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Posted by 中 相作 - 2011.02.08,Tue
雑誌
 
立教大学日本文学 第105号
 平成22・2010年12月25日 立教大学日本文学会
 A5判 266ページ
 
江戸川乱歩と「プロレタリア」──探偵小説の「反抗精神」に内在する可能性── 
 栗田卓
 p218ー233
 
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江戸川乱歩と「プロレタリア」──探偵小説の「反抗精神」に内在する可能性── 
 
 一 はじめに
 
 江戸川乱歩が一九二五(大正一四)年五月、「新青年」に発表した「前田河広一郎氏に」と題された小文がある。「種蒔く人」同人を経由して「文芸戦線」の一員となったプロレタリア作家・前田河広一郎に対し、デビュー間もない江戸川乱歩が自身の小説観、より限定的に言えば探偵小説観を表明したこの一文は、「私小説」に代表されるような既成の文学と「プロレタリア」、「探偵小説」といった新興文学の対立的構図のパースペクティブから俯瞰的に眺めた際に、この構図の硬直的理解の打破への導入として極めて示唆的な位置づけをあたえることが可能なテクストであると考える。この小文に端的に表明されている江戸川乱歩の「文学」観には、従来の「探偵小説」の文学史的評価の再考を促す可能性が書きこまれている。より具体的には「探偵小説」と「プロレタリア文学」の関係性に関しての再考を促す重要な言説だと解釈可能な強度を、この一文は有している。
 
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CiNii:立教大学日本文学 > 105
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