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Posted by 中 相作 - 2017.10.23,Mon
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 平成29・2017年10月15日 朝日新聞社

江戸川乱歩×三島由紀夫の『黒蜥蜴』が舞台に
 真名子陽子
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江戸川乱歩×三島由紀夫の『黒蜥蜴』が舞台に

相楽樹、黒蜥蜴はすごく美しくて悲しい人

真名子陽子

2017年10月15日

 江戸川乱歩の探偵小説で、三島由紀夫が戯曲化した『黒蜥蜴』。女盗賊の黒蜥蜴と名探偵、明智小五郎が繰り広げる耽美と闇の世界――2018年1月、その『黒蜥蜴』が英国人演出家、デヴィッド・ルヴォーの演出により上演される。

 日本に魅了され、日本で演出する理由を、三島由紀夫作品に出会ったからだというルヴォー。そのルヴォーが描く『黒蜥蜴』に、主演の黒蜥蜴(緑川夫人)役に中谷美紀、その好敵手で運命の恋人、明智小五郎役に井上芳雄、黒蜥蜴の部下、雨宮役に成河、そして、相楽樹や朝海ひかる、たかお鷹といった贅沢な出演者がそろった。黒蜥蜴に誘拐される宝石商のお嬢様、岩瀬早苗役を演じる相楽樹の取材会が大阪で開かれ、作品の魅力について語った。



相楽樹=安田新之助撮影

ルヴォーさんと世間話をするみたいにお話を

記者:この作品への出演が決まった時の感想をお願いします。

相楽:出演が決まった時は純粋にうれしかったです。その後、共演者の方がわかった時は、早苗役を演じる責任感がでましたし、プレッシャーも感じました。けれど今は、お稽古が始まるのがとても楽しみです。

記者:ルヴォーさんとは、すでに会われたのでしょうか?

相楽:出演が決まる前に、ルヴォーさんとお会いしてお話をさせていただきました。ルヴォーさんから、あなたが思う黒蜥蜴はどういう女性だと思いますか、というようなことをいくつか聞かれまして、感想などをお話させていただきました。世間話をするみたいに、気さくにお話をさせていただきました。

記者:その時ルヴォーさんにはどのような感想をお話されたのですか?

相楽:美輪明宏さんの舞台を見た感想なのですが、緑川夫人は自分の美を追求するあまり、宝石を盗んだり、人間の身体を美しいと思ったり、「美」に対して執着を持っている女性。「美」への追求について女性はすごく共感するでしょうけど、ダイヤモンドのように冷たくて裏切らないもの、そういうものにしか欲を満たされない黒蜥蜴は、とても悲しい女性だと思いますと伝えました。それが正しいかわからないですけど、私はそんな気がして…すごく美しくて悲しい人だなと思ったんです。

早苗役、最後に重要なことが明かされます



相楽樹=安田新之助撮影

記者:演じる早苗については何かお話されたのでしょうか?

相楽:早苗は、宝石商の娘でお嬢様なんですが実は秘密があって、最後にそれが明かされます。物語のカギを握っている女の子です。作品のキーになりますので、しっかり演じないといけないなと思いますし、魅力的な役だとお話しました。

記者:早苗は普通のお嬢様の印象があったのですが、作品のキーになるというのが気になります。

相楽:最後にわかるんです。ネタバレになるので……言えません(笑)。実は早苗は…と、単なるお嬢様ではない重要なことが明かされます。

記者:では、早苗役はやりがいがありますね。

相楽:そうですね。ルヴォーさんがどのくらい早苗を私に任せてくれるのかわかりませんが、がんばりたいと思います。

記者:原作は読まれたのでしょうか?

相楽:まだ、戯曲しか読んでいないんです。舞台とは違いましたが、どちらにも共通するのは“グロテスクビューティ”で、ルヴォーさんもよくおっしゃっていました。黒蜥蜴の完璧さの追求、美の追求、また明智さんへの恋心など、他の作品では見られないですし、似ている作品もないんじゃないかなと思います。

記者:三島由紀夫さんのイメージは?

相楽:三島さんの作品で知っていたのが『黒蜥蜴』でした。まさかその作品に出るとは思いませんでした。そして、美輪さんの舞台で、『黒蜥蜴』をより深く知ることができて、なにか不思議な結び合わせを感じます。三島さん自身がとてもアヴァンギャルドな生き方をされているので、三島さんの思いが『黒蜥蜴』に出ているんだろうなと感じます。

小劇場で経験を積んできた



相楽樹=安田新之助撮影

記者:10代のころから舞台を経験されていて、劇団に入っていたとか?

相楽:所属はしていませんでしたが、劇団競泳水着の舞台に出演させて頂きました。純粋なラブストーリーを書かれている演出家が主宰している劇団です。小劇場でやっていましたので、近い距離でお客様を感じながら、経験を積んできました。

記者:大きな舞台は今回が初めてですか?

相楽:はい、ここまで大きい舞台は初めてです。

記者:小劇場が好きだったんですか?

相楽:元々舞台を見るのが好きだったんです。高校生の頃から出演するようになって、いろんなつながりができて、別の劇団の作品にも出させてもらっていました。大きな劇場でも300人くらいでしょうか。日生劇場も梅田芸術劇場もその倍以上ありますので、どうなるんだろうと思います。お客様の顔は見えるのかな……(笑)。

記者:2階席や3階席まであります。

相楽:300人の劇場の時は、一番後ろのお客様の顔も見えていたのですが、今回はどんな風に見えるんだろうと思います。2階席や3階席まで、ちゃんと届くといいなと思います。

記者:大きな空間でポピュラーな作品に出るのはいかがですか? 緊張するでしょうか?

相楽:舞台は劇場の大きさに関係なく緊張すると思うんです。何度か舞台に出させていただいていますが、緊張しないことはなかったので。でも、大きな劇場で照明があたると客席が見えなくなるので緊張しないよとも言われています。小さい劇場だと、服がすれるちょっとした音でも気になって神経質になったりするんですね。またちがう緊張感の中で、できるかなと思っています。

記者:小劇場のお芝居への興味は、何かきっかけがあったのですか?

相楽:マネジャーさんが好きでよく連れて行ってもらっていたんです。お芝居を近くで見られるのでとても勉強になりました。そこから劇団について知っていくとおもしろくて、出てみたいと思ってオーディションを受けるようになったんです。

中谷さんにクラクラ、井上さんにメロメロ



相楽樹=安田新之助撮影

記者:相楽さんと同じ世代の方にも楽しんでもらいたいですね。
相楽:緑川夫人と明智小五郎の恋愛は切なくて情熱的ですし、誰でも人を好きになることはあると思います。好きな人に寄り添いたいけれど寄り添えないもどかしさなど、若い人にも共感してもらえると思います。男性は中谷さんの妖艶さにクラクラするだろうし、女性は井上さんのカッコよさにメロメロになるだろうと思います。いろんな世代の方に楽しんでもらえる作品だと思います。

記者:共演者の中谷美紀さんと井上芳雄さんの印象を教えてください。

相楽:まだ、お二人ともお会いしていないのですが、中谷さんは唯一無二の存在の女優さんだなと思います。今回の作品で、中谷さんと1対1のシーンがありますが、負けないように舞台に立っていないといけないなと思います。中谷さんとお客様に圧倒されないように、せっかく頂いた早苗役を存分に楽しみたいです。

 井上さんは、ストレートプレイの『陥没』を拝見した時に、気づいたら井上さんのことばかり目で追っていました。いろんな役をされていてすごく振れ幅のある方だなと思いますし、とても表情豊かに演じられる方だと知って、なおさら緊張してきました。

――最後にメッセージをお願いします。

 大きい劇場で古典的な戯曲をするのは初めての挑戦です。豪華な共演者の方々とルヴォーさんとご一緒させて頂くのは、とても不安ではありますが楽しみでもあります。ルヴォーさんは生バンドを入れたいなとおっしゃっていたので、大きな劇場で、生演奏の迫力に中谷さんと井上さんの芝居が加わったら、すごい舞台になると思います。その迫力と一緒に『黒蜥蜴』の世界観にどっぷりと浸っていただければと思います。ぜひ、見にいらしてください。

◆公演情報◆
『黒蜥蜴』
2018年1月9日(火)~28日(日) 東京・日生劇場
2018年2月1日(木)~5日(月) 大阪・梅田芸術劇場メインホール
[スタッフ]
原作:江戸川乱歩
脚本:三島由紀夫
演出:デヴィッド・ルヴォー
[出演]
中谷美紀、井上芳雄/相楽樹、朝海ひかる、たかお鷹/成河 ほか
公式ホームページ

筆者
真名子陽子
真名子陽子(まなご・ようこ) ライター、エディター
大阪生まれ。ファッションデザインの専門学校を卒業後、デザイナーやファッションショーの制作などを経て、好奇心の赴くままに職歴を重ね、現在の仕事に落ち着く。レシピ本や観光情報誌、学校案内パンフレットなどの編集に携わる一方、再びめぐりあった舞台のおもしろさを広く伝えるべく、文化・エンタメジャンルのスターファイルで、役者インタビューなどを執筆している。
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