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Posted by 中 相作 - 2015.04.17,Fri
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朝日新聞デジタル
 平成27・2015年4月13日 朝日新聞社

(葦)乱歩と蜃気楼 小泉信一
 小泉信一
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(葦)乱歩と蜃気楼 小泉信一

2015年4月13日16時00分



小泉信一編集委員

 桜の花が散り、新緑がもえるころ、北陸の富山湾では蜃気楼(しんきろう)がよく観測されるようになるという。雪解け水に冷やされた海水が暖かい空気にふれ、光を屈折させる現象である。「蜃」とは巨大なハマグリ。竜に似た想像上の怪物だ。その吐き出す妖気でつくられた「楼閣」が蜃気楼だと、いにしえの人々は考えていた。

 実物の上に虚像が見えたり、その反対だったりと大気に映る形状は色々だが、江戸川乱歩が描写したような蜃気楼は実に迫力ある。「乳色のフィルムの表面に墨汁をたらして、それが自然にジワジワとにじんで行く」と短編「押絵(おしえ)と旅する男」(1929年)に書いている。

 魚津で蜃気楼を見た「私」が帰りの汽車の中で、風呂敷に包んだ押絵を抱えた老人と出会う話である。老人には兄がいたが、押絵の中の女性に恋をし、ついに絵の中に入ってしまったのだという。

残り:107文字/本文:478文字
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