乱歩訳ポー作品、初の書籍化…「赤き死の假面」

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　平成25・2013年1月28日　読売新聞社

 

乱歩訳ポー作品、初の書籍化…「赤き死の假面」

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乱歩訳ポー作品、初の書籍化…「赤き死の假面」

 

　作家、江戸川乱歩（１８９４～１９６５）が、ミステリーの先達、エドガー・アラン・ポー（１８０９～４９）作品を唯一自ら翻訳した「赤き死の假面かめん」が、１９４９年の探偵小説雑誌「宝石」での掲載以来、初めて書籍化された。

 

　乱歩にとってポーは、ペンネームに名前を借用したほど愛読した作家で、日米のミステリーの祖の“合作”が約６０年ぶりによみがえった。

 

　この本を出したのは、豪華本の文化を守ろうと昨年、一人で限定版専門の出版社、藍峯らんぽう舎を設立した新潮社ＯＢの深江英賢ひでたかさん（６４）。敬愛する乱歩関連の作品から、埋もれていた本作を見つけ、第１弾として書籍化した。箱入り牛革の背表紙の豪華装丁。疫病に襲われた国の宮廷で起こる怪異譚たんが、〈暗黒と、頽廢たいはいと、「赤き死」とが凡すべてを支配した〉など、幻想味あふれる文体で訳されている。

 

（2013年1月28日  読売新聞）