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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.04.19,Fri
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Posted by 中 相作 - 2017.04.22,Sat

 書棚をざっと調べると「思い出す事など」を収録した漱石の本は二冊見つかりましたが、青空文庫のテキストにもとづくキンドル本が無料で入手できますので、それをキンドルにダウンロードしました。

 妙なもので、有料の電子書籍をダウンロードするのは、キンドルをなくしたらそのなかのすべての本が一瞬にして失われてしまうから、みたいな理由でとても躊躇されますが、というか、ダウンロードした有料電子書籍は小学館の乱歩全集と『「坊っちゃん」の時代』だけなんですけど、無料の電子書籍となるとためらうことなくダウンロードできてしまう自分がなさけない。

 それはさておき、「煢然けいぜんとしてひとりその間に老ゆるものは、見惨みじめと評するよりほかに評しようがない」という文章が出てくるのはこの章です。

 青空文庫:思い出す事など > 十九

 まさしく煢然として老いつつある身としては、まことにおこがましいことを申しますが、漱石の境涯が他人のものとは思えませんでした。

 『「坊っちゃん」の時代』を読み終えたのは、誰の齢かと思っちゃう六十三歳もそろそろ終幕、納屋の普請が済んであれやこれやの雑務が押し寄せてきていたころでしたけれど、乱歩関連の雑誌を納屋の書棚に整理してそれを眺めたりなんかしていると、なんかここ二十年ほど、結局は時間とお金の無駄づかいをしてきたのではないかという気がしてきて、とくに横にして積みあげたコミック誌の山なんかには泣きたいような気分にさせられてしまいます。

 ほんとにコミック誌なんか買っても無駄なだけだ、と思いつつ、きょうもきょうとて「乱歩アナザー」が連載されている「少年マガジンエッジ」を買ってきてしまい、そのせいでまた自己嫌悪めいた感情を抱いている始末。

 自己嫌悪といえば、Wi-Fiの中継機ひとつ満足に扱えなかったときには自分の愚かさにほとほと愛想が尽きてしまい、乱歩作品に登場するせりふから引けば「えっ、くそ、死んじまえ、死んじまえ、死んじまえ……」といった絶望的な自己嫌悪にのたうちまわってしまいましたが、こうした精神の不安定、いわゆる木の芽どきというやつのせいだったんでしょうか。
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