ゆうべ、やや飲み過ぎ。
けさは、パンにした。
朝食のおかたづけも早々に、用事があって、さる神社へ。
さる神社、と名を伏せることもないか。
名張市のおとなり、伊賀市の阿保というところに鎮座する大村神社だ。
この神社は地震の守り神として古くから知られていて、境内には要石社という小さなおやしろがある。
要石ってのは地震を鎮める聖なる石で、地震を起こすなまずをしっかり押さえつけてる、ということになってる。
ちなみに、要石、は、かなめいし、って、読んでね。
これが大村神社の境内社、要石社だ。
社前には、狛犬のほかに、二匹のなまずが据えられている。
うち一匹が、これ。
水かけなまず、とのことである。
宮司さんにお訊きしたところ、3・11以降、遠く被災地からおまいりするひともたまにある、とのことであった。
被災者ではないが、被災地の復興を祈願する、といったひとも増えたという。
わしはもとより信心には無縁で、きょうも参拝に行ったわけではなかったんだけど、揺れつづける大地が鎮まることと、被災地がすみやかに復興することを、この小さなおやしろに祈願せんわけにはいかんかったな。
ところで、去年4月に武内涼さんの『忍びの森』が角川ホラー文庫に入って、というか、最近よくある初刊がいきなり文庫本、というやつなんだけど、忍者と妖怪の戦いを描いたこの異色の時代小説、巻末の解説はいまや3・11被災地支援のチャリティイベント「ふるさと怪談トークライブ」で東奔西走中の東雅夫さんがお書きだった。
東さんは作品に登場する大村神社にも足を運ばれたそうで、解説の最後の段落にはこうある。
作中でも言及される阿保氏の始祖・息速別命(倭姫命の弟神)こと大村の神を主神として祀る大村神社は、延喜式(九〇五年成立)神名帳にも記載される古社で、境内には国の重要文化財に指定されている「宝殿」(元の本殿で、実際に信長による焼き討ちから程なく再建されたものという)、地震守護の効験あらたかな「要石」、日本三大奇鐘のひとつに数えられる「虫喰鐘」などが点在していた。宮司さんのお話によると、樹齢数百年の社叢にはムササビやタヌキ、イタチ、フクロウなどが今も棲息しており、古来、人と自然が共生する雛型となってきた。このため神社一帯を「大きな森博物館」と称して、訪れる人にその素晴らしさを紹介されているのだとか……阿保の忍びたちを育んだ豊かな森は、平成の世にもなお、その命脈を保っていたのである。
それはそうと、うっかりしておって、わが就活の成就を祈願するの、ころっと忘れておったぞなもし。
なんか、いやな予感がするなあ。
Powered by "Samurai Factory"