に対して、こんな回答がありました。

 これまで依拠してきた「出版案内など」は、『週刊新刊全点案内』(株式会社図書館流通センター発行)及び同誌が送付されてくる際に同封されている出版案内のチラシです。
 見直し後のチェック方法は、上記の出版案内などの目視に加え株式会社図書館流通センターが運営するデータベースを利用して出版情報をチェックしています。

 つまり、出版情報はちゃんとチェックしてま~す、というお答えでした。

 じゃというのに、4月13日ご回答にはこうあります。

 乱歩関係資料を収集する方法として、購入はせず書誌データだけを収集して記録しておくことについては、貴重なご提案として受けとめさせていただきます。しかしながら、資料の購入に掛かる経費は必要としないものの、日々の出版情報の中から乱歩関係資料となる書誌データを収集し、それを記録するためには、それなりの時間と労力を継続してかけていく必要があります。したがいまして、市立図書館の運営形態の現状の中でそういったことができるかどうかについて見極めてまいりたいと考えています。

 つまり、出版情報をチェックするのは大変で〜す、そんな大変なことができるかどうか見極めてみますね〜、というお答えです。

 全然真逆です。

 しかし、全然平気です。

 お役人のみなさん、全然真逆でも全然平気です。

 平気の平左の平常心で言を左右にしてくれちゃってます。

 左右どころか天地も上下も前後も表裏もすべてひっくり返ってるみたいな状態です。

 ほんまにもう堪忍しとくれやす。
Posted by 中 相作 - 2018.05.09,Wed

 なんでこんな寒いの。

 連休も過ぎたというのに。

 しかし、寒かろうが暑かろうが雨が降ろうが槍が降ろうが、連休は明けたんですから連休明けの大連投、鋭意継続しております。

 きのうは「連休明け嵐の大連投二日目」でした。


 お世話さまです。

 4月3日付「市長への手紙」へのご回答、ありがとうございました。

 恐れ入りますが、まず下記リンク先のエントリをお読みいただければと思います。

http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/5188/

 4月3日付「市長への手紙」では、『花森安治』に関してとくにお答えをお願いしたわけではなく、同書にまつわるこれまでの経過を振り返ってみただけでしたが、せっかく『花森安治』のことをお答えいただいたのですから、もう少しつづけることにいたします。

 とはいえ、『花森安治』ばかりでは面白くありませんから、似たような別の事例でつづけたいと思います。

 昨年2月刊の国書刊行会『新編・日本幻想文学集成 5』は、『花森安治』同様、リニューアル版の一種であり、やはり『花森安治』同様、内容は重複していても収集対象として購入されたものと判断いたします。

 本来であればリニューアル版を購入するに至る検討過程をお聞きすべきところなのですが、「旧版と増補新版の内容紹介を比較する過程を経て収集対象と判断しました」といった無意味なお答えを頂戴するだけであろうと推測されますので、質問を変更することにいたします。

 では、ここで質問です。

 『新編・日本幻想文学集成 5』を乱歩関連資料として購入すべきであると最初に判断したのは、名張市立図書館の正職員なのでしょうか、それとも、図書館流通センターのスタッフなのでしょうか、その点をお答えいただきたいと思います。

 なお、『新編・日本幻想文学集成 5』の書誌データは、当方のブログで次のとおり公開しております。

http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/4697/

 つづきまして、名張市立図書館の蔵書『花森安治』が乱歩関連資料であることはホームページの蔵書検索で知ることができる、とのお知らせ、どうもありがとうございました。

 では、ここで質問です。

 名張市立図書館が昭和6年5月から翌7年5月にかけて発行された平凡社『江戸川乱歩全集』を乱歩関連資料として所蔵している、という情報を、名張市民はいったいどうすれば知ることができるのでしょうか。

 お手数をおかけして恐縮ですが、よろしくお願い申しあげます。

 ところで巷間、私の著書が全国の公立図書館で焚書の刑に処せられているという根も葉もない風聞が囁かれていると仄聞したりしなかったりいたしますが、念のために声を大にして申しあげておきますと、私は図書館の敵ではありません。

 図書館に巣食う無能で怠慢で「手前どものお仕事は毎日毎日お役所へ間抜け面を並べにくることでございます」とかなんとかほざいて平然としている腐れ公務員の敵でこそあれ、図書館の敵ではあらしまへん。

 本来あるべき姿を見失った図書館が一日も早く機能を回復してくれることを祈りつづけている人間がなんで図書館の敵やねん。

 だから全国の心ある図書館関係者のみなさんは私に石を投げたりなんかしないでくださいね。
Posted by 中 相作 - 2018.05.05,Sat

 いっこ前のエントリ、小学館の江戸川乱歩電子全集をデータ化してるわけなんですけど、随筆評論の巻は収録作品数がやたら多くなってますから一度に掲載しようとするとデータをテキストに起こす作業が半端なく大仕事になり、なおかつ掲載しようとしたらバイト数オーバーになってエントリふたつに分載する必要が生じたりもして、いくら軽いきちがいの私でもこれはちょっとなあという気になりましたので、お見苦しいことではありますけれど公開しながらデータ化を進めることにいたしました。

 あしからずご了承ください。

 さて、当地はこどもの日もまた快晴に恵まれ、納屋の窓の外では梅の葉の繁りが微風に揺れながら陽光を照り返していて、あれ? もしかしたら去年のこどもの日もこんな感じじゃなかったっけ? と思いあたりましたのでちょっと振り返ってみました。

 そしたらほんとにそうだったの。

 2017年5月5日:納屋のなかから

 去年も今年も、まったく同じことをして、まったく同じことを考えてるわけなんです。

 下手なくり返しギャグを見せつけられてるような感じなんです。

 のみならず、去年の連休最終日には──

 2017年5月7日:たけき者も遂にはほろびぬ

 エントリ末尾の「いやー、いろいろ考えさせられるなあ」という困惑を抱えたまま、あっというまに一年が過ぎてしまいました。

 こりゃこのままくたばってしまうかもしれんなあ、とか思いながら、そろそろ缶ビールでも飲むか。

 こどもの日ですけど。

 というか、まだ朝の9時前ですけど。
Posted by 中 相作 - 2018.05.03,Thu

 憲法記念日を迎えました。

 当地は快晴に恵まれました。

 毎年5月3日は、もうずいぶんと長いあいだ、大阪であっち関係の大宴会が開かれる日と決まっていたのですが、幹事役だった知人が数年前に六十一歳で病没し、それでおしまいになってしまいました。

 おととい、きょう、と知人の死の話題がつづきますが、ひとり、またひとりと知人が地上を去り、あらゆることが静かに幕を閉じていって、いつか、地上とは思い出ならずや、という日が訪れるのであろうとは思いますけれども、もうしばらくはこの地上で埃にまみれつづけなければなりません。

 難儀な話じゃなあ。

 それでは、どちらさまもどうぞ楽しい憲法記念日をお過ごしください。
Posted by 中 相作 - 2018.05.02,Wed
新聞

伊勢新聞
 平成30・2018年3月25日 伊勢新聞社

江戸川乱歩の女
 小松史生子
 連載第21回〈二十面相の女(一)〉
 13面《三重の文化》

 伊勢新聞:Home
Posted by 中 相作 - 2018.05.01,Tue

 5月を迎えました。

 きょうはごくノーマル、白地に黒くで行っときます。

 中 相作 様

 市長への手紙をお寄せいただきありがとうございました。

 平成30年4月6日付でお尋ねのありましたことについて、以下のとおり回答させていただきます。

 乱歩関係資料を収集する方法として、購入はせず書誌データだけを収集して記録しておくことについては、貴重なご提案として受けとめさせていただきます。しかしながら、資料の購入に掛かる経費は必要としないものの、日々の出版情報の中から乱歩関係資料となる書誌データを収集し、それを記録するためには、それなりの時間と労力を継続してかけていく必要があります。したがいまして、市立図書館の運営形態の現状の中でそういったことができるかどうかについて見極めてまいりたいと考えています。

 平成30年4月13日

 名張市長 亀井利克


 4月13日の着信以来早二週間あまり、ここまで徹底した責任回避や職務放棄を目の当たりにしたときの衝撃はいまに至るも鮮やかですが、その翌日、知人の逝去を知らせるメールが届いて、こうなるとやはりお役人のあっぱれなまでの自己保身体質をあらためて認識したのとは比較にならぬくらいの衝撃を受ける仕儀とはなりました。

 名張市立図書館の乱歩資料担当嘱託を拝命したとき、なにしろ探偵小説のことも古書のことも何も知らない人間でしたから、泥縄式にそっちのほうを勉強しなきゃ、ってんであるかたから紹介していただいたその筋のサークルの重鎮がその知人で、ですからもう二十年以上のおつきあいだったことになります。

 最後にお会いしたのは昨年11月、横溝正史生誕地碑の建立十三周年記念講演会でのこと、じつは病気だと教えられたのもこの日のことでした。

 神戸から大阪まで帰る電車のなかで、面白いインド映画だと教えてもらったのがこれでした。


 レンタルビデオを借りて観て、はっはーん、インド版○○○か、と思い当たりましたが、へーえ、こういう外連がお好きだったのか、と意外な感じもいたしました。

 この知人にはどこか高田渡を思わせるところがある、というのが昔からの印象で、知人もたしか高田渡ファン、ですから3月8日付エントリに「自転車に乗って」というタイトルをつけたのは、もしかしたら知人のことが気にかかっていたからかとも思い返されます。

 2018年3月8日:自転車に乗って

 「自転車に乗って」というのは、こんな曲でした。


 あらためて冥福を祈りたい気分ですが、こんな具合に同世代の死に遭遇すると、おれももう長くないだろうな、せめてなにだけはあれしとかないとな、とは思うのですが、肝心の名張市が「日々の出版情報の中から乱歩関係資料となる書誌データを収集し、それを記録するためには、それなりの時間と労力を継続してかけていく必要があります」とかいってんだからなあ。

 それでもまあ、めげず、怒らず、投げ出さず、名張市役所のみなさんの無能と怠慢にばかみたいに誠実に向き合いたいな、と思います。
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