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Posted by 中 相作 - 2016.12.20,Tue
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BSトピックス
 平成28・2016年12月16日 NHK

満島ひかりさん スペシャルトーク vol.1
 Home > スペシャルトーク > 記事

2016年12月16日

 

シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語
BSプレミアム BSプレミアム 12月26日「何者」/27日「黒手組」/28日「人間椅子」 午後11時15分~

エロスと幻想が交錯する独特の作風で、"日本ミステリーの父"とよばれる江戸川乱歩。初期の傑作短編『D坂の殺人事件』『屋根裏の散歩者』『心理試験』を気鋭の映像クリエーターたちが映像化するシリーズが2016年1月に放送されました。

シリーズを通して名探偵・明智小五郎役を演じたのは満島ひかりさん。中性的で不思議な魅力が話題となりました。12月にはまず第1シリーズを再放送の上、期待の第2シリーズを放送します!

キュートで魅力的な「新しい明智小五郎」はどのようにして生まれたのでしょうか。満島ひかりさんとプロデューサーの淵邉恵美さんにお話をうかがいました。

※以下、敬称略



-通常男性が演じる明智小五郎役のオファーがあった時は、どのように思われましたか?

プロデューサーの淵邉さんに「江戸川乱歩の作品をやりたい。」とずっとお話していたんです。

-満島さんの方からですか!なぜ明智小五郎を?

私は、探偵ものの小説が小学生の頃から好きだったのです。それで機会があるたびに「乱歩の作品をやりたい、小林少年でもいいからやりたい。」と言っていたら、このお話を頂いて。・・・淵邉さん(プロデューサー)は何を考えているのだろうと(笑)。

-淵邉プロデューサーが満島ひかりさんにオファーした理由は?

淵邉:今回「江戸川乱歩の明智小五郎でドラマをやってくれませんか?」というお話を頂いた時に、・・・満島ひかりさん以外が全く思いつかなくて。本当に、私の中で誰か男性の俳優さんにオファーするという感覚がなかったのです。多くの男性名俳優たちが明智小五郎を演じてきたこれまでの映像作品には、それでは勝てないと思ったのです。

※明智小五郎とは…
江戸川乱歩の怪奇小説シリーズの主要なキャラクターの探偵。明智が登場する乱歩の初期の作品の中では、明智は木綿の着物にモジャモジャ頭の貧乏学生として描かれている。しかし、これまでの映画やドラマでは、明智はその初期作品のイメージではなく、それより後のイメージ・背広姿の名探偵ヒーローとして描かれていることが多い。今回のドラマでは、初期作の方のイメージに注目。従来の明智小五郎像をくつがえす、数々の意欲的な演出が行われている。その大胆な演出は、満島ひかりが男性ヒーローを演ずるという、予想外のキャスティングに始まった。


▼キュートな明智小五郎



-男性らしく明智を演じるのではなく、少年のような不思議な存在感の明智小五郎が話題になりました。キャラクター作りというのは、どのようにされたのでしょうか?

現場のみんなと話していたのは、「私たちの表現する明智小五郎は “明智宇宙”でいいんじゃない?」ということ。

- “明智宇宙”・・・ですか?

江戸川乱歩作品をよく撮っていた実相寺昭雄監督(※)は、「明智小五郎は中間の存在だ」というようなことをおっしゃっていました。明智は天使でも悪魔でもなく、サドでもマゾでもなく、中間なのだと。私も作品を読んで、明智は一番人間っぽくもあり、逆に一番ファンタジーにもなる人だなと感じていました。だから、明智小五郎という人物の基本的な軸だけ逃さなければ、同じ人間の中にたくさんの面がはっきりとあってもいいのではないかと考えたのです。それが作品によって明智のタイプを変えたことにつながっています。

※実相寺昭雄監督:(じっそうじ あきお 1937 - 2006年)映画監督、脚本家、小説家。東京藝術大学名誉教授。特撮の巨匠であり、日本の民族性へのこだわりなど独特の世界観で数々の個性的な映像作品を残した。1990年代に「屋根裏部屋の散歩者」「D坂の殺人事件」などを映画化した。


▼強力なビジュアル演出が可能にした明智のキャラクター



※作品それぞれに、描き分けられる明智の個性
『D坂の殺人事件』:「いわゆる好男子ではない」 と描写される、性格に影がある役柄の明智
『心理試験』:事件の解明が難航しているところに突如現れる、非現実的な人格の明智
『屋根裏の散歩者』:「聡明な容貌や話しっぷりや身のこなし」と描写され、犯人を心理的に追い詰めてゆく理知的な明智

-具体的にはどのようにキャラクターを作っていったのですか?

監督のイメージを元に、それぞれの作品の事ことを考えていくのですが、ビジュアルやカタチも重要な要素です。このシリーズに登場する人物たちの姿には、スタイリストの Baby mix(※)がかなり貢献していると思います。私が「作品ごとにアプローチを変えたい」と言えば、彼は「じゃあ、こう変えていこう」とアイデアを出してくれるのです。具体的には、犯人に対して鏡になるような格好やアプローチをビジュアル化することで、明智の存在をいろいろなカタチで表現しています。例えば、『屋根裏の散歩者』では、犯人役の篠原(真一)さんが全身肌色の格好でした。私の方は全身黒。学生寮が舞台なので学生服のような格好をして犯人を弄んでいます。

※Baby mix・・・シリーズを通してスタイリングを担当しているスタイリスト。

-確かに犯人に応じて変貌する明智小五郎像は、摩訶不思議ですね。この複雑な人柄を表現するカギがビジュアルの要素なのですね。
それでは、ここからは第1シリーズの3作品についてそれぞれお聞きします。


▼ 『屋根裏の散歩者』 アドリブ芝居で明智をより濃く表現



<あらすじ> 世の中に退屈していた郷田(篠原信一)は明智小五郎(満島ひかり)と知り合い、その犯罪談に魅了される。そんな時、郷田は下宿の天井板がはずれることに気づき・・・
<監督> 渋江修平
<出演者> 篠原信一、村杉蝉之介 ほか

-『屋根裏の散歩者』では明智小五郎が突如屋根裏から宙に逆さに飛び出て喋ったりするなど、予想がつかないような動きが印象的でした。

明智が屋根裏から逆さまでピョンと出てくるあのシーンは、渋江監督がそういう絵コンテを書いていたんです。それを見て「あ、そういう事をしたいんだ!」と感じられて、監督のイメージをつかんでいったんです。

-では、犯人役の柔道家・篠原信一さんの上に明智が乗っかってしまうシーンは?

淵邉:一億パーセント、アドリブです!

一億パーテント~!あははは(笑)。・・・はい、アドリブで勝手に乗っていました。

-ものすごくアドリブですよね! そのアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

犯人である篠原さんの心の中の、ありとあらゆるところから明智が現れて言うんです…「お前、今こう考えていただろ!」と。そうかあ、そうやってどこからでも現れるという風に見えればいいんだなと思って、・・・篠原さんの上に乗りました! 一応 「乗っていいですか?」って聞いたら「大丈夫大丈夫~!」って言ってくださった(笑)。これは相手が篠原さんじゃないとできないですよね。

-確かに、そうやって犯人を頭の中で支配していく明智の存在が際立つというわけですね。

監督が書いた面白い絵コンテの発想を元に、それを一億倍(笑)にして表現したアドリブです。


▼ 『D坂の殺人事件』 こういう作品だったんだ!



<あらすじ> 私(松永天馬)はある喫茶店で向かいの古本屋を眺めていた。そこへ友人・明智小五郎(満島ひかり)がやってくる。店に人影がないことを不審に思って訪ねてみると、そこには女房の絞殺死体があった・・・
<監督> 宇野丈良
<出演者> 松永天馬(アーバンギャルド)、中村中、山中崇、津田寛治、末吉くん ほか

-『D坂の殺人事件』は、人形や模型を使うなど実験的な演出が多用されていますね。

実は私も、映像ができ上がるまでは作品の全体像が分かりませんでした。出来上がった映像を観てはじめて「ああ、こういう作品だったんだ!」と。宇野監督は「初期の明智小五郎は描かれ方が雑というか、江戸川乱歩も書きながら模索していた時期だと思う。そうならば撮っている我々の方もある意味、明智小五郎という人間像を手探りで模索しながら作っていけばいいんじゃないか」と言っていて、天馬さんが演ずる「私」と共に、ヌボーっと明智が生まれていく作品だったように思います。

-シリーズを通して、明智小五郎のセリフの言い回しも印象的でした。「~なのですよ」「~ではありますまい」など、セリフは全て原作のままですが、話し言葉に直していないのがとても新鮮に感じました。

※明智小五郎の独特のセリフまわしの例>
「彼等のハッシヴとアクティヴの力の合成によって狂態が漸次倍加されて行きました。」
「あなたは心理試験というものの弱点について考えられたことがありますかしら?」
「ちょっときみのマネをしてみたのだよ。」

そうですね。原作のままで全てのセリフをいう作品はほとんどないですからね。明智のセリフはすごく覚えにくいです。セリフが長くても、人に対する情や心が動いている様があると覚えやすいのですが、明智にはそういった情がないので、覚えるのがすごく難しいです。

-演者の側にそういう感触があっても、明智小五郎が生きている乱歩の世界を大切に描こうとした脚本の意欲が伝わってきますね。


▼『心理試験』 男と男の妖しい愛の世界まで…!?



<あらすじ> 貧しい大学生・蕗谷(菅田将暉)は、友人の斎藤(大水洋介)から、下宿先の老婆(嶋田久作)が金を貯め込んでいると聞きつける。蕗谷は綿密に計画をたてて老婆を殺し…
<監督> 佐藤佐吉
<出演者> 菅田将暉、嶋田久作、田中要次、大水洋介、水間ロン、佐藤佐吉 ほか

-『心理試験』での衣装やメイクは、もっと謎めいていますね。

変てこですよね。ヒゲもついていたけど口紅も塗ろう!と思って(笑)。男の役をやっている女の人が口紅を塗ったら…良い意味で変な感じにならないかな?と思ったんです。見ている人が、「もう男でも女でもどっちでもいいや!」と困惑すればいいなという、遊びです。

-そんな風に、男女の性別すら曖昧にすることで、よりミステリアスな感じが出ていますね。

それで、犯人役の菅田(将暉)くんに寄って行って、私が口紅を塗って、更にすごく近くに寄りそって、菅田くんの肩を抱いて、・・・まるで女が男を誘惑しているようにも見える状況です。でも、「あれ?よく考えたらこの設定、実は “男と男”なんだよね…?」と、見ている方にドキドキしてもらいたくて。
『心理試験』には、原作にも「~かしら」というセリフまわしがあるんです。監督がそこにすごく反応していて、「“この人って女?”というのが一瞬匂うとおもしろい」と言っていたことにもヒントを得て、やりました。

淵邉:口紅のシーンは本当に満島さんが現場でひらめいたのです。そのときの明智小五郎のセリフがまた面白くて、「裏の裏を行くやり方ですね。」というものなんです。そのセリフのシーンで、カッっと蓋を開けて口紅を塗るわけです。そうすると女の満島さんが男を演じたところに、更に女のように口紅をする、――つまりその芝居が“裏の裏”、みたいなセリフのひっかけ方をしているわけです。その絶妙な、わかる人にはわかる感じをとっさに入れてくる所がすごいと思います。

-今回性別が曖昧なキャラクターということと、セリフまわしで持っていた性別が揺らぐ感じと、更に “裏の裏”という台詞の中身までを、お芝居の中で結んだのですね。

佐吉監督に「ここで口紅塗っていいですか?」と聞いたら、「いいよ」って言ったのでやってみました。明智の現場ではほとんどリハーサルもやらないんですよ。みんなが瞬間の爆発力を共有していく感じで。犯人役の菅田くんは面白い事をしたい俳優さんなのだと思いますが、蕗谷を演ずる彼は、逆にしっかりしたお芝居をすることを遊ぶ!みたいな感じに見えたんです。そう来るんだったら明智としては、「はいはい、オッケーオッケー、じゃあ、その隙間を行きますよ!」となりました(笑)。

-すごい瞬発力ですね!そういう着想を自由に作品に取りこんでゆくのは高度なことのように思いますが…

高度というより、許してもらえる現場があまりないです(笑)。明智小五郎さんが特別な人物だったから許されたところもあるんじゃないかと思います。やりすぎて監督に止められることもありますが(笑)。

▼シリーズ1を実際に見て。



ご自分で、出来上がった作品を見た時にはどう思われましたか?

何これ!チョー好き!!と思いました。私、これ一生やるーー!って(笑)。やりたかった表現がいっぱいありましたし、かっこいいですし、エロいしかわいいし。強いし弱いし。とにかく楽しくて。撮影自体はすごく大変なのですが、幸せなことに監督さんたちは私のいろんな挑戦を許してくれました。みんなでそういう挑戦を楽しむことができる、最高の現場でした。そこで出来上がったものを見ると、本当に良いのですよね。いろんな方に見ていただきたいです。

満島さんのインタビューはまだまだ続きます。

<vol.1>満島ひかりさん「明智小五郎を続けていきたい」
<vol.2>満島ひかりさん「とても新鮮で、すごく面白かった!」※12月20日公開予定

<再放送情報>「シリーズ江戸川乱歩短編集 1925年の明智小五郎」

第1話「D坂の殺人事件」
BSプレミアム 12月20日(火)午後11時15分~

第2話「心理試験」
BSプレミアム 12月25日(日)午後11時30分~

第3話「屋根裏の散歩者」
BSプレミアム 12月26日(月)午後2時55分~

番組概要



シリーズ江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語
date
BSプレミアム 12月26日「何者」/27日「黒手組」/28日「人間椅子」
time
午後11時15分~
出演
満島ひかり、「何者」/若葉竜也、平井“ファラオ”光、麿赤兒、池上幸平、真野恵里菜 ほか、「黒手組」/ミッツ・マングローブ、つのだ☆ひろ、矢部太郎、田中圭、仁村紗和 ほか
エロスと幻想が交錯する独特の作風で、“日本ミステリーの父”とよばれる江戸川乱歩。初期の傑作短編を気鋭のクリエーターたちが映像化する第2シリーズ。第1回「何者」第2回「黒手組」第3回「人間椅子」。日本初といわれる“本格探偵小説”の中で、日常に潜む人間の本性が深く抉られる。悩める三角関係からの自演殺人、暗号から解き明かされる愛の逃避行、そして、背筋も凍る“歪んだ愛のカタチ”…シリーズを通して明智小五郎を演じてきた満島ひかりが、「人間椅子」では初めて妖艶な女流作家を演じる。演出は、映画やCM、PVなどでも活躍している、佐藤佐吉、関和亮、渋江修平。
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