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Posted by 中 相作 - 2015.08.01,Sat
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佐賀新聞LIVE
 平成27・2015年7月29日 佐賀新聞社

没後50年の乱歩
 章
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没後50年の乱歩

2015年07月29日 05時00分

 日本はミステリー大国なんだそうだ。翻訳ものが主流だった中で、日本独自のミステリーを誕生させたのが江戸川乱歩である◆子ども向けから推理もの、怪奇とエロスの世界まで幅広く、人間くさい。若いころ、怖いもの見たさで読んだことを覚えている。処女作「二銭銅貨」は暗号解読をテーマにした探偵小説。「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」という日本的な素材を使っている点が新しく、結末のどんでん返しが効いている◆ご存じ、明智小五郎が登場する初期の傑作、「D坂の殺人事件」では日本の開放的な家屋で密室殺人事件は書けないという偏見を見事に打破した。作品の多くは戦前に書かれているのに、平易で引き込まれる文章が特徴だ。世代を超えて読み継がれるゆえんだろう◆推理小説は震災や戦争など多くの人の死の後に、より読まれる傾向があると作家の高橋源一郎さんがラジオで言っていた。1人の死の犯人を捜す、つまりその死が大事にされる。大量死への反発が頭をもたげるからだという。扱っている犯罪そのものが社会のひずみから出たものが多く、ミステリーは反権力性をはらむとされる。戦前、発禁処分を受けた乱歩は当局には目障りな存在だった◆50年前の7月28日に乱歩は亡くなった。人間の欲望やタブーを美しく、妖しく表現した世界があらためて評価されている。(章)
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