忍者ブログ
Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.04.28,Sun
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Posted by 中 相作 - 2016.09.04,Sun
ウェブニュース

YOMIURI ONLINE
 平成28・2016年8月30日 読売新聞社

『QJKJQ』 佐藤究(きわむ)さん
 川村律文
 Home > ライフ > 本よみうり堂 > 著者来店 > 記事

『QJKJQ』 佐藤究(きわむ)さん

2016年08月30日 05時20分

現実感覚揺さぶる怪作



 ミステリー作家の登竜門である江戸川乱歩賞を今年受けるのは、推理小説のジャンルにおさまらない怪作だった。有栖川有栖選考委員は、探偵小説三大奇書とされる夢野久作の長編を引き合いに「平成の『ドグラ・マグラ』」と評したほどだ。副賞1000万円の賞に決まった5月の記者会見では、同じ福岡出身で愛読してきた作家に触れ、「賞金5万円の夢野久作賞があれば、間違いなくそちらに応募していた」と笑った。

 主人公は、4人全員が猟奇殺人犯という一家の娘・亜李亜。ある日、亜李亜の兄はパン切り包丁で惨殺され、すぐに死体は跡形もなく消える。母もほどなく家から姿を消した。困惑する亜李亜に、父はポーカーの勝負を持ちかけ、謎の手役について語る――。シュールレアリスムにも通じる奇妙なイメージが響き合い、読み手の現実感覚を揺り動かしていく。

 なぜ人は人を殺すのか――。このテーマを考え抜いた物語には、凄惨せいさんな描写も少なくない。「ルーペで近づいて見るように、解像度を上げて書いた」。生々しい痛みや恐怖を書ききったことで、道徳や法を超えた殺人の本質に迫った。

 2004年に佐藤憲胤のりかず名義で群像新人文学賞優秀作となり、純文学の作家として2冊の小説を刊行した。その後は職を転々としながら書き続けたが、作品は没になることの繰り返し。それでも、書くことはやめなかった。「自分の世界観は面白いと思っていた。はまれば力は発揮できる」。編集者に勧められて乱歩賞に応募した。ジャンルにとらわれずに自分のスタイルで書くことを貫き、2回目の挑戦で賞を勝ち取った。

 「この世の中を小説家の視点で見渡してみると、謎はたくさんある。世間で信じられているものを動かしたい」(講談社、1500円)川村律文

2016年08月30日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
PR
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
開設者
 中 相作:Naka Shosaku
ブログ内検索
バーコード
カウンター
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
忍者ブログ [PR]