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Nabari Ningaikyo Blog
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Posted by 中 相作 - 2011.09.26,Mon

 二か月後に近づきましたので、またふたたびのお知らせです。

 

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 つい先日、そろそろ講演の準備にかかろうかなと思って正史&乱歩でネット検索したところ、こんなページがひっかかってきてびっくりしました。ミステリ評論家の松坂健さんに昨年の講演のことをご紹介いただいておりました。

 

 ▼日本推理作家協会:日本推理作家協会会報 > 2011年1月号 > 健さんのミステリアス・イベント体験記 第4回 乱歩と正史は本当に仲が良かったのか? 今、解き明かされる乱歩・正史交友録の秘密。神戸探偵小説愛好曾が、毎年恒例の正史生誕碑建立記念講演会を実施

 

 えらくご過褒をたまわって頬が赭らむ思いですが、ここでちょっと思い出話に脱線しますと、あれは私が名張市立図書館の乱歩資料担当嘱託を拝命した直後のことでした。そのころにはあの図書館から、というか名張市という自治体からなんともひどい目に遭わされることになるなどとは夢にも思わず、私は自分でも涙ぐましくなるほどの滅私奉公の日々を始めていました。当時の私はいまとは比較にならないほど乱歩のことに詳しくなく、しかしそれはとりあえず乱歩作品を読み返したり乱歩関連資料に眼を通したりすることでいくらでもカバーできるとは思っていたのですが、問題だったのは探偵小説にさほど興味があるわけでなく、古書にはまったく関心がないということでした。これはなんとかしなければならんなと考えていたところ、名張市立図書館にお客さんがありました。

 

 お客さんは慶應義塾大学推理小説同好会OB会のみなさんでした。松坂さんもメンバーのおひとりです。名張市が乱歩の生誕地であることからその前年、初めて名張市立図書館を訪ねてくださって、以来たしか十三年連続で毎年一度、名張市に足を運んでくださいました。会員のみなさんからミステリ関係の蔵書もたくさん寄贈していただいたのですが、これはいまだに名張市立図書館の地下書庫に死蔵されたままで、申しわけないといいますか、もったいないといいますか。ともあれ、初めてお会いした会員のみなさんにご挨拶を申しあげたのですが、これはちょうどいいやと思い、関西在住の会員の方に探偵小説と古書のことを勉強できる場はありませんかとお訊きして、大阪で活動している畸人郷という探偵小説ファンサークルを紹介していただきました。探偵小説ファンというのは同時に古書マニアでもありますから、畸人郷の月例会に通えば探偵小説と古書について一石二鳥であれこれ教えてもらうことができました。

 

 その畸人郷の代表が野村恒彦さんで、松坂さんがお書きのとおり横溝正史生誕地碑建立の立役者にして、建碑を記念した毎秋の講演会も独力で開催していらっしゃる神戸探偵小説愛好曾の代表でもあります。いまだにミステリ関連のことで何かとご教示をたまわっているのですが、去年から今年にかけて二年連続で講演会の講師をあいつとめることで、もしかしたら多少のご恩返しができるかもしれんなといまこれを書きながら勝手なことを考えたのですが、しかしまあ、松坂さんにも野村さんにも、ついでにいえば松坂さんの奥さんにも資料調査その他でお世話になり、ここでまたプライベートなことを明らかにしてしまいますと、『江戸川乱歩執筆年譜』のための調査にかかりきりになっていたころのことですが、中央公論社版チェーホフ全集に乱歩が寄稿した文章があって、しかし乱歩生前にはどこの図書館も月報なんて捨てていたみたいですし、中央公論社に電話をいれて調べてもらっても月報は残っていないという状態で、こりゃ困ったなと思っていたところ、慶應義塾大学推理小説同好会OB会のみなさんが名張市立図書館を訪れてくださいました。

 

 一行には松坂さんの奥さんもいらっしゃって、どういう話の流れであったのか、奥さんはフーダニットというミステリ劇専門の劇団を主宰しておられますのでその関係であったか、とにかくチェーホフ全集の月報のことをお話ししたところ、うちにありますよ、と思いがけない話の展開。後日、月報のコピーをお送りいただき、おかけで「『狩場の悲劇』の探偵小説的構成」というタイトルのその随筆をちゃんと調査することができました。そんなこんなでたくさんの方にお世話になったものだとあらためて思い返されますが、直接お世話になったのは私であっても名張市立図書館だって間接的にたいへんお世話になっていたわけで、にもかかわらず乱歩やミステリに関して何もしようとしないあの現状では何のご恩返しもできておらず、というか恩を仇で返すようなていたらくがつづいており、とくに慶應義塾大学推理小説同好会OB会のみなさんから寄贈していただいた図書を死蔵しっぱなしというのはなんとも困ったことなのですが、いやはや、いやまあ、名張市だもの。

 

 そんなことはともかくとして、11月26日には去年のつづきをお話しいたします。内容をひとことでいってしまえば、去年も申しあげたことですが、正史は正しく、乱歩は乱れる、といったことになります。どうぞお気軽にお運びください。

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