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Posted by 中 相作 - 2018.06.02,Sat
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平成30・2018年5月27日 高知新聞社
小社会 何とストレートな感情の表現であろう。「僕ハ独リ…
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小社会 何とストレートな感情の表現であろう。「僕ハ独リ…
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小社会 何とストレートな感情の表現であろう。「僕ハ独リ…
(2018.05.27 08:00)
何とストレートな感情の表現であろう。「僕ハ独リボツチデ淋イヨ」。そう書いたはがきの主はロンドンに国費留学していた文豪夏目漱石。ドイツ留学組の友人らに心情を吐露している。
漱石が異国で、神経衰弱に陥るほど孤独に苦しめられたことはよく知られる。それにしても「独リボツチ」「淋イヨ」とはいささか子どもじみていないだろうか。同時期の書簡には随分、立派な内容のものも多い。
はがきの内容は全集に掲載されていたが、所在不明だった原本が福井市内の古書店で見つかった。心を許せる友への人間漱石の叫びだろうか。漱石は留学中、妻の鏡子あてに「おれの様な不人情なものでも頻(しき)りに御前(おまえ)が恋しい」と書き送った。
書簡ではないが、作品を通じて文人の新しい素顔が浮かび上がることがある。例えば最近では探偵小説家の江戸川乱歩。乱歩の小説は耽美(たんび)で退廃的、残虐な描写も多い。これが戦時下の言論統制に引っかかり、一般には発表できなくなった。
このため戦時中は筆を折ったとされている乱歩だが、意外なところに発表の場はあった。海軍省の外郭団体の会報だ。ただ乱歩が当局ににらまれていたのは事実らしい。その理由は「エドガー・アラン・ポーをとっているのはいけない」。米作家の名を借りるのは敵性だった(「文壇よもやま話」)。
未発見の書簡の原本や埋もれた作品から、作家の肉声が聞こえてくるようだ。
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