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Posted by 中 相作 - 2011.04.07,Thu

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 平成23・2011年4月1日 朝日新聞社

 

魅力のカギは三本柱

 増谷文生

 Home > ライフ > 教育 > 記事

 

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魅力のカギは三本柱

 

2011年4月1日10時47分

 

■20110407a.jpg

 

 2007年4月、「大学面」登場と同時にスタートした「お宝発見」シリーズ。104回にわたって、全国の大学が持っている貴重な本、物、施設などを紹介してきました。好評をいただいたこのシリーズも今回が最終回。貴重なお宝の数々を分析すると、三つの傾向が見えてきました。

 

■ちょっと「動かせないけど」

 

 大学にある施設や自然そのものがお宝というケースをいくつか紹介した。

 

 弘前大(青森県)人文学部中庭にある井戸は、近くにある環境省の名水百選「富田の清水」と同じ水脈とされる。学生や職員がペットボトルを持ってくみにくる人気ぶりで、同大で学んだ映画監督の鈴木清順さんや前身の学校で学んだ太宰治も「飲んだ」と学内では信じられている。

 

 東京経済大の国分寺キャンパスには、「東京の名湧水(ゆうすい)」に選ばれた池がある。1966年にキャンパス整備の一環でわき水をせき止めて造られたものだが、今ではタヌキも顔を出す緑豊かな場所に。いつしか元学長の名前が付いた池は、近所の住民の散策コースとなり観光客も来る。

 

 名古屋工業大のキャンパス内には、「古墳に登ると留年する」との言い伝えが学内に伝わる一本松古墳がある。

 

 学校設備そのものがお宝になっているのが、愛知県立芸術大の講義棟だ。モダニズム建築の吉村順三氏が原設計を手がけた建物は、コンクリートの柱の上に載ったかまぼこのような形。築45年たち、老朽化や冷暖房装置などの課題があるが、高度成長期の建物として評価が高く、「存続」を求める署名も届くという。酪農学園大(北海道)の旧五番教室も42年の創設時の面影を残したお宝だ。

 

 他にも動かすのが大変そうなお宝は多い。芦屋大(兵庫県)の校門そばの石垣には、大阪城ゆかりの家紋が彫られた大石が埋め込まれている。北海道大にある体長4メートルの骨格は、34年に旧樺太で見つかった「日本初」の恐竜の化石だ。東京海洋大の明治丸もよく知られた巨大なお宝だ。

 

■やっぱり「有名人ものです」

 

 森鴎外にラフカディオ・ハーン、与謝野晶子からシュバイツァーまで。大学が持っているお宝には、著名人にかかわる物が多かった。

 

 初回を飾った聖徳大(千葉県)の「モーツァルト自筆譜」に始まり、関西学院大(兵庫県)の「山田耕筰直筆の校歌楽譜」、福井大の「与謝野晶子ら署名の扇子」など、著名人自らが書いたお宝がたくさんあった。研究者が収集したケースのほか、創設者が学生集めのために買いそろえたケースもあった。

 

 同じ直筆でも、小樽商科大(北海道)の図書館では、本来なら迷惑行為である落書きが、貴重な資料となっていた。書いたのはプロレタリア文学の作家小林多喜二。前身の学校のもっとも有名な卒業生の足跡が、意外な形で残っていた。

 

 著名人の逸話が残るこんなお宝も。岩手大にある石16点は「石としての価値はまったくない」ものだ。しかし、ラベルなどの筆跡から、前身の学校で学んでいる間に宮沢賢治が集めた石と分かるや、お宝に変身。資料館で一番厚いガラスで守られる存在になった。

 

 日本で初めてマンガ学部を作った京都精華大の鉛筆を持った手首の石膏(せっこう)像のコレクションも圧巻。講演などで訪れた「あしたのジョー」のちばてつやさんや「アンパンマン」のやなせたかしさんら漫画家の立体手形だ。

 

 立教大(東京都)のお宝は、日本の探偵小説の草分けである江戸川乱歩の屋敷。池袋キャンパスの隣にある。4万点近い蔵書などとともに遺族から買い取り、修復・整理した上で一般公開している。

 

■そりゃあ「研究成果でしょ」

 

 大学の関係者が開発にかかわった技術や研究成果もお宝だ。

 

 13カ国から32チームが出場した09年の豪州のレースで優勝したソーラーカーを持つのは東海大(神奈川県)。工学部学生を中心に開発した車は、約3千キロのコースを平均時速100キロで走り抜けた。車は全長5メートル、幅1.6メートルの大きさで、重さはわずか160キロ。設計からほぼ1年かけて完成させたという。

 

 女子栄養大坂戸キャンパス(埼玉県)にあるのは、日本で最初の計量カップ(200cc)と計量スプーン(15cc、5cc)。設立者が1948年に試作。「大さじ1」などの表現の原点だ。

 

 東北大(宮城県)には、電子レンジの心臓部がある。1927年に東北帝国大の助教授が世界初の実験に成功した試作品だ。欧米でこの技術が注目され、電子レンジ以外にも軍事用レーダーなどに応用された。東日本大震災では震度6弱の揺れに見舞われたが、無傷だった。

 

 名古屋大の全周体位傾斜装置は、宇宙に飛んだスペースシャトルの中で実験に使われた。1983年に名大にあった環境医学研究所が作った。装置のいすに座り、頭の位置を軸にプロペラのように360度回転して様々な姿勢になりながら目の前の映像を追うことで、視覚と体の反応を調べた。

 

 東京~大阪を16分で結ぶ夢の乗り物の実験に使われた「超音速滑走体」は、愛知県の名城大にある。1970年代初めまで続けた実験では、細長い砲弾のような滑走体の中にカメやカエルを乗せて時速2500キロで走らせたという。

 

■地方の大学も公開積極的に

 

 <路上観察の楽しさを広める藤森照信・工学院大教授(建築学)の話> 大学というと、敷居が高く感じる人も多いと思うが、訪ねてみると意外な発見があっておもしろい。特に芸術系の大学には、卒業生の作品も含め驚くような物に出くわすことがある。大学の良い点は、大半がだれでも自由に見学できるところ。建物や作品を大事に保管しているケースが多いのも特徴だ。最近、資料館を造る大学も増えてきた。特に地方の大学は、広くアピールするためにも、もっと積極的に「お宝」を公開してほしい。(増谷文生)

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