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Posted by 中 相作 - 2013.07.01,Mon

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毎日jp
 平成25・2013年6月29日 毎日新聞社

日々是好日:小説家になりたい 豊富な人生経験つづるシニア世代
 中村かさね
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日々是好日:小説家になりたい 豊富な人生経験つづるシニア世代

毎日新聞 2013年06月29日 東京朝刊

 <第5土曜>

 今年1月、75歳で芥川賞に選ばれた黒田夏子さんをはじめ、熟年層の小説家デビューに注目が集まっている。仕事や育児が一段落し、年を重ねた今だからこそ書ける文章があるのかもしれない。

 「この中に小説のネタが詰まっています」。机の上に名刺大のミニノートをずらりと並べ、佐々木和泰さん(62)=横浜市=は少年のような笑顔を見せた。大手の損害保険会社を54歳で早期退職し、温め続けた文筆家への道をいく。

 「人生には三つのステージがある。50歳までは学業や仕事中心で、50〜70歳は公私半々。70を過ぎたら第三の人生。プライベートに重点を置いて過ごしたい」という佐々木さん。言葉通り、入社後は仕事にのめり込んだ。無我夢中で出世レースを勝ち進み、気がつけば54歳になっていた。

 「今が第二の人生だ」

 退職後、ペンネームでブログを開設した。独特の文体とユニークな視点が人気を呼び、毎日300件のアクセスがある。ミニノートは常に胸ポケットに持ち歩き、思いついた内容を書きつける。

 取材には時間をかけるが、構成が決まったら、自室か図書館、時にはビジネスホテルにこもって一気に書き上げる。2006年には藤田嗣治を題材にしたミステリー小説で、オール読物推理小説新人賞の2次審査を通過した。

 会社員時代に商品開発や営業で相手の懐に飛び込んだ経験が、小説の取材に生きているという。「人生は一日一日、死んでいくことに等しい。だからやりたいことは思い切って始めないと。人生経験を積んだからこそ、書きたいもの、書ける幅が広がったと思う」

 小学館文芸編集部の斎藤彰編集長は「若い人の文章は達者でも頭で書いたものが多い。シニアの文章には、経験からにじみ出る1行がある。その差は絶対的です」と話す。

 ここ数年、同社主催の文学賞の応募者は団塊世代より上の年齢層が増え、売り込みなどの問い合わせも多いという。5月に同社から「薔薇とビスケット」で小説家デビューした桐衣(きりえ)朝子(あさこ)さん(62)も、昨年の小学館文庫小説賞の受賞者だ。

 「無駄な経験や出会いは何一つなかった」。1月に「60歳で小説家になる」(幻冬舎新書)を出版した作家の森村誠一さん(80)は、来年で50年を迎える作家人生をこう振り返る。

 42歳の時、角川書店の角川春樹社長(当時)から「作家の証明書になるような作品を」と依頼された。追い詰められて脳裏に浮かんだのが、大学時代、登山中に食べた弁当の包み紙に刷られていた「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね?」で始まる西条八十の詩「帽子」だった。

日々是好日:小説家になりたい 豊富な人生経験つづるシニア世代

 「留年が決まり、絶望的な思いで登った山頂の寒さは今でも覚えている。ずっと心に残っていた詩がふと浮かび、タイトルが決まってからはストーリーが次々と頭の中で展開された」。わずか35日間で一気に書き上げたのが、代表作「人間の証明」だ。

 11年には「悪道」(講談社)で吉川英治賞を受賞。同賞の最年長記録を更新した。20年以上前に「絶対の自信があった」という「忠臣蔵」が同賞に落選した経験をもつ。「あきらめなければ、いつか花開くことがある。組織の都合で退職を強いられても、60歳は能力も気力も十分。小説家を志すのにいい年齢だと思います」

 佐々木さんが思い描く第三の人生は、物書きの合間に好きな絵を見て、少しぜいたくなグラスでいい酒を飲む。できれば憧れの地、ポルトガル・リスボンの夕日を眺めながら。悠々自適な余生を目指し、目下は来年1月締め切りの江戸川乱歩賞に照準を絞る。

 ただ人気作家になったら、締め切りに追われる生活が始まるのでは? 「何が起きるか分からないのが人生。その時、自分がやりたいことに正直に生きていきたい」と笑った。【中村かさね】

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 ◇森村さんが勧める小説ことはじめ

(1)特別な技術は必要ない。まずは思い切って書いてみよう。最初は日記にウソを書いて美化する感覚で、他人に見せることを意識する。

(2)書き上がったら不特定多数の第三者に読んでもらう。インターネットの投稿サイトやブログに公開するのもいい。

(3)本気で小説家を志すなら、出版社などの新人賞に応募してみよう。初心者は短編から始めるといい。

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