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Posted by 中 相作 - 2015.09.12,Sat
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 平成27・2015年9月8日 読売新聞社

『道徳の時間』 呉勝浩さん
 川村律文
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『道徳の時間』 呉勝浩さん
 
2015年09月08日 05時20分

「驚き」を求める病



 忘れられない記憶がある。小学生の頃に自宅でアガサ・クリスティーの『アクロイド殺し』を読んでいて、結末に思わず「うわーっ」と叫んだ。そこから患い始めた。「驚き」を求めずにはいられない、厄介な病を。

 本作は、第61回江戸川乱歩賞に決まった。取材の失敗で仕事を離れていたビデオジャーナリストの伏見は、地元で13年前に起きた殺人事件を巡るドキュメンタリー映画の撮影に誘われる。折しも、周辺では奇妙なメッセージを残したいたずらが頻発していた。撮影を進める中で、過去と現在の事件が絡み合い、伏見の心を乱していく。選考委員からは魅力的な「謎」を提示した手腕を評価された。「面白い発想があったら、できる限りつかまえたい。きれいにまとまっている作品は、書いていてつまらない」。読者を物語に引きずり込む粗削りな熱量は、本作の特長だろう。

 1981年、青森県生まれ。大阪芸大で映画作りを学んだが、卒業後は「履歴書1枚書かずに」フリーターになった。3年ほどたったある日、アルバイトをクビになり、「仕事もない、金もない、暇しかない。一丁やってみるか」と軽い気持ちで小説を書き始めると、執筆の楽しさにのめり込んだ。そこから7年。コールセンターでアルバイトをしながら書き続けてきた。昨年は初めて同賞の最終候補に残ったが、受賞には届かなかった。その直後から、「刺し違える覚悟を込めて」一気に書き上げた勝負作だった。

 作家としてのスタートラインに立ったが、“病”は体の中でくすぶっている。「価値観でも仕掛けでも、何かしらの驚きを与えたい。僕がミステリーを読んできた時のような、ワクワクする感じを出せれば」(講談社、1600円)川村律文
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