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Posted by 中 相作 - 2010.12.27,Mon
ウェブニュース
 
東奥日報
 平成22・2010年12月25日 東奥日報社
 
本県の作家11人紹介/県立美術館で冬のコレクション展
 Home > 青森のニュース > 記事
 
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■20101227a.jpg
 
小島一郎の写真が並ぶ展示室
 
 青森市安田の県立美術館は今月から、常設展示をリニューアルし、「冬のコレクション展」を開いている。東北新幹線全線開業を記念し、棟方志功、今純三、小島一郎、寺山修司ら本県出身・ゆかりのアーティスト11人を、1作家1部屋の個展形式で紹介している。
 
 青森市出身の板画家・棟方志功(1903~75年)の展示は「文芸の世界」と題し、志功と文芸作品とのかかわりを紹介。草野心平の詩や吉井勇の短歌などを表現した板画は、詠まれた情景だけでなく、文字も絵と一体化させて彫り込んでいる。谷崎潤一郎の小説や江戸川乱歩の短編小説の挿絵として制作された板画も並ぶ。
 
 今純三(1893~1944年)は弘前市出身の版画家。洋画家を志し東京で活動した後、帰郷して独学で版画に取り組み、講習会の開催や入門書執筆など版画の教育普及にも尽力した。今回は銅版、石版、木版の約40点を展示。繊細な線で表現された雪景色や奥入瀬渓流のほか、今のアトリエを訪れた若き日の棟方志功や竹内俊吉らの肖像が並び、当時の交友関係が読み取れる。今の教えを受けて版画家として活躍した関野凖一郎(青森市出身、1914~88年)の作品8点も展示している。
 
 メディアで取り上げられるなど、近年全国的に注目を集めているのが、青森市生まれの写真家・小島一郎(1924~64)。今回は津軽、下北の風景や東京の夕日を撮影した40点と、「トランプ」と呼ばれる名刺判プリントなどを展示。覆い焼きの技法を駆使して幻想的に表現した津軽シリーズに対し、下北シリーズは白と黒の対比をはっきりさせ、厳しい冬の寒さを強調している。
 
 そのほか寺山修司が主宰した劇団「天井棧敷」のポスター、工藤甲人の日本画、小野忠弘のジャンク・アート、斎藤義重の立体作品、石井康治のガラス、成田亨の怪獣デザインを紹介。通年展示として、奈良美智のインスタレーションもある。
 
 同美術館の板倉容子学芸員は「青森の風土が生んだ作家の多様な表現をじっくり見てもらえれば」と話している。
 
 同展は3月27日まで(12月27~31日、1月11日、2月14、28日、3月14日は休館)。入場料は一般500円、高校・大学生300円、小・中学生100円。問い合わせは同美術館(電話017-783-3000)へ。
 
2010年12月25日(土)
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