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Posted by 中 相作 - 2012.10.26,Fri

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MSN産経ニュース

 平成24・2012年10月21日 産経新聞社、産経デジタル

 

最後の浮世絵師「没後120年記念 月岡芳年」 「血みどろ絵」で閉塞感を打破

 Home > ライフ > 学術・アート > 記事

 

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【美の扉】

 

最後の浮世絵師「没後120年記念 月岡芳年」 「血みどろ絵」で閉塞感を打破

 

2012.10.21 07:45 (1/3ページ)

 

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「東錦浮世稿談 幡随院長兵衛」大判錦絵 慶応3(1867)年

 

 折れたやりが足に突き刺さり、血が足を伝わり床に流れ出る。壁には血染めの手形。そんな状況で平然とおけのお湯を飲む男。挾客(きょうかく)の元祖ともいわれる幡随院長兵衛(ばんずいいん・ちょうべえ)が、丸腰の風呂場で刺殺された場面とされる。なんとも残虐でおぞましい。

 

 「最後の浮世絵師」といわれた月岡芳年の絵だ。その作品は、切腹などで血が噴き出た過激な表現が特徴で「血みどろ絵」とも「残酷絵」ともいわれている。作家の江戸川乱歩、谷崎潤一郎、三島由紀夫らが絶賛。芥川龍之介にいたっては「血みどろ絵」を一時期所蔵していたほどだ。

 

 没後120年を記念した「月岡芳年」展が、東京の太田記念美術館で開催されている。

 

 首がスッパリと刀で切られたり、身体中に矢を受けていたり、妊婦が逆さづりにされたり…。あまりにもショッキングなシーンに、ドキドキしてしまう。歌舞伎や講談の刃傷場面を題材にした「英名二十八衆句(しゅうく)」というシリーズは、画面に血があふれ、凄惨(せいさん)極まりない。ではなぜ芳年は、それほどまでに生臭い血に執着したのか。

 

 「血を多用することで場面を盛り上げたのでは」と、太田記念美術館主幹学芸員の日野原健司さん(37)は解説する。確かに鮮烈な血は人目を引く。

 

最後の浮世絵師「没後120年記念 月岡芳年」 「血みどろ絵」で閉塞感を打破

 

2012.10.21 07:45 (2/3ページ)

 

 芳年は若くして才能を発揮した。浮世絵師の歌川国芳(1797~1861年)に入門し、3年がたった15歳のころに描いた「源平合戦」の絵が高く評価される。20歳のころには売れっ子絵師として活躍した。「血みどろ絵」の一方で、「芳年武者无類(むしゃぶるい) 源牛若丸 熊坂長範」といった軽快でさわやかな絵もある。ひらりと宙に舞って太刀を振るう牛若丸の劇的な構図は、現代の劇画のようでもある。

 

 芳年が生きた幕末は不穏な時代だった。1853年には黒船が来航。55年には安政の大地震、60年には桜田門外の変が起きた。一揆が多発し、暗殺が横行。そうした不安な時代にあって、人気を博した。

 

 芳年は昨年あたりから雑誌などで特集されたり、本が出版されるなど隠れたブームとなっている。新人物往来社では昨年6月に『衝撃の絵師 月岡芳年』(平松洋解説、2205円)を出版。担当編集者は「現代の劇画に通じる現代性が受けているかも」と、好調な売れ行きの背景を推測する。一方、美術評論家の平松洋(ひろし)さん(49)は「芳年は実際の死体を見て描いているのでリアリティーがある。先が見えない現代も幕末と似ていてリアルな表現が求められているのかもしれない」と話す。

 

最後の浮世絵師「没後120年記念 月岡芳年」 「血みどろ絵」で閉塞感を打破

 

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 閉塞(へいそく)感に包まれた時代には、平穏な絵よりも、むしろ血のほとばしるリアルで激しい色彩の絵の方が刺激的で、好まれるのかもしれない。(渋沢和彦)

 

 

幕末が生んだ特異な3絵師

 

 月岡芳年の師匠は、江戸時代末期に活躍した浮世絵師の歌川国芳(くによし)だった。高い塔のある風景を描き、現代では「江戸のスカイツリー」などといわれて話題になった鬼才だ。「宮本武蔵と巨鯨」という作品では、鯨と戦う武蔵を描き、強さを強調。巨大な骸骨や鋭い爪を持つ化け猫を描くなど、奇想天外な作品を送り出した。芳年は、この特異な絵師に師事したことも自身の芸術に大きな影響を与えたようだ。

 

 国芳の門人には、河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい)(1831~89年)という個性的な絵師もいた。川で拾った生首を写生したという伝説も持つ。目が飛び出たような人物を描写するなど奇怪さが特徴。幕府と長州藩の対立を無数のカエルの兵隊に見立てた風刺的な作品も多い。

 

 3人の絵師は、おどろおどろしい画風から、これまでは芸術的な視点ではあまり認められていなかったが、近年は研究者の間で再評価の機運が高まっている。

 

 

【プロフィル】月岡芳年

 

 つきおか・よしとし 天保10(1839)年、江戸に生まれた。歴史画、美人画、武者絵など多様な浮世絵を制作。浮世絵が需要を失いつつあった時代の中で売れっ子になった。神経衰弱に悩まされながら制作を続け、明治25(1892)年に53歳で死去した。

 

 

【ガイド】「没後120年記念 月岡芳年」は11月25日まで、太田記念美術館(東京都渋谷区神宮前1の10の10)。代表作や新発見を含む240点で全容を紹介する。休館日は月曜と展示替えの29日~31日。入館料一般1000円、大学生700円、中学生以下無料。問い合わせは、ハローダイヤル(電)03・5777・8600。

 

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「芳年武者无類 源牛若丸 熊坂長範」 大判錦絵 明治16(1883)年 太田記念美術館蔵

 

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「文治元年平家の一門亡海中落入る図」大判錦絵三枚続 嘉永6(1853)年 個人蔵

 

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「松竹梅湯嶋掛額」 大判錦絵竪二枚続 明治18(1885)年

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