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Posted by 中 相作 - 2015.12.13,Sun
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東京新聞 TOKYO Web
 平成27・2015年12月8日 東京新聞社(中日新聞東京本社)

こんな時代を笑おう 市川の伝承+社会風刺=創作狂言
 村上一樹
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こんな時代を笑おう 市川の伝承+社会風刺=創作狂言

2015年12月8日 夕刊



創作狂言「やぶしらず」の稽古に励む出演者ら。デモの場面で、肩を組み「反対、やめろ」と声を上げる=千葉市中央区で

 千葉県市川市に現存する竹やぶ「八幡(やわた)の藪(やぶ)知らず」にまつわる伝承が、市民参加の創作狂言「やぶしらず」となって、十三日に千葉市で披露される。作ったのは和泉流狂言師で千葉大客員教授の小笠原匡(ただし)さん(50)。民衆らが「トクガワノミクスの強行採決」に、「反対反対」とデモで叫ぶ場面など現代的な風刺もふんだんに盛り込まれ、小笠原さんは「現代社会に、笑いで一石を投じたい」と話している。 (村上一樹)

 神社氏子「財政再建とか、トクガワノミクスと言って、寺や神社を片っ端からつぶすことを強行採決したそうだっぺ」

 一同「反対反対、ミクスやめろやめろ」

 十一月中旬、公演会場となる千葉市中央区の県文化会館では、出演者らが、動きやせりふを確認していた。小笠原さんら狂言師に加え、狂言体験講座を受講した市民や、小笠原さんの授業を受講する千葉大生ら計約二十五人が出演する。

 出演する千葉大一年の対馬愛果(つしまあいか)さん(18)は「高校の時に見た能・狂言が面白く、授業を取った。藪知らずの伝承を初めて知ったし、舞台の稽古を通じてコミュニケーション力も上がった」と話す。



 演目「やぶしらず」は、市川市の伝承を、狂言の「弓矢太郎」に当てはめて、一〇年に制作・初演された。五年ぶりの再演となるが、千葉大の授業で学生らと意見を交わしながら、より世相を意識した新しい内容に一新した。

 物語は、小笠原さん演じるシテ・徳川光圀(みつくに)が禁断の土地「八幡の藪知らず」に、足を踏み入れてしまうことから始まる。

 膨大な工費が問題となった新国立競技場の旧建設計画をやゆして「更地にして、大きな競技場に替えてくれる(替えてやろう)」という光圀が、鬼から人々が伝えてきた大切な物を、ないがしろにした報いを思い知らされるという場面も。

 「創作狂言はただのお遊びではなく、今の世の中に関係してくる社会風刺が必要」と小笠原さん。「狂言自体、六百五十年前に登場したときはモダンで新しいものだった。世相を笑いに転じて表現する。喜劇や狂言とはそういうもの」と強調する。

 前評判から、チケットはすでに完売している。来年度以降も、十一月にパリで発生した同時多発テロなど実社会の問題を意識しながら、狂言創作を続けていくという。



現存する「八幡の藪知らず」=千葉県市川市八幡で

<八幡の藪知らず> 市川市役所から国道14号をはさんだ向かいにある鳥居とほこらに守られた小さな竹やぶ。江戸中期の書物「葛飾記」にも記述が見られ、人が立ち入ってはならない「禁足地」と伝わる。平将門や徳川光圀(水戸黄門)にまつわる伝承が残り、江戸川乱歩の「孤島の鬼」や夏目漱石の「行人」など、さまざまな小説にも迷い込んで出られなくなることの例えとして使われている。
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