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Nabari Ningaikyo Blog
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Posted by 中 相作 - 2014.06.04,Wed

 乱歩生誕百二十年の記念事業はなくっても、乱歩ゆかりの地を訪ねて名張のまちまでおいでくださるかたがあるのは、とてもありがたいことだと思います。


 とはいえ、乱歩が生まれたのは新町、乱歩生誕地碑があるのは本町、乱歩像は平尾、名張市立図書館は桜ヶ丘、とてんでんばらばらでまとまりに欠け、動線もくそもありゃしませんが、これは乱歩関連にかぎった話ではなく、名張市というのはそもそもそういうところでして、統一的全体的にものを考えるということがなく、というか、そもそもものを考えるという習慣がないわけで、脳髄は物を考える処に非ず、といわんばかりの土地柄です。

 それでも、世の中の景気がよくて人口が増えてたころはまだましだったんですけど、いまや衰退一直線、というところで、きのうご紹介申しあげた『これでいいのか三重県』の「もはやマイホームに魅力なし/名張市から脱走する人の群れ」から再度引用。

 平成10年代に入ると、地価も落ち着き奈良県内でも、新たなニュータウンが造成された。これにともなって、遠すぎる名張市はダンダンと敬遠されるようになった。また、都心部でのマンションの増加による都心回帰の流れも、名張市の魅力を著しく下げた。そもそも、ここの住民のほとんどは都心でマイホームが買えないから引っ越してきた「名張市にたいした愛着のない人々」である。なので、都心に好条件でマンションが購入できるなら、引っ越すのは当然の動きだ。
 こうした動きも2014年現在、一段落はしたものの、大阪方面への通勤者の減少は止まっていないという。その理由は、不景気によって関西圏での職を失う人が急増したことだ。そうした人々の受け皿になっているのが、伊賀市である。伊賀市では、近年になり「ゆめぽりす伊賀」と呼ばれる工業団地ができた。そこで、現在では、名張市から伊賀市の工場へ通勤する人が増加しているのだ、また、同様に亀山の工業団地も、職のない名張市民の受け皿になっているという。
 そもそも、近鉄線で大阪方面へ直結していることで、伊賀市に対して優位に立っていると思っていた名張の人々。奈良県のベッドタウンどころか、伊賀市にも完全に敗北が確定した現在、いったいどんな気分なのか? 名張市の今後を見守りたい。

 名張市の今後を見守っていただけるそうですけど、まんずまんず、ろくな将来は待ってないと思います。

 とにかく、地元選出国会議員の先生から、名張市はこのままじゃ立ち行かないんだからとっとと伊賀市と合併しろよおら、とじつに手厳しいアドバイスを公然と、というか、めでたかるべき市制施行六十周年記念式典の席上で頂戴しているほどで、それはまあたしかに、なにしろこの六十年間、なにも考えることなくただその場しのぎだけを際限もなくくり返してきた自治体なんですから、名張市の今後、っつったってなあ。

 ですから、とくに乱歩にかんして申しあげておきますと、生誕百二十年記念事業はたぶんなんにもありませんけど、そのあともおそらく、もうなんにもないものと思います。

 くわしいことは「伊賀一筆」の手記「新・僕の図書館戦争」でお伝えいたしますが、日本でただひとつ乱歩関連資料を専門的に収集している、ということになっている名張市立図書館はいったいどうするのか、ということになると、上でごらんいただいた名張市観光協会のツイートにあるとおり、「市立図書館では愛用品や生家の模型などもご覧いただけます」みたいな感じで行くしかないと思います。

 つまり、こんにちはッ、お経は読んでも乱歩は読まぬッ、でおなじみの初代館長さんをはじめとした歴代館長さん、ならびに図書館関係者のみなさん全員には、乱歩関連資料は陳列し展示するものである、という認識しかなく、本は読むものだ、ということが理解できてなかったんですけど、それは今後もひきつづくはずですから、乱歩ファンのみなさん、絶望してもらってもいいですか。

 あ。

 絶望してもらってもいいですか、というのはなかなか面白いフレーズだから、「新・僕の図書館戦争」の小見出しにつかってやろっと。
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