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Nabari Ningaikyo Blog
Posted by - 2024.04.27,Sat
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Posted by 中 相作 - 2010.08.28,Sat
書籍
 
作家の値段
 出久根達郎
 平成22・2010年3月12日第一刷 講談社 講談社文庫
 A6判 カバー 442ページ 本体743円
 初刊・旧版:2007年5月21日 講談社
 初出連載:小説現代 2005年4月号-2007年3月号
 
関連箇所
9 江戸川乱歩 少年探偵団の夏
 p151ー167
15 横溝正史 「呪いの塔」の秘密
 p259ー275
 
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9 江戸川乱歩
少年探偵団の夏
 
 江戸川乱歩が、わが国の推理小説の開拓者であり、大成者であり、かつ後進を発掘し指導した偉大な作家であることは間違いない。そのことを認めた上で言うのだが、私には乱歩は、あくまで「少年探偵団」の作者であり、それ以外では無い。「少年探偵団」の乱歩であって、「屋根裏の散歩者」や「心理試験」、また「パノラマ島奇談」「妖虫」、そして「幻影城」などを書いた乱歩とは別なのである。
 つまり、私には「大人向き」の小説や評論を書いた乱歩と、「少年探偵団」をつづった乱歩と、二人の江戸川乱歩がいるのである。「大人向き」の乱歩は昔の作家であり、「少年向き」の小説を書いた乱歩は、同時代の人。
 
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15 横溝正史
「呪いの塔」の秘密
 
 探していた本が、ようやく見つかった。
 別に珍しい本でも、高価な本でもない。だから、なかなか見つからなかった、ともいえる。珍本や高額の書なら、置く場所を決めてある。というのも、わが家での探し物だからである。
 私は自分が目を通した本は、手元に置かず、売り払ってしまう。私は小説家であり古本屋だから、自分の蔵書は、自分の店に売るのである。従って、本が溜まって弱ることはない。けれども客の喜ぶ本ではないので、思うように捌けない。まして珍本や高額の書(あるじがそう思い込んでいるだけの品で、果して本当にそれかどうかは怪しい)は、まず動かない。置く場所を決めてある、というより、決まった場所に常に在ると言う方が正しい。
 
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講談社:作家の値段
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