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Posted by - 2025.09.09,Tue
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Posted by 中 相作 - 2018.01.14,Sun
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チケットぴあ
 平成30・2018年1月11日 ぴあ

『黒蜥蜴』開幕。残酷で美しい愛を見せる
 大内弓子
 Home > ニュース > 演劇 > 記事

『黒蜥蜴』開幕。残酷で美しい愛を見せる

2018/1/11 18:00配信

 

「黒蜥蜴」より

デヴィッド・ルヴォー演出の『黒蜥蜴』が1月9日、東京・日生劇場で開幕した。原作・江戸川乱歩、脚本・三島由紀夫で描かれた物語は舞台にどう立ち上がったのか。女賊・黒蜥蜴を演じる中谷美紀、探偵・明智小五郎を演じる井上芳雄をはじめとするキャストが見せたのは、そここに“美”が宿る世界だった。

観客を待っているのは、すりガラスが半分残った天井だけが用意された舞台。ほかには何もない薄暗闇の中に生演奏の音楽が流れ始めると、いくつものドアが現れた。人々が追い追われるように行き交うなか、いつしかそこはホテルの一室となる。のちの場面には、すりガラスの天井が東京タワーの窓になったりもする。魔法のような、しかし演劇だからこそできるこの仕掛けが想像力を掻き立て、瞬く間に物語に入り込ませてくれる。

物語は、宝石商・岩瀬(たかお鷹)の娘・早苗(相楽樹)を誘拐するという脅迫状が届いたことから始まる。探偵の明智(井上芳雄)を見張りに雇い、見合いのために大阪のホテルにやって来た岩瀬父娘。そこには上客である緑川夫人(中谷美紀)がいたが、彼女こそ、誘拐予告をした女賊・黒蜥蜴だった。しかし、美しいものを盗み、その美しさを永遠に留めるという自分の美学と信念のみに生きてきた黒蜥蜴が、明智と出会うことで初めて恋というものを知る。やがて早苗をさらうことに成功するも、明智への思いに自らが苦しめられることとなる黒蜥蜴。扮する中谷は、その揺らぎを生々しく見せた。妖艶に佇み、大胆に冷酷に犯罪を決行しながらも、狂おしく惑う姿には、心寄せずにはいられない。

対する明智を演じる井上。探偵であるにもかかわらず犯罪への憧れを口にするその危うさに色気が漂う。自信たっぷりに黒蜥蜴を追い詰める様、そして黒蜥蜴の悲しみを受け止める姿に、持ち味である気品が存分に活かされる。家政婦のひなを演じた朝海ひかるの黒蜥蜴への妄信的な献身、黒蜥蜴を慕う雨宮役の成河が見せた嫉妬や葛藤も、この物語の深度を増した。黒蜥蜴に仕える妖しげなダンサーたちも意味深だ。さらには、岩瀬の傲慢、早苗の無邪気が、黒蜥蜴という存在の純粋さと尊さをあぶり出す。中谷が早替えで見せる黒蜥蜴の衣裳も必見。本当に美しく生きるというのはどういうことなのか。ルヴォーとキャストが相反する様々な感情と世界を提示しながら、美しき愛を残酷なまでに突きつける。

東京公演は1月28日(日)まで。その後、2月1日(木)から5日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。

取材・文:大内弓子
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Posted by 中 相作 - 2018.01.14,Sun
ウェブニュース

ステージナタリー
 平成29・2017年12月29日 ナターシャ

新派「黒蜥蜴」早くも再演、“真っさらな気持ち”表明したビジュアルも
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新派「黒蜥蜴」早くも再演、“真っさらな気持ち”表明したビジュアルも

2017年12月29日 10:12



新派130年 六月花形新派公演「黒蜥蜴 全美版」ビジュアル

新派130年 六月花形新派公演「黒蜥蜴 全美版」が6月2日から23日まで東京・三越劇場にて上演される。

6月に初演され、早替りや立廻りなど歌舞伎の手法を取り入れた演出が話題を呼んだ花形新派公演「黒蜥蜴」。初演に続き、喜多村緑郎が明智小五郎を、河合雪之丞が女賊・黒蜥蜴を演じ、共演に春本由香と伊藤みどり、劇団EXILEの秋山真太郎、今井清隆が名を連ねている。

再演に際し喜多村は、「魂を込めてみんなで創り上げた『黒蜥蜴』を、前回のことでよしとせず、ストーリー、衣裳、音楽……様々な面において、さらにバージョンアップさせて、前回の『黒蜥蜴』よりも、満足度+100%になるよう、とにかくまたみんなで創り上げていきたいです!」と意気込みを語る。その思いを表すように、前回から一新されたビジュアルについて河合は「今回のビジュアルは、『白』。喜多村、齋藤先生と打合せていて、すぐに決まりました。満場一致です(笑)。前回はタイトル通り、『黒』で統一しましたが、今回は“新たな気持ち”で。再演とはいえ、“真っさらな気持ち”で挑むため、『白』で統一して撮影しました」と語っている。公演の詳細は続報を待とう。

新派130年 六月花形新派公演「黒蜥蜴 全美版」

2018年6月2日(土)~23日(土)
東京都 三越劇場

原作:江戸川乱歩
脚色・演出:齋藤雅文

キャスト
明智小五郎:喜多村緑郎
黒蜥蜴:河合雪之丞

春本由香、伊藤みどり、秋山真太郎 / 今井清隆
Posted by 中 相作 - 2018.01.13,Sat
ウェブニュース

MOVIE Collection
 平成30・2018年1月9日 キッチュ

中谷美紀が耽美と闇の世界に生きる女盗賊“黒蜥蜴”に!
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(2018年 1月 9日)

中谷美紀が耽美と闇の世界に生きる女盗賊“黒蜥蜴”に!



舞台「黒蜥蜴」公開ゲネプロ

[ムビコレNEWS]  中谷美紀が耽美と闇の世界に生きる女盗賊“黒蜥蜴”に挑戦した話題の舞台「黒蜥蜴」。1月9日より日生劇場にて上演となるこの作品の公開ゲネプロが1月8日に同劇場にて行われた。

・舞台「黒蜥蜴」公開ゲネプロ、その他の舞台写真

本作は江戸川乱歩の長編探偵小説を、三島由紀夫が戯曲化したもの。三島の残した戯曲の中でも最高傑作の1つとされており、「美」に執着する女盗賊“黒蜥蜴”と名探偵“明智小五郎”が繰り広げる耽美と闇の世界が描かれている。

演出は、日本でも「テレーズ・ラカン」「ナイン」「ETERNAL CHIKAMATSU」など、数多くの舞台を手掛けている英国人演出家デヴィッド・ルヴォー。彼の魔法のような演出によって「黒蜥蜴」が、誰も見たことがないグロテスク・ビューティーな世界へと生まれ変わった。

中谷が純粋な美に生きる主人公の女盗賊“黒蜥蜴”役、黒蜥蜴の好敵手であり運命の恋人、探偵“明智小五郎”役に井上芳雄が扮する。ほかに、黒蜥蜴の部下“雨宮”役に成河、さらに相楽樹や朝海ひかる、たかお鷹らが名を連ね、作品発表以降、何度も舞台化されてきたこの名作に挑む。

黒蜥蜴(緑川夫人)役の中谷は、本作出演に「ルヴォーさん主催の演劇学校に、出演料を頂戴して通わせていただいたような、充実したお稽古を経て、いよいよ初日を迎えることになり、少々緊張しておりますが、『一字一句誤りの無い完璧な台詞で感情がこもっていないよりも、物語を生き、感情の発露によって多少台詞が乱れても、後者の演劇を観たいと思う。もちろんだからと言って、台詞をないがしろにしていいという訳ではないけれど』とおっしゃったルヴォーさんの言葉を信じて、井上芳雄さんをはじめとする共演者の皆さんの言葉に耳を傾け、表情を見逃さず、心と心の対話を最も大切に演じたいと思います。高尚なものと低俗なもの、喜劇と悲劇、美しいものと醜いもの、愛と憎しみ、エロスとタナトス、相反する2つの世界が混じり合い、拮抗し合う三島ワールドをぜひご覧いただきたいです」とコメント。

明智小五郎役の井上は「ルヴォーさんとカンパニーのみんなと、この『黒蜥蜴』の世界にいられることが最高に幸せです。悲しいほどに美しい美紀さんの黒蜥蜴とご一緒できるのも光栄です。早く、皆さんに見て頂きたい。きっと今まで見たことのない、でも、心の奥ではどこかで知っていた愛の世界がそこにあるはずです!」と述べている。

舞台「黒蜥蜴」は1月9日より日生劇場にて、2月1日より梅田芸術劇場メインホールにて上演となる。
Posted by 中 相作 - 2018.01.13,Sat
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ステージナタリー
 平成29・2017年12月19日 ナターシャ

「怪人二十面相~黒蜥蜴二の替わり~」、喜多村緑郎「スーパー新派の心意気」
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「怪人二十面相~黒蜥蜴二の替わり~」、喜多村緑郎「スーパー新派の心意気」

2017年12月19日 17:56



「怪人二十面相 ~黒蜥蜴二の替わり~」仮チラシ

「怪人二十面相 ~黒蜥蜴二の替わり~」が、3月30日から4月1日まで東京・サンシャイン劇場にて上演される。

劇団新派の喜多村緑郎と河合雪之丞による自主公演で、江戸川乱歩による原作を、齋藤雅文が脚色・演出する本作。新派からは春本由香が出演し、ゲストに喜多村の妻でもある貴城けいを迎える。

喜多村は本作について、自身のTwitterアカウントで「謎の幽霊館を舞台に 緑郎 雪之丞+貴城けいが贈る愛と美と憎しみの三重唱! 明智と二十面相の対決! 黒蜥蜴誕生の秘話! 見よ! 聴け! 感じろ! スーパー新派の心意気! 第ニ弾!」とコメントしている。チケットの一般販売は1月28日10:00から開始される。

「怪人二十面相 ~黒蜥蜴二の替わり~」

2018年3月30日(金)~4月1日(日)
東京都 サンシャイン劇場

原作:江戸川乱歩
脚色・演出:齋藤雅文
出演:喜多村緑郎、河合雪之丞、春本由香 ほか
ゲスト出演:貴城けい
Posted by 中 相作 - 2018.01.12,Fri
ウェブニュース

映画.com
 平成30・2018年1月9日 エイガ・ドット・コム

中谷美紀、乱歩×三島の「黒蜥蜴」で妖艶な女盗賊に
 Home > 映画ニュース > 2018年1月9日 > 記事

中谷美紀、乱歩×三島の「黒蜥蜴」で妖艶な女盗賊に

2018年1月9日 16:30



美に執着する女盗賊・黒蜥蜴を演じる中谷美紀

[映画.com ニュース]江戸川乱歩の小説を三島由紀夫が戯曲化、このほど中谷美紀主演で上演される舞台「黒蜥蜴」公開ゲネプロが1月8日、東京・日生劇場で行われた。

美に執着する女盗賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎の勝負と愛の行方を描く作品で、美輪明宏はじめ様々な俳優によって上演されている。今回の演出は英国人のデビット・ルボー氏。

中谷は「高尚なものと低俗なもの、喜劇と悲劇、美しいものと醜いもの、愛と憎しみ、エロスとタナトス、相反する2つの世界が混じり合い、拮抗し合う三島ワールドをぜひご覧いただきたいです」とコメント。探偵・明智小五郎を演じる井上芳雄は「悲しいほどに美しい美紀さんの黒蜥蜴」と中谷を評し、「きっと今まで見たことのない、でも、心の奥ではどこか知っていた愛の世界がそこにあるはずです!」と見どころを語る。

「三島がこだわったグロテスクな美しさによってこのラブストーリーを描きたかった」というルボー氏が、耽美、倒錯の愛の世界を、独自の美意識に貫かれた空間設計と中谷らキャスト陣の円熟した演技で見事に体現していた。

共演は相楽樹、朝海ひかる、たかお鷹、成河ら。東京公演は日生劇場にて9日~28日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて2月1日~5日。

(映画.com速報)















Posted by 中 相作 - 2018.01.11,Thu
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マイナビニュース
 平成30・2018年1月8日 マイナビ

中谷美紀、妖艶すぎる姿で井上芳雄と対決 『黒蜥蜴』初日前に緊張
 Home > エンタメ > 記事

2018/01/08 22:38:48

中谷美紀、妖艶すぎる姿で井上芳雄と対決 『黒蜥蜴』初日前に緊張

舞台『黒蜥蜴』の公開ゲネプロが8日、東京・日生劇場で行われ、中谷美紀、井上芳雄、相楽樹、朝海ひかる、たかお鷹、成河が登場した。

 

左から井上芳雄、中谷美紀

同作は、江戸川乱歩の探偵小説を三島由紀夫が1961年に戯曲化し、以来様々な俳優によって上演されている。稀代の女盗賊・黒蜥蜴と、名探偵・明智小五郎の勝負と愛の行方を描く。今回はデヴィット・ルヴォーが演出を務めた。

体の線に沿った数々のドレスを身にまとった中谷の黒蜥蜴は、妖艶でありながらどこか可憐な佇まい。清廉さと大人の男性の色気を併せ持つ井上の明智小五郎、神経質で美しい部下・雨宮を演じた成河とともに『黒蜥蜴』の世界を創り上げた。

「ルヴォーさん主催の演劇学校に、出演料を頂戴して通わせていただいたような、充実したお稽古」と振り返る中谷は、9日の初日を前に「少々緊張している」という。「井上芳雄さんをはじめとする共演者の皆さんの言葉に耳を傾け、表情を見逃さず、心と心の対話を最も大切に演じたいと思います」と意気込んだ。

さらに中谷は「高尚なものと低俗なもの、喜劇と悲劇、美しいものと醜いもの、愛と憎しみ、エロスとタナトス、相反する2つの世界が混じり合い、拮抗し合う三島ワールドをぜひご覧いただきたいです」と語った。

井上は「悲しいほどに美しい美紀さんの黒蜥蜴とご一緒できるのも光栄です」と喜びを表す。「きっと今まで見たことのない、でも、心の奥ではどこか知っていた愛の世界がそこにあるはずです!」とアピールした。

「不思議と緊張もなく穏やかな気持ちです」という成河は、「想像力を刺激するシンプルで力強い演出」が見所と明かす。「デヴィット・ルヴォーの美意識が行き届いた、演劇ならではの『空間の使い方』に是非注目して欲しいと思います」とコメントを寄せた。

東京公演は日生劇場にて9日〜28日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて2月1日〜5日。
Posted by 中 相作 - 2018.01.11,Thu
ウェブニュース

スポーツ報知
 平成30・2018年1月9日 報知新聞社

中谷美紀、三島作品「黒蜥蜴」で妖艶な美貌みせた
 Home > 芸能 > 記事

中谷美紀、三島作品「黒蜥蜴」で妖艶な美貌みせた

2018年1月9日7時0分 スポーツ報知



舞台「黒蜥蜴」での中谷美紀

 女優の中谷美紀(41)が8日、都内で主演舞台「黒蜥蜴」(9~28日、東京・日生劇場)の公開ゲネプロに出席した。

 江戸川乱歩の長編小説を三島由紀夫が戯曲化。中谷は美に執着する女盗賊・黒蜥蜴役。中谷は「相反する2つの世界が交じり合い、拮抗(きっこう)し合う三島ワールドをぜひご覧頂きたい」と意気込んだ。黒蜥蜴の好敵手であり運命の恋人、探偵・明智小五郎を演じる井上芳雄(38)は「悲しいほどに美しい美紀さんの黒蜥蜴とご一緒できるのも光栄です」とコメントした。
Posted by 中 相作 - 2018.01.10,Wed
ウェブニュース

NIKKEI STYLE
 平成30・2018年1月6日 日本経済新聞社、日経BP社

『黒蜥蜴』で挑む名探偵・明智小五郎役(井上芳雄)
 井上芳雄
 Home > エンタメ > 記事

井上芳雄 エンタメ通信

『黒蜥蜴』で挑む名探偵・明智小五郎役(井上芳雄)

第13回

2018/1/6

 井上芳雄です。今年もよろしくお願いします。1月9日から『黒蜥蜴』(くろとかげ)という舞台に立ちます。江戸川乱歩の探偵小説を三島由紀夫が戯曲化した作品で、女盗賊の黒蜥蜴と名探偵の明智小五郎が繰り広げる耽美(たんび)と闇の世界を描いています。黒蜥蜴を中谷美紀さんが演じ、明智を僕が演じます。演出は英国人のデヴィッド・ルヴォーで、以前『ルドルフ ザ・ラスト・キス』で一緒に仕事をして大きな感銘を受けました。今回もたくさんの刺激を受けています。



『黒蜥蜴』は1月9~28日東京・日生劇場、2月1~5日大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演。写真は製作発表。左からデヴィッド・ルヴォー、相楽樹、井上芳雄、中谷美紀、成河、朝海ひかる(撮影:舞山秀一)

 ルヴォーが言うには、『黒蜥蜴』は完璧な美を求める話です。ただ、そんなものはない。なかったときに人間がどうするか、どうなるかという話だと言います。僕がこれまであまりやったことがないタイプの世界観の作品なので、すごく興味深いです。

 僕が演じる明智は、ぱっと見は一番まともですけど、中身は犯罪に取りつかれたオタクみたいな人間。盗賊の黒蜥蜴のように犯罪をする方に傾いているか、探偵の明智のように犯罪を解き明かす方に傾いているか。それだけの違いなので、2人は強く引かれ合うし、でも決して結ばれることはない。ルヴォーは「ブラック『ロミオ&ジュリエット』だ」と言います。そういう特異な愛の話でもあります。

 あまりにも純粋だったり、あまりにも優しい心を持っていると、人は犯罪に走る、という明智のセリフがあります。一般的には、何か悪いたくらみがあったり、ゆがんだりしているから犯罪をすると思いがちです。ところが三島さんはそう考えずに、一番優しい心の持ち主が一番犯罪者の資格を持っている、と書いてるんですね。その考え方は、今まで僕の中になかったものだから新鮮でしたし、役を演じながらそれを掘り下げているところです。

 ルヴォーは三島さんや彼の作品が大好きで、『黒蜥蜴』もずっと演出をしたかったそうです。独特の美意識を持っていて、三島さんに相通じるものがあるのでしょう。特異な形の美ですが、だからこそ人を引きつけてやまないものがあります。

 ルヴォーの演出ですてきなのは、演劇の魅力をよく知っていて、セットにしてもそのまま描かないことです。例えば、ホテルの部屋が2つあると書いてあれば、普通なら2つの部屋のセットが出てくると思うのですが、そうはしない。真ん中に扉だけがあって、床が回ることでこっちの部屋になったり、あっちの部屋になったりします。そうやって、お客さんの想像力をかき立てることで、情景を描くのがとても上手です。

■忘れられない言葉をくれる演出家

 役者からすると、忘れられない言葉をくれる演出家でもあります。舞台の上の役者がみんな正面を見て、夕日を見ながら「ああ、いいピアノの音だね」と言う場面を稽古していたときのことです。全員の視線をあわさないといけないので、「どのくらいの角度で見たらいいですか」という質問がありました。普通の演出家なら、「あのライトのところ」とか「45度」とか言うと思います。ところが、ルヴォーは「太陽の沈む方を見てくれ」と言いました。そう言われると、役者は「ああ、自分は沈む太陽を見てるんだ」と思って、演じるたびに、その言葉を思い出します。そういう演出がルヴォーのすごいところだし、そこに役者はみんなほれてしまうんです。

 ルヴォーはいつも、すごく情熱を持って生きている人を描きたいと思っているようです。彼は、よくこんなふうに言います。「舞台に出てきて、相手に向かって何かをしゃべるのは、相手を変えようとか、影響を及ぼそうと思っているから。何の理由もなくしゃべる人はいないし、何の理由もなくそこに来る人もいない。だから、舞台に出てくる以上は、絶対に理由がある。それを表現するんだ。それにはエネルギーが必要だ」

 そう言われて、芝居をしていると、たしかに自分がどんどん情熱的になって、テンションが上がっていきます。生きている、という実感が湧いてきます。

 今回演じる明智も、そういう情熱に動かされて生きる人間です。それをどこまで表現できるか、僕にとっても新たな挑戦です。

井上芳雄



 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP社)。

 「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第14回は1月20日(土)の予定です。
Posted by 中 相作 - 2018.01.10,Wed
ウェブニュース

エンタステージ
 平成30・2018年1月8日 WOWOW

成河インタビュー!『黒蜥蜴』は「耽美的で大衆的で喜劇的な作品であると分かった」
 エンタステージ編集部
 Home > インタビュー > 特別インタビュー > 記事

成河インタビュー!『黒蜥蜴』は「耽美的で大衆的で喜劇的な作品であると分かった」

2018年1月 8日

2018年1月9日(火)に東京・日生劇場にて開幕する『黒蜥蜴』。江戸川乱歩の長編探偵小説を三島由紀夫が戯曲化した傑作を、ロンドンやブロードウェイで活躍する英国人演出家のデヴィッド・ルヴォーが手掛ける本作で、美貌の女盗賊“黒蜥蜴”の部下であり、彼女に恋い焦がれる青年・雨宮潤一役を演じるのが、成河だ。ルヴォー演出を初めて受ける成河に、その魅力や作品への取り組みを聞いた。



――『黒蜥蜴』、いよいよ開幕です。始まりの製作発表から、かなり印象的なものでしたね。

寸劇仕立てというあの形は、おもしろかったですね。それから、衣裳デザインを担当してくださっている前田文子さんのお話を聞く、学生さんの目がとてもキラキラしていて、とても素敵な空間でした(※『黒蜥蜴』の製作発表は、東京モード学園内にて行われました)。

――その製作発表では、成河さんは一度、出演を辞退されていたとおっしゃっていましたが。

三島由紀夫さんの『黒蜥蜴』の中で描かれている青年・雨宮のイメージを考えると、最初、僕ではないんじゃないかと感じたんです。雨宮は、20代・・・もしかしたらまだ10代の、少年から青年への過渡期の美しさを秘めた人物なのではと想像していたので。あくまでも僕のイメージなんですが、そういう時期特有の危うさや色気が描かれているんじゃないかと。だから、僕よりももっとふさわしい方がいるんじゃないかと思ったんですよ。



――決め手は、演出のデヴィッド・ルヴォーさんとお会いになって、直接お話をされたことだったとか。

そうなんです。ルヴォーさんに会う機会をいただけたので、自分の考えを直接伝えた方がいいかなと思って伺いました。そうしたら、真っ先に「そんなの(既存のイメージは)関係ない」って言ってくださって(笑)。
ルヴォーさんが演出するからこそ、日本における『黒蜥蜴』の上演史へのこだわりは必要なかった。彼は、日本人よりも作品について詳しいぐらい勉強をされていて、お話を伺う中で、僕の方が固定観念に縛られていたんだなと気づきました。

それから「フィジカルな作品として、この『黒蜥蜴』を立ち上げてみたい」という野心を伺ったんですね。実際に舞台でどう実現しているか、観ていただいてということになりますが、いろんな可能性を感じたんです。照明や音響などの力だけではなく、演者の力で空間を変え、動かしていく。ルヴォーさんは、役者が人物を純粋に演じるということだけにとどまらない、演劇の醍醐味や可能性をとても信じている方なので、その部分でも意気投合したんです。僕も、そういう演劇が大好きなもので。

演劇の可能性は無限に開かれているのだから、あまりせせこましく考えずに、その一助たり得たいと思うように変わりました。演劇の概念から広げようとしている方が、日本の概念の中に収まらずに三島由紀夫作品に取り組むということは、とても価値のあることだと思いますし、すごく貴重な経験です。

――ルヴォーさんとお会いになったのは、その時が初めてだったのでしょうか。

ルヴォーさんの作る作品は、彼がまだ小さなスペースでやっていた頃から観ていましたし、劇場などでお目にかかることもありましたが、きちんとお会いしてお話するのはその時が初めてでした。初めてお話するのに、図々しくも自分の演劇観のようなものを語ってしまったのですが、真摯に聞いてくださったんですよね。

――海外の演出家さんと日本人のキャストの皆さんが、日本の古典や近代演劇に取り組むことで、固定概念を破り新しい演劇を生み出される気がします。

そういう機会が増えることに期待したいですし、この作品もそうあれるように、喜んで、全力でやってみたいと思っています。



――黒蜥蜴役の中谷美紀さんとは、初共演になりますね。

制作発表の前に行われた、事前の本の読み、顔合わせのようなワークショップで初めてお会いしたんですが、「私なんて、私なんて、向いてないんです・・・」みたいな感じの、ものすごく腰の低い方で、びっくりしましたよ(笑)。壁のない、とても付き合いやすい方なので、制作現場ではたくさん話をしていけたらいいなと思いました。

――そして、とても仲が良いという井上芳雄さんとは『ハムレット』『エリザベート』に続いての共演です。

共演はまだ2回、これが3回目なんですけど、よく話をする仲です。問題意識を共有できる方なので。

――ちなみに、成河さんと井上さんが共有される問題意識というのは、どのようなことなのでしょうか。

日本の演劇の中で、いかに俳優として活動するかということへの問題意識ですね。問題意識と言っても、ネガティブなことばかりじゃないですよ(笑)!多岐に渡るのでなかなか一言では言い切れませんが、現状からどう脱却し、さらに何かを手に入れて、また持ち帰ることで、様々な方面を相乗効果で豊かにしていくか。それをどう実現することが一番、俳優にとって必要なことか。ともすれば朝まで議論をしたりします。別に正解があるわけではないんですが、明日に向かう建設的な意見交換をする(笑)。そういう仲間ですね。

――本作は、江戸川乱歩の小説を、三島由紀夫が戯曲化したものですが、台本もすべて旧字なんですね。

そうなんですよ。日本語に親しんだ人でも、すんなりとは読めないからガクッとなるでしょう(笑)。でも、ルヴォーさんは訳された英語で読んでいるから、現代劇の戯曲を読んでいるのと変わらない感覚なんですよね。

――なるほど!三島文学ということもあり、少々身構えてしまったのですが、それもまた固定概念ですね。

そういうフィルターを、全部ひきはがす必要はないですが、ルヴォーさんはTPT(シアタープロジェクト・東京)の頃から三島作品と向き合っていて勉強熱心な方なので、何が本質なのか、何を本質として届けたいのかを、きちっと考えて作ってくださっています。それを皆様と共有できる日が楽しみですね。



――ルヴォーさんの演出作品は、いつもこういうアプローチがあったのかと驚かされるのですが、今回も乱歩特有の世界観と、三島脚本の言葉のぬめりをどう表現されるのか想像がつかなくて。

読み合わせで、全員一致で思ったことなんですけど、三島由紀夫さんは、この戯曲をものすごく大衆的な、喜劇として書かれているんですね。すごくバカバカしくて、笑える書かれ方をしているところが、すごくいっぱいあったんです。声に出して、実際に役同士で声を交わしてみることで、初めて分かったんですけど。ルヴォーさんも「これはすごく大きな発見だね」と言っていました。

ルヴォーさんの作る『黒蜥蜴』も、おそらくそういう部分を踏まえた『黒蜥蜴』になると思います。

あの時代の持つ荘厳さや重々しさ、優麗かつ美しい様はもちろんあるんですけど、そこにある人間味が、今の僕たちの目に異世界の出来事のように映ってしまっては、演劇としてもったいないと思うので。非常に滑稽な人たちが、滑稽なやり取りをしている。ちょっと、ドリフのずっこけに通じるような台詞のやり取りも書かれているわけですよ(笑)。間違いなく、そういう意図を持って書かれているなということがたくさん見つかりました。そういう部分を、ストレートに入れ込むことができるのは、ルヴォーさんというイギリス人ならではの感覚だと思います。距離感があってこそ、の感覚。日本人だと「本当にいいのかな・・・」ということが、気持ちいいものになっていると思います。

――今、お話を伺っていて、作品の印象がだいぶ変わりました。

三島作品にもいろいろありますが、この『黒蜥蜴』に関しては、大衆的で喜劇的で、耽美であるということが、すごく意味のあることなんだと思いました。この大衆的で喜劇的という部分は、今回改めて教えられたことでもあります。ルヴォーさんは解釈の共有を、とても繊細に、大切にされている方なので、全員でルヴォーのイメージを共有し、皆さんへ届けたいですね。

――ルヴォーさんが最初に成河さんに伝えらえた“フィジカルな作品として立ち上げる”という部分が、鍵になりそうですね。

三島由紀夫さんの戯曲って、ト書きがすごく書き込まれているじゃないですか。何がどこにあって、どんなセットで、どんなアンティークで、どんな位置に何があって・・・といったように。そういう細かいト書きにこだわって、言葉の持つリズムにのっとって、具象で美術を作っていくという方向が一つあると思うんですね。三島戯曲だけでなく、日本の近代戯曲をやる時は特に。俳優の演技も、抽象的な表現の仕方はいくらでもあるんですが、そういう具象の中で場は変わらずに空間を変えるにはどうするのか・・・最初、ルヴォーさんも「どんなのがいいかな?」とワクワクしている感じがありました。



――「フィジカル」と聞いて、受け取る人の印象や想像は様々ですよね。

そうですね~。これは難しいですよ。ダンサー的な“フィジカル”と俳優にとっての“フィジカル”は、全然違うので。一応、僕が定義としているのは「空間を変えるための所作」です。例えば、能や狂言師の方が扇子を開く動き、手を振る動き。そういうものが、俳優が持つ“フィジカル”な面だと思います。派手な踊りや、分かりやすいエンターテインされた外見だけではなく、ごくごく小さなきっかけで空間がガラッと変わっていく時、一番大きな衝撃がお客さんに走るはずなので。

僕自身は、機能としてのフィジカリティを発揮できればいいな、と思います。言葉だとうまく伝わらないかな~。でも、きっと分かる方には分かっていただけると信じて(笑)。

――それでは最後に、公演に向けてお客様へメッセージをお願いします。

先ほど言ったとおり、三島由紀夫の『黒蜥蜴』は、耽美的で大衆的で喜劇的と、僕は捉えています。そういう日本人では簡単に突破できないような自由な作品の捉え方を、ルヴォーさんと探した結果をお届けするので、そういう意味で、今まで誰も見たことない、触れたことのない形の『黒蜥蜴』を観ていただけるという思いがあります。そして、機能としてのフィジカリティを理解していただきましょう(笑)!そういうことを、ぜひ一緒に共有しましょう。



◆公演情報
舞台『黒蜥蜴』
【東京公演】1月9日(火)~1月28日(日) 日生劇場
【大阪公演】2月1日(木)~ 2月5日(月) 梅田芸術劇場メインホール

【原作】江戸川乱歩
【脚本】三島由紀夫
【演出】デヴィッド・ルヴォー

【出演】中谷美紀、井上芳雄/相楽樹、朝海ひかる、たかお鷹/成河
一倉千夏、内堀律子、岡本温子、加藤貴彦、ケイン鈴木、鈴木陽丈、滝沢花野、長尾哲平、萩原悠、松澤匠、真瀬はるか、三永武明、宮菜穂子、村井成仁、安福穀、山田由梨、吉田悟郎
ダンサー:小松詩乃、松尾望(50音順)

(撮影/エンタステージ編集部)

(文/エンタステージ編集部)
Posted by 中 相作 - 2018.01.09,Tue
RAMPO Up-To-Date 2018(1) 平成30・2018年1月
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