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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.05.15,Wed
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Posted by 中 相作 - 2016.04.25,Mon

 とくにご心配もおかけしていなかったと思いますけど、平凡社新書の新刊『リメイクの日本文学史』、きのう津市へ行く用事がありましたので、津駅の駅ビルにある本屋さんでめでたく購入してまいりました。

 用事というのは、津市にある三重県立図書館へ行き、古い伊勢新聞を調べることでした。

 というのも、大正9年の伊勢新聞に乱歩が「恋病」という随筆を連載しているからで、これは前年11月に結婚した乱歩が、平井太郎という本名で、鳥羽における村山隆子とのなんやかんやもまじえて綴った恋愛論みたいな文章です。

 『貼雑年譜』には2月23日に掲載された第一回から、以後は日付なしで最終回の第六回までが、こんな感じで二ページにわたってスクラップされております。


 しかし、よく見てみると、全六回のうち第五回が見当たりません。

 第四回のあとには、いきなり第六回の切り抜きがつづいています。

 なんかすっきりしません。

 全六回の第五回となると、ふつうに考えれば山場にあたる回でしょうから、それが読めないのはなんともすっきりいたしません。

 そうじゃ、県立図書館には古い伊勢新聞がマイクロフィルムで保存されておったはずじゃ、と思い当たりましたので、むろん大正9年の紙面が残ってるかどうか、そのあたりのことはわからなかったのですが、きのうひとっ走り行ってきました。

 そしたら、ありがたいことに大正9年の伊勢新聞、一本のマイクロフィルムになってしっかり保管されておりました。

 で、マイクロフィルムリーダーでチェックしてゆくと、第五回、ちゃんとありました。

 ただし第四回が掲載された号は欠号で、図書館スタッフに確認すると、伊勢新聞社にも残っていませんから、もうこの世のどこにもないと思います、とのことでした。

 そういえば、伊勢新聞社は空襲で全焼したはずですから、「恋病」の第四回はいまや『貼雑年譜』に残るだけ、ということになるのかもしれません。

 で、マイクロフィルムをプリントしてきたんですけど、『貼雑年譜』から洩れていた第五回は、「彼女は今の世の朝顔となるべく余りに親の上を顧みた」という文章で始まっています。

 「彼女」は隆子のことですけど、「今の世の朝顔」というのはなんのことか。

 朝顔は、もしかしたら源氏物語を踏まえた譬喩なのか。

 とにかく読みにくくて読みにくくて、まだ虫めがね頼りに冒頭に目を通しただけなんですけど、おしまいまで判読できたらまたご報告申しあげます。

 ここでお知らせですけど、青空文庫には少年ものの二作目が登場いたしました。


 少年ものといえば、ついでですから三重県立図書館の児童コーナーにも潜り込み、そこらのお母さんやよい子のみなさんから白い目で見られつつ、目についた児童書もチェックしてまいりましたので、本日はそのうちの『北村薫と有栖川有栖の名作ミステリーきっかけ大図鑑 ヒーロー&ヒロインと謎を追う!』というのを「RAMPO Up-To-Date 2016」に記載いたしました。

 しかし、こんなこと、ほんとにきりがないからなあ。
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