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Posted by 中 相作 - 2018.01.14,Sun
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 平成30・2018年1月11日 ぴあ

『黒蜥蜴』開幕。残酷で美しい愛を見せる
 大内弓子
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『黒蜥蜴』開幕。残酷で美しい愛を見せる

2018/1/11 18:00配信

 

「黒蜥蜴」より

デヴィッド・ルヴォー演出の『黒蜥蜴』が1月9日、東京・日生劇場で開幕した。原作・江戸川乱歩、脚本・三島由紀夫で描かれた物語は舞台にどう立ち上がったのか。女賊・黒蜥蜴を演じる中谷美紀、探偵・明智小五郎を演じる井上芳雄をはじめとするキャストが見せたのは、そここに“美”が宿る世界だった。

観客を待っているのは、すりガラスが半分残った天井だけが用意された舞台。ほかには何もない薄暗闇の中に生演奏の音楽が流れ始めると、いくつものドアが現れた。人々が追い追われるように行き交うなか、いつしかそこはホテルの一室となる。のちの場面には、すりガラスの天井が東京タワーの窓になったりもする。魔法のような、しかし演劇だからこそできるこの仕掛けが想像力を掻き立て、瞬く間に物語に入り込ませてくれる。

物語は、宝石商・岩瀬(たかお鷹)の娘・早苗(相楽樹)を誘拐するという脅迫状が届いたことから始まる。探偵の明智(井上芳雄)を見張りに雇い、見合いのために大阪のホテルにやって来た岩瀬父娘。そこには上客である緑川夫人(中谷美紀)がいたが、彼女こそ、誘拐予告をした女賊・黒蜥蜴だった。しかし、美しいものを盗み、その美しさを永遠に留めるという自分の美学と信念のみに生きてきた黒蜥蜴が、明智と出会うことで初めて恋というものを知る。やがて早苗をさらうことに成功するも、明智への思いに自らが苦しめられることとなる黒蜥蜴。扮する中谷は、その揺らぎを生々しく見せた。妖艶に佇み、大胆に冷酷に犯罪を決行しながらも、狂おしく惑う姿には、心寄せずにはいられない。

対する明智を演じる井上。探偵であるにもかかわらず犯罪への憧れを口にするその危うさに色気が漂う。自信たっぷりに黒蜥蜴を追い詰める様、そして黒蜥蜴の悲しみを受け止める姿に、持ち味である気品が存分に活かされる。家政婦のひなを演じた朝海ひかるの黒蜥蜴への妄信的な献身、黒蜥蜴を慕う雨宮役の成河が見せた嫉妬や葛藤も、この物語の深度を増した。黒蜥蜴に仕える妖しげなダンサーたちも意味深だ。さらには、岩瀬の傲慢、早苗の無邪気が、黒蜥蜴という存在の純粋さと尊さをあぶり出す。中谷が早替えで見せる黒蜥蜴の衣裳も必見。本当に美しく生きるというのはどういうことなのか。ルヴォーとキャストが相反する様々な感情と世界を提示しながら、美しき愛を残酷なまでに突きつける。

東京公演は1月28日(日)まで。その後、2月1日(木)から5日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。

取材・文:大内弓子
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