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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.05.01,Wed
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Posted by 中 相作 - 2013.07.11,Thu

 藍峯舎の『屋根裏の散歩者』、はやばやと予約のご報告メールを、わずかおひとりではありますが、ありがたく頂戴しております。


 できれば続々とご予約を、とお願いを申しあげておきます。

 株式会社藍峯舎:Home

 さてそれで、平井通にかんする資料といったって、この世にほとんど存在してないわけです。

 手許にあった資料でとりあえず手にとったのは、鮎川哲也の『幻の探偵作家を求めて』くらいなものでした。

 ところが、これがまたなんとも首を傾げたくなるようなへんてこな内容で、みたいなことはこのエントリに記しました。

 2013年2月20日:鮎川哲也は大丈夫?

 はっきりいって、大丈夫じゃないと思います。

 しかし、それは鮎川哲也にかぎった話ではなく、なけなしの資料をあれこれ突き合わせてみると矛盾や齟齬がいろいろ生じてきて、どいつもこいつも適当なこと書き散らしやがってまあ、と嘆息せざるをえない状況に立ち至ります。

 平井通を描いて広く知られるのは富岡多恵子さんの『壺中庵異聞』で、これはあくまでも小説として書かれた作品ですが、私は小説という形式による評伝として扱いました。

 ちなみにこの『壺中庵異聞』、通の評伝を書くにあたって集英社文庫版を古書で購入したのですが、じつは私はかつて単行本を所有しており、しかしある時点で処分対象として、名張市立図書館に寄贈してしまっておりました。

 で、名張市立図書館の嘱託を拝命し、『乱歩文献データブック』という目録をつくるべく図書館の地下書庫を物色しておりましたところ、ゆくりなくも『壺中庵異聞』に再会することとなりました。

 見返しには寄贈者名を記入するスタンプが捺されていて、そこに私の名前が書き込まれています。

 これはこれはお懐かしや、とは思ったのですが、よく考えてみたらなんで地下書庫なんだよ、という話です。

 乱歩の関連資料として乱歩コーナーに置かれてしかるべき本じゃねーか、ということです。

 てゆーか、寄贈本を乱歩コーナーに置く、とかいうことじゃなくて、新刊として出た時点でためらうことなく購入し、乱歩関連資料として保存活用すべき本じゃねーか。

 しかし、そんなことは、とても無理です。

 名張市立図書館における乱歩関連資料の収集は、古本屋さんの目録で適当に目星をつけ、乱歩に関係のあるらしい古書を購入して、それを専用の書棚に飾ったらはいおしまい、ということなわけなの。

 ですから、『壺中庵異聞』というタイトルの新刊が出版されても、それが乱歩関連資料だとはわかりませんから、購入もいたしません、ということになってしまいます。

 とはいえ、たとえば、新聞に広告や書評が掲載されるとかなんとかで、この本が乱歩の弟を題材にしている、くらいの情報は簡単に知ることができたと思われるのですが、にもかかわらず、名張市立図書館にはそれができなかった、というわけです。

 それはまあ、いいとしましょう。

 問題なのは、明らかに乱歩に関係のある新刊すら、スルーされとったということです。

 この件については、以前にもこのエントリできゃんきゃんぎゃあぎゃあわめいたことがあるのですが──

 2012年10月5日:いっそそこらの高校の図書委員に初代館長をお願いしていれば

 いやー、このエントリでも私、初代館長呼んでこいよ、とかわめき倒しております。

 ほんと、いったいなんなんだろうな。

 なんなんだまったく。

 ばかか。

 ばかなのか。

 ばかかこら低能。

 乱歩の文庫本が新刊で出ましたけどそれは購入いたしませんとか、そんな乱歩関連資料の収集がどこにあるっつーんだよこののーたりん。

 呼んでこいよ。

 呼んでこいよこら。

 初代館長呼んでこいっつってんだろーが。

 おらおらおらおらおらおらおらおらあッ。

 こんにちはッ。

 お経は読んでも乱歩は読まぬッ。

 腹が張っても屁はこかぬッ。

 名張市立図書館の初代館長でございますッ。

 いやー、ええぞええぞおい。

 やっぱええぞこの名乗りは。

 捨てるにゃ惜しいなおい。

 では、ここでひとこと、腹が張っても屁はこかぬ、というフレーズについて、説明を加えておきたいと思います。

 東京あたりでは、隠れんぼなんかで数をかぞえるとき、だるまさんがころんだ、ととなえることで一から十までカウントしたことにする習俗がありますが、当地では、というか、少なくとも関西圏ではそうだと思われるのですが、ぼんさんがへをこいた、と口にすることになります。

 関東では、達磨が転ぶ。

 関西では、坊主が屁をこく。

 やっぱ、なんつか、関東よりは関西のほうが、諧謔精神ひとつとっても反権威性と品のなさが際立っている、ということがうかがえるように思われますが、では、なぜ、腹が張っても屁はこかぬ、となるのか。

 それを語るには、上方演芸界の至宝だった吾妻ひな子師匠について語らなければなりません。

 Wikipedia:吾妻ひな子

 探してみたら、ひな子ねえさんのこんなYouTube動画がありました。

 動画ったって、静止画しかみられませんけど、音声ではねえさん十八番の女放談、あまり油の乗ってない一席をお楽しみいただけます。


 女放談にはのんき節がつきもので、ひな子ねえさんはときにのんき節で県名づくしをおやりになることがありました。

 県名づくしというのは、山があっても山梨県、高いとこからよく三重県、すべって転んで大分県、とかいうあれのことです。

 「あまちゃん」に出てくるGMTメンバーの名乗りに、

 「海はないけど夢はある。埼玉在住アイドルノーオシャーンの元気印、入間しおりです。今日も東武東上線に乗って元気いっぱい」

 というのがありますけど、海はないけど夢はある、ってのが、県名づくしにやや近い感じか、つか、そんなことないか、いやいや、そんなことよりあの子、リーダーなのに、ほんとに解雇されてしまうのであろうか。

 いやいや。

 そんなこともいいとして、とにかく県名づくしですけど、吾妻ひな子ねえさんの県名づくしにおいては、腹が張っても屁をこけん、というフレーズで、腹が張っても兵庫県、が表現されてしまうわけです。

 至芸じゃ。

 いやいや。

 いやいやいやいや。

 そんなことはほんとにどうでもいいとして、富岡多恵子さんの『壺中庵異聞』は、晩年の平井通について知ろうと思ったらこの書に如くものはありません、と断じて差し支えない名著です。

 名張市立図書館にある『壺中庵異聞』をいまさら取り返すわけにもいきませんから、ネット古書店で検索して集英社文庫版を入手したのですが、気になるお値段はたしか一円であったか。

 一円でっせ一円。

 で、送料が二百五十円。

 なんか、世の中、こんなことでいいのか。

 なんか、どっかおかしくね?
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