いやー、きょうは暖かい。
とても暖かい。
きょうの当地はとても暖かい。
もしかしたら、春とかいうやつが、もうそこまで来ているのかもしれんな。
では、記録的な寒さのせいで、ということでもないんだけど、しばらくほったらかしだった件、近鉄桔梗が丘篇のあとをつづろう。
とはいえ、あんまり不景気なことばかりいってるのもよろしくないから、やや表現を変えるならば、衰退や縮小を前提に乱歩関連資料の収集と活用を進める、というのは、少し以前にお役所でよくつかわれた言葉でいうと、持続可能な収集と活用を進める、ということだ。
ほんと、持続可能ななんたらかんたらって、一時はよく耳にしたけど、最近はどうなんだろうね。
そんなことはまあいいとして、収集と活用を持続可能ならしめるためには、いったいなにをすればいいのか。
収集してまーす、活用してまーす、ということを、どーんと前面に打ち出すことだ。
きょうびのことばでいえば、発信する、ということだ。
より具体的にいうならば、インターネットを活用することだ。
みたいなこと、わしゃもうずーっと以前から、名張市立図書館のカリスマ嘱託と呼ばれておったころから、ばかみたいにひたすら提案しておったのじゃが、なにをゆうてやったとて、名張市役所のみなさんにゃ理解していただけなかったわけなんよね。
難しいことじゃありゃせんがや。
ごく簡単なことだがや。
たとえば、以前であれば、名張市の行政情報は紙媒体で地域住民に提供されていた。
しかし、ある時期から、行政情報の提供にはインターネットも利用されるようになった。
同様に、名張市立図書館が調査収集した乱歩にかんするデータも、以前は紙媒体でしか提供できなかったけど、これからはインターネットで提供すればいいじゃん、というただそれだけのことばい。
ただそれだけのことが、名張市役所のみなさんにゃどうしても理解していただけなかったんよる。
はっきりいうけど、ひとつの判断として、熟慮に熟慮を重ねたその結果として、乱歩関連のデータをインターネットで提供することはいたしませんぞ、という決定がくだされた、みたいな話ではまったくないのね。
ほんとにね、ほんとになんにも、わかんないわけ。
判断力の問題ではなくて、それ以前に、理解力の問題なわけなの。
ほんとにね、ほんっとーに、なんにもわかんないの。
わかってくんないわけなのね。
名張市立図書館が発行した『乱歩文献データブック』と『江戸川乱歩執筆年譜』を両手に携えて、名張市立図書館の副館長が、
「これ二冊ありますけどさなあ、こっちとこっち、表紙は違いますわてなあ。せやけど、中身はほれ、どっちも字ィ書いてあって、二色刷で、ふたつともおんなじですねさ。これ、こっちとこっち、どこが違いますの」
とわしにご下問になる、ってのが、ここいらあたりのお役人さまのレベルなわけね。
いやー、まいったまいった。
いやいや、まいってちゃだめなのであって、とにかくなんとかしなくちゃいけない。
持続可能な収集と活用を進めるために、とにかく動き出さなければ、アクションを起こさなければなんない。
第一歩を踏み出さないことには、名張市立図書館における乱歩関連資料の収集そのものが、なかったことにされてしまう。
てゆーか、もうほとんど、なかったことにされてるわけよね。
だから、市長におすがりして、なんとか首の皮一枚で望みをつなぐことができた、と思うておるわけなんやけど、このところの寒さも手伝ったのか、なんかすっかりちぢこまってしまった、みたいなことになってたんだけど、いやいや、春はやっぱり巡ってくるみたいだな、ということがきょう、しみじみうれしく実感された次第であった。
だから、この春、名張市立図書館がインターネットを利用して乱歩にかんするデータベース、ないしはアーカイブをひろく提供する事業の第一歩が、きっと踏み出せるはずである。
よーし。
よーしよーし。
さーあ、お酒にしよっと。
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