Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2017.07.12,Wed
いかがですか。
名張市というのは、なんともひどいところでしょう。二十年以上もほったらかしにしていた寄贈図書、いったいどうするつもりなのか図書寄贈者のみなさんにお伝えくださいな、とお願いしたところ、「当事者からご依頼があれば対応させていただきます」とのことである。
要するに図書寄贈者の住所氏名、どこにも控えておらんということなんでしょうけど、名張市への移住をお考えの方には、やめときなはれ、と申しあげたい。
しかもこれ、市長名義の文書だからなあ。
この文書を読んだ人が名張市長にどういう印象を抱くか、この文書を作成した事務方は考えておらんのかな。
事務方はもう少し、名張市の副市長を見習うべきではないのか。
思い起こせば2014年、乱歩生誕百二十年に沸いていたわけではまったくなかった名張市において名張市はやくざにやさしいまちづくりあーこりゃこりゃ事件が勃発したとき、市議会の答弁で決裁権がどーたらこーたら小理屈を並べ立て、こんにちはッ、市長に迷惑はかけられないが市民には平気で迷惑をかけられる男ッ、地域の名門ばりこのどおきでございますねてえッ、みたいな大見得をお切りになった副市長を見習うべきではないのか。
そんなことはともかくとして、依頼があれば対応すると名張市の市長さんがおっしゃってるんだから、ならば依頼においでいただこう、ときのう、慶應義塾大学推理小説同好会OB会のおひとりにこんなメールをお出ししました。
件名は「厚かましいお願いを申しあげます」。
個人情報への配慮から、このエントリに転載するにあたって一部の地名、人名を伏せ字といたします。
○○○○様
ご無沙汰しております。暑い日がつづきますが、お元気のことと存じます。さっそくですが、慶應義塾大学推理小説同好会OB会のみなさんから名張市立図書館にご寄贈いただいた図書に関して、一度、貴会有志のみなさんに当地までおいでいただきたく、厚かましいお願いを申しあげるためにメールをさしあげる次第です。以下、順を追って記します。
5月24日、○○○にお住まいの○○○○○さんとおっしゃる乱歩ファンの方から、名張市公式サイトの「市長への手紙」を利用して、名張市立図書館に死蔵されている寄贈図書について質問した、との連絡がありました。○○○さんは名張市のひどい回答に呆れ果て、名張市を完全に見限っておしまいになりましたが、私は○○○さんの質問を引き継ぎ、「市長への手紙」でいわば再質問を行いました。経緯は次のとおりブログで報告しております。
http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/4759/
きのう回答が寄せられましたので、きょうブログで公開しました。
http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/4774/
なんとも失礼な回答で、どうも申しわけありません。二十年以上もほったらかしにしておいたあげく、「当事者からご依頼があれば対応させていただきます」とはまたひどい話ですが、それはそれとして、いまだ海のものとも山のものともつかない話であるとはいえ、市長がここまで明言しているのですから、図書館サイドの構想を確認し、貴会のみなさんのご要望などをお伝えいただく場を設けるべきではないかと判断いたしました。この市長回答を空手形に終わらせないためにプレッシャーをかける意味でも、貴会のみなさんに市長とご面談いただくことが、といっても、実際には図書館長か教育長あたりになると思いますが、重要な布石になるのではないかと考えております。ご足労とお手数をおかけするのはまことに心苦しいのですが、ご検討いただければと思います。お聞き届けいただけるのでしたら、日程調整などを名張市に要請いたします。ほかの会員の方にもお願いを申しあげるべきなのですが、メールアドレスを存じあげない方も多く、このメールをご転送いただければ幸甚です。
ご多用中、勝手なお願いをあれこれ並べ立てるのは心苦しい限りですが、よろしくお願い申しあげます。話は変わりますが、きょう、知人からの電話で「紀田順一郎先生の新刊、かなりショッキングな内容ですよ」と教えられ、当地の本屋さんにはとても並びませんので、取り寄せを依することにいたしました。どんな内容か、読むのがこわいような気もいたしますが。
2017/07/11
文中、「実際には図書館長か教育長あたりになる」とありますのは、別に名張市の市長さんが逃げ隠れなさるかもしれん、という意味ではなくて、公務ご繁多でそもそも図書館の専門家ではいらっしゃいませんから、実際の対応とやらは図書館長か教育長が担当することになるであろう、という意味です。
いやー、ほんとに面白くなってきたなあ。
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Posted by 中 相作 - 2017.07.11,Tue
暑い日がつづきます。
暑さのせいでついついいらいらしてしまいますけど、あまりいらいらせずにお読みください。この件です。
▼2017年6月30日:簡単なお知らせ
昨日午後7時24分、こんなメールが届きました。
中 相作 様
この度は、市長への手紙をお寄せいただきありがとうございました。
慶應義塾大学推理小説同好会OB会からの寄贈図書に関する「市長への手紙」の回答の補足説明につきましては、以下のとおりです。
1)「図書館情報システムへの登録作業や図書への装備等」というのが具体的にどういうことなのか。こうした登録や装備によって何がどうなるのか。
図書館情報システムへの登録作業とは、図書のデータ(書名、著者等)を図書館情報システム上の図書を管理するデータベースに登録する作業を言います。こうして作成した目録を「オンライン閲覧目録」(OPAC)といいます。
図書への装備等とは、データベースに登録した図書に対して、その図書を識別するための資料番号および書架に並べるための請求記号ラベルを貼り付ける作業等のことです。図書の状態によっては補修作業も必要となります。
こうした登録や装備によって、利用者自身が図書館内に設置している利用者用検索機や市立図書館のホームページからOPACにアクセスし、図書の検索や図書の取り置きの依頼(予約)ができるようになります。
2)「図書館情報システムへの登録作業や図書への装備等」がいつ着手され、いつ終了するのか。
現在、寄贈図書をひとつの固まりとして識別できるようデータベースに登録するためのシステム改修について、図書館情報システムの保守業者と打ち合わせを進めています。あわせて、装備に必要な消耗品の準備をしているところです。これらの準備が整い次第、登録作業を進め、できるだけ早期に登録を完了したいと考えています。
3)寄贈図書はいつ公開されるのか。
2)の作業の進捗状況を見ながら一部からでも公開してまいりたいと考えています。
4)寄贈図書をどう活用するのか。
図書館情報システムに登録することにより、図書の検索、閲覧、貸出が可能となります。他の図書と同じように、市民の皆様に利用していただきます。
また、ご依頼のありました、慶應義塾大学推理小説同好会OB会からの寄贈図書に関する「市長への手紙」の回答文と図書館で作成した簡易なリストを送付することについては、当事者からご依頼があれば対応させていただきます。
なお、中様へのリストの提示については、別途、市立図書館からご連絡させていただきます。
平成29年7月10日
名張市長 亀井利克
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「市長への手紙」事務担当
名張市秘書広報室
〒518-0492
三重県名張市鴻之台1-1
TEL:0595-63-7402
FAX:0595-64-2560
MAIL: mayor@city.nabari.mie.jp
HP:http://www.city.nabari.lg.jp/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
市長名義の文書ではありますが、もとより事務方が作成した文章です。
とはいえ、なにしろ市長名義なんですから、いうまでもなく市長発言ということになります。
来年4月に改選を控えたデリケートな時期に、小ずるい先送りや鉄面皮なその場しのぎを重ねたあげく、「当事者からご依頼があれば対応させていただきます」などと無責任を絵に描いたようなことを発言されるのはいかがなものかと思います。
しかし、なんだか面白くなってきました。
暑さに負けずに、いやもう暑さには負けてますけど、とにかくがんがん行きたいと考えております。
こんにちはッ、松居一代ですッ、みたいな心意気です。
Posted by 中 相作 - 2017.07.04,Tue
やんなきゃならないことがいろいろ重なって、『貼雑乱歩 ① 世に出るまで(仮題、変更予定)』はほったらかしです。
知人の遺稿集に寄せる文章をようよう書きあげたのですが、長くつきあった故人について記すというのは、予想以上につらいことで、心の水位が大幅にさがってしまいました。まあ、そんなこともゆうておれないわけですが。
ところで、台風三号はどうですか。
うちのほうは現在ただいま、多少の雨は降ってますけど、風はなく、とくにどうということもない雨の日の夕暮れです。
お酒飲んで寝よっと。
Posted by 中 相作 - 2017.07.02,Sun
「帝国少年新聞」に関する印刷物は三種類、『貼雑年譜』にスクラップされ、こんな文章が書き添えられています。
コレヲ少年雑誌ノ投書家ナドニ送ッテ読者ヲ得ヨウトイフ虫ノヨイ考ヘデアッタ。今カラ考ヘレバ滑稽ノ至リ、少々低能ノ気味スラ感ジラレルガ、二十才トイフ若サノ無分別デアラウ。
これは謙遜ではなく、乱歩はほんとに「低能ノ気味」を感じていたと見受けられますが、むしろよくこれだけの文章が書けたものだと思います。
ちなみに平井隆太郎先生は、『乱歩の軌跡』にこうお書きでした。
中学三年の時、自製の雑誌の広告ビラを電柱に貼りつけてまわり、小学校の校門で子供達に売りつけた一種の事業家肌、アイデアマン的性格がここでも顔を出しているのである。これらの文章は、正直にいって到底二十歳の大学予科生の筆になるものとは信じ難いほど堂々たるもので、中学三年当時の日記帳の文章から見れば大した飛躍であった。一家の没落、アルバイトにつぐアルバイトの苦学生活の一体どこで勉強していたのであろうか。
それでは「帝国少年新聞の三特徴」をどうぞ。
夙に本社が各種の方面から現今少年新聞の欠点を観察して全く欠点なき新聞紙を発行せんものと熟考に熟考を重ねてなつたのが即ち本紙である本紙の特徴は沢山あるが中にもこの三個条は本社の独創にかゝるものでこの中一個条のみを以てするも優に他の少年新聞に勝るものと信ずる。
△本紙は少年諸君の機関新聞たる事を自任す。
本紙は帝国少年の意志を発表する機関たらんとするものである苟くも少年諸君の発達を妨害するが如きものあらば本社員は直ちに筆を提げて陣頭に立ち天下の少年諸君と共にこの敵の滅亡を計る啻に言論を以て戦ふのみに満足はしない本社員の生命の継く限りあらゆる手段を尽して奮闘する決心である。
△本紙は少年必知の事件を平易に報導す。
普通の新聞には頗る難解の文字が用ゐてある殊に外国通信などは少年諸君には到底分らないそこで本紙は趣味ある方法で面白く分りやすく世界の形勢から地方の出来事に至る迄精しく報導してこの欠陥を補ふのである。
△本紙は少年諸君唯一無二の娯楽機関なり。
本紙の半分を費して娯楽機関とし毎号継続して長い少年小説や冒険小説を掲載する其他お伽噺滑稽小説等山の如く少年諸君に清き楽しみを与へる。
三種類の印刷物というのは、「主意書」が一枚、「推薦状」が一枚、あとは「帝国少年新聞地方支部について」「帝国少年新聞の三特徴」「帝国少年新聞の内容!! 内容!!!」をいっしょくたにして一枚、ということになります。
企画倒れに終わった構想ではありましたが、平井先生は「父としても計画を立て夢をふくらませることだけでかなりの充足感を味わっていたのであろう」と推測していらっしゃいます。
Posted by 中 相作 - 2017.07.01,Sat
『貼雑乱歩 ① 世に出るまで(仮題、変更予定)』のための引用集、本日は「帝国少年新聞地方支部について」です。
これまでに引用した「帝国少年新聞の内容!! 内容!!!」「主意書」「推薦状」は、志と文才のある十八歳ならば書けなくはなかったでしょう。しかしこの「帝国少年新聞地方支部について」は、志と文才だけでは書けません。
きっちり算盤勘定ができる青年でなければ書けません。
で、当時、志と文才のある青年はたぶん、算盤勘定なんてものをばかにしていたのではないかと思われます。
しかし、平井太郎青年はそんなことはなくて、むしろ志や文才と商才とをつねに平衡させていました。
もとより乱歩もそうでした。
栴檀は双葉より芳し、といったことだと思います。
それでは、「帝国少年新聞地方支部について」。
支部とは如何なるものか
本社は主義を全国に広めたい為に種々其方法を考へた結果全国の雑誌に趣味を有する少年諸君に御相談して支部を作つて戴く事にした貴下も其一人と認めて別紙の推薦状を呈した訳である支部とは五名以上 の読者が一団となつて組織するので推薦状を受け取つた方は御学友等に勤めて支部を設立し自から支部長 となつて頂きたいのである。
支部申込手続は如何にする
先づ五名以上の読者を作つたら早速次にある申込書 を切り取り夫れ〳〵記入して一個月分 の購読料 と共に本社へ送ればよいのである。
(注意)購読料は一個月五銭(一個月
三回 発行)送料一個月一人につき一銭都合一人につき六銭 宛で五人なれば三十銭であるこの金は小為替で送るのだがその手数料として三 銭郵便局へ納めねばならぬこの三銭は前の三十銭の内から引き去つて二十七銭だけ本社へ送ればよいのである。(小為替の組み方は郵便局で教へて呉れる)
支部設立の利
一人別に本紙を取れば送料が一個月六銭であるが支部を作れば一銭ですむ訳である若し支部員が五十名以上 ある時は送料一切不用 である。
例へば五十名の支部なれば二円五十銭で本社へ送るのは手数料を引いた二円四十七銭でよいのである。
支部長の特権
支部長は本社の記者と同等の資格がある二十名以上 の支部員を有する支部長は本紙の料金を全免 する支部長上京の際等には本社は極力便宜 を計る心算である又支部長には支部委任状を送るから若し其地方で読者会 を開催する事があれば支部長はその幹事長 となるの権利がある。
支部長の任務
支部長は毎月前納の購読料が切れ次第次の一個月分を送る事 と新聞を受け取つて(新聞は支部長の宅へ一まとめにして送る)支部員に分配する だけの務をすれば充分である。
支部の地方に起つた出来事を報告 するのも支部長の務ではあるがこれは随意 でよい。
なんかもう、帝国少年相手に詐欺を働いてる感じで、「小為替の組み方は郵便局で教へて呉れる」なんてあたりは電話でATMのつかいかたを教える還付金詐欺師を連想させないでもありませんが、こうして少年を集める組織づくりに少年探偵団の原型を見ることも不可能ではないかもしれません。
Posted by 中 相作 - 2017.06.30,Fri
簡単にお知らせしておきます。
名張市公式サイトの「市長への手紙」を利用して──▼名張市:市長への手紙
昨日こんな文章を送信しました。
件名は「○○○○○さんの『市長への手紙』に関連して」。
個人情報への配慮から、このエントリに転載するにあたって一部の地名、人名を伏せ字といたします。
謹啓 紫陽花が鮮やかに咲き誇る季節を迎えました。ますますご清栄のこととお慶びを申しあげます。市勢の進展に日々たゆみないご尽力をいただき、市民の一人として謝意を表する次第です。
さて今般、◯◯◯にお住まいの江戸川乱歩ファンで名張市に何度も足を運んでくださっている◯◯◯◯◯さんから、名張市公式サイトの「市長への手紙」を利用して質問が寄せられました。
わたしのもとには5月24日、◯◯◯さんから電子メールで連絡があり、慶應義塾大学推理小説同好会OB会から名張市立図書館に寄贈された図書に関して、いつか公開されるのか、どう活用するのか、その2点に対する回答を名張市立図書館または名張市教育委員会に求めたい旨、「市長の手紙」に投稿したと知らせていただきました。
同OB会のメンバーとして市立図書館との橋渡しをしてくださった元法務大臣、中井洽さんが本年4月に逝去されましたので、わたしは自身のブログに「中井洽さんのご逝去を悼む」(http://nabariningaikyo.blog.shinobi.jp/Entry/4633/)というエントリを掲載し、長く死蔵されたままの寄贈図書のことも話題にしました。
◯◯◯さんはそれをお読みになり、「市長への手紙」を利用して質問することを思いつかれたのではないかと推察しております。
6月8日、◯◯◯さんから、まだ回答が届かないので名張市に催促してみる、と記した電子メールが届きました。◯◯◯さんは市の広報担当セクションに電話をおかけになったそうですが、その日のうちに回答があり、わたしのもとにも回答が転送されてきました。
回答の全文は次のとおりです。
この度は、市長への手紙をお寄せいただきありがとうございました。
さて、慶應義塾大学推理小説同好会OB会の皆様には、主に1960年頃から2000年頃に刊行され、会員の皆さんが読みためた内外の推理小説作家の図書約3千冊をご寄贈いただいております。市立図書館では簡易なリストを作成するとともに書庫で保管し、管理に努めてまいりましたが、蔵書を管理する図書館情報システムへの登録作業や図書への装備等ができておらず、これらの図書が市民の皆さんにご覧いただける状態にはなっておりませんでした。
今後は、ご寄贈いただいた図書を有効に活用するため、図書館情報システムへの登録作業等を順次進め、市民の皆さまにご利用いただけるよう努めてまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後とも貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。
平成29年6月8日
名張市長 亀井利克
つきましては、この回答をぜひ慶應義塾大学推理小説同好会OB会のみなさんにもご郵送いただきたく、市立図書館と市教育委員会にその旨をいわゆる市長のご意向としてお伝えくださいますよう、僭越ながらお願いを申しあげます。
その際、会員のみなさんも寄贈図書の全容はご存じないはずですから、市立図書館が作成したという「簡易なリスト」をご同封いただければ幸甚です。
中井洽さんのご遺族にも回答とリストをお送りいただきますようお願い申しあげます。
また、回答にやや説明不足と判断される点が散見されますので、以下の点をぜひお書き添えいただきたく、これもまた市長のご意向として市立図書館と市教育委員会にご指示いただければ大変ありがたく存じます。
①「図書館情報システムへの登録作業や図書への装備等」というのが具体的にどういうことなのか、さっぱりわかりません。こうした登録や装備によって何がどうなるのか、わかりやすい説明を補足してください。
②「図書館情報システムへの登録作業や図書への装備等」はいつ着手され、いつ終了するのか、その点を明記してください。
③◯◯◯さんがお尋ねになった寄贈図書はいつか公開されるのか、という点にお答えください。
④同じく寄贈図書をどう活用するのか、という点にお答えください。
以上4点です。
補足していただいた回答とリストはお手数ながらわたしにもお示しいただきたく、とはいえ市財政逼迫のおりから少しでも郵送費を節約すべきかと愚考されますので、電話または電子メールでご連絡をいただければ、図書館でも教育委員会事務局でも教育長室でも市長室でも、どこにでも頂戴に参上いたしますので、ご多用のところ勝手なお願いを並べ立ててまことに恐縮ですが、なにとぞよろしくお願い申しあげます。謹言
きのうのうちに、こんな返信がありました。
件名は「Re:【市長への手紙】」。
中 相作 様
6月29日午後4時49分に送信いただきました「市長への手紙」を6月29日付けで受け付けさせていただきました。
いただきましたご意見は、市長が直接拝見し、回答につきましては、原則として2週間以内にさせていただきます。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
「市長への手紙」事務担当
名張市秘書広報室
〒518-0492
三重県名張市鴻之台1-1
TEL:0595-63-7402
FAX:0595-64-2560
MAIL: mayor@city.nabari.mie.jp
HP:http://www.city.nabari.lg.jp/
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
以上、簡単にお知らせいたしました。
Posted by 中 相作 - 2017.06.26,Mon
『貼雑乱歩 ① 世に出るまで(仮題、変更予定)』のための引用集、「帝国少年新聞」の「推薦状」です。
謹啓
御芳名は兼ねてより各種の少年雑誌紙上にて承知致し居り候貴下の如き少年諸君が数千万の少年を代表して我国少年雑誌界に雄飛せらるゝは実に帝国少年の為天下に万丈の気焔を掲ぐるものと蔭ながら快心の至りに存じ居り候益々御健闘の程熱望仕候扨て此度弊社は主義の為黙し難く別紙の如き主意を以て「帝国少年新聞」と称する一新聞紙を創刊仕候処何分新聞事業と申せば経営の難きを以て知られ居る程にて殊に弊社の発行しつゝあるは少年諸君専門の新聞紙なる為万事尠からざる困難を感じ居り候加之創刊日尚浅くして充分の読者を有せず止むを得ず貴下の如き新聞雑誌に趣味を有せらるゝ少年諸君を煩はすの挙に出でし次第に候弊社は失礼ながら貴下を 地方に於ける唯一の少年代表者と相認め帝国少年新聞社 地方支部長に推薦するものに候主意書御熱読の上若し弊社の推薦を御承知被下候はゞ別紙申込書に一ケ月分購読料を添え弊社宛御送附被下度候貴下の御熱心に訴へ失礼を顧みず願上候拝具
大正二年 月 日 帝国少年新聞社
殿
全国の少年諸君をたらし込んで金儲けをしてやろうという魂胆だったようです。
Posted by 中 相作 - 2017.06.24,Sat
録画であれ、録音であれ、あるいは活字に起こしたものであれ、自分が喋ったことを突きつけられるのは、なんともいやな感じのものです。
小学館の江戸川乱歩電子全集に附録としてぜひ私のインタビューを収録したい、なんてことになって、今年1月にこのお店で取材していただきました。▼cafe*mjuk:Home
で、おととい、テープを、というかレコーダーを起こした原稿をメールで届けていただいたんですけど、なんかもう無茶苦茶です。
ほんとにいやになります。
どんな感じかというと、こんな感じ。
――名張図書館の歴史は、そのまま「名張図書館・乱歩文庫」の歴史ですね。
中 そうですね。ただね、お役人というのは、現場のことがわかってないんです。(名張あたりで図書館のお役人やってるような人というのはほんまにアホなんです(笑)。お役人というのはまあレベル低いんですね。この辺のレベルで言うと、まあ給与は高いんですけども、おつむのレベルは低いんです。特に図書館の館長とかいうと、お役所の出世コースとは完全に縁のない存在なんですね。つまりあそこはどうでもええから、図書館の館長でもやらしとけという人がね。お役人言うたかて、)。お役人の中で出世コースを爆進して、位人臣を極めましたというような人でも、世間ではそれはただのアホですからね(笑)。あんな役に立たんのはないですよ、ほんとに。もう腹立ってきます(笑)。とにかく本読まん人が図書館長になったんですね。だから乱歩関連資料を収集しましょうという場合に、どうしても陳列とか展示のレベルでしか考えられないんです。本を読んでそれで何かをするというのがない。図書館の役割とかいうのもようわかってないんです、要するに無償貸出でいいんじゃないかというぐらいの認識しかないんですね。ですから古本屋の目録で乱歩の本を適当にたくさん買い集めるんですけれども、そのリストを作ることさえ気がつかないんですね。買うて来るでしょう。一番裏の見返しに、どこどこ書店で何ぼで買うたって書いて、で、ぱっと棚に入れて終わりなんですね。書誌データを記録していくとか、あるいは乱歩がどんな本を出してるかを調べるとか、そういうことはまったく考えていないんですね。ただ本を並べて、ちょっと平井隆太郎先生のところに行って乱歩の文机を借りてくるとか、マントをお借りするとかして、おしまい。どちらも、平井家から図書館に無償永久貸与というかたちでお借りしているんですが、それで小さな、小さなコーナーを作って、「一丁あがり!」。これでは、市民の税金使って本買ってるのに、怒られますよ。
活字に起こしてくれた編集スタッフのかたが、このあたりは削ったほうがいいのではないか、とアドバイスしてくださってるんですけど、なんのなんの、一歩も引かぬぞ。
ただまあ、意味の汲みにくいところやテンポのよくないところには手を入れて、一篇のウェルメイドな話芸として仕上げたいとは思います。
たとえば、
「お役人というのは、現場のことがわかってないんです」
というのはいったいどういうことか、どういう事態を念頭に置いてこんなことを口走ったのか、いまとなっては私にもわかりません。
そもそもお役人のみなさんと来たら、現場のことだけでなく何もかもわかっておらんわけですが、とにかくちょっと手直しをする必要があると思われます。
はたまた、
「お役人の中で出世コースを爆進して、位人臣を極めましたというような人でも、世間ではそれはただのアホですからね(笑)」
とありますところ、意味は汲めますけどテンポがいけない。
ですから、
「入庁以来お役所の出世コースをしゃかりきで驀進し、恥ずかしながら位人臣を極めてしまいましたゆうよなお役人でも世間へ出したらただのあほですからねあんなもん。はははは」
みたいにすればいいんじゃないかと思います。
あるいは、乱歩の「虫」みたいに、悪口雑言罵詈讒謗を伏せ字だらけにしてしまうのも一興ではないか。
うーん。
いろいろと悩ましいなあ。
けけけ。
Posted by 中 相作 - 2017.06.22,Thu
『貼雑乱歩 ① 世に出るまで(仮題、変更予定)』のための引用集、「帝国少年新聞」の「主意書」行っときます。
近時我国に於ける新聞紙の発達は駸々として日に月に著く其種類の如きも重なるものゝみにて二千余を算するに至れり又その内容に至りては遠く千里の他邦に起りし出来事も数時間にして報じ得るの迅速と国民の輿論を励起して一国の政治を左右し得るの勢力とを兼備し吾人が是に受くるの利益実に鮮少ならざるなり然れ共大なる利益の反面には又種々の欠陥あるを免れず社会は新聞紙により莫大なる利益を得ると共に一方尠からざる悪影響を被りつゝあるなり。
現今の新聞紙の欠陥として数ふるものは多々あるべしと雖茲に吾人が謂はんと欲する処は其文章難解にして婦女年少者又は高等の智識を有せざる労働者等の読むに適せざる事なり殊に国家将来の維持発達に与るべき少年は日常社会重要の出来事を知らざるべからざるにも拘らず現今の小学生にして新聞紙の一二面を解し得る者は殆と無きの状態なり又仮に一歩を譲りて是を解し得るものとするも現今の新聞紙には社会の裏面に伏在せるあらゆる罪悪を網羅したる所謂三面記事なるものあり頭脳未だ定まらざる年少者がこれより受くる悪影響は蓋し鮮少ならざるべし即ち現今の新聞紙は思慮分別ある年長者の読むに適せるものにして少年は毫も是より得る処なきのみならず却つて書を受くるものなりと云はざるを得ずかくの如く現今多数の新聞紙皆年長者の独占物なりとせば少年にも又少年の新聞無からざるべからず現今の小学生にして往々文部大臣の姓名をすら知らざるものあるは実に適当なる平易の新聞紙なきに基因する事大なるべきは何人と雖肯首する処なり少年新聞の発行は実に目下の急務なりと云ふべし世に少年新聞と名附くる者既に多くこれ有りとは雖そは唯娯楽一方のものにして少年雑誌の類と何等異る処なく如上の欠陥を補ふには未だ尚足らざるなり茲に於て我等同志は理想的少年新聞を発行し以てこの不足を補ひ聊か国家に微意を致さん事を計り帝国少年新聞と題して一少新聞紙を発行する事となれり。
本新聞は其内容の一半を時事問題の解釈及重大事件の報導に充て他の一半は趣味あり実益ある少年小説御伽噺又は科学的の談話等を満載し以て少年をして娯楽の内に日常の出来事を知らしめ知らず識らずの間に国家的感念を深からしめん事を計らんとす若し少年にして社会百般の出来事を知るを得んか自然世界の地理歴史に通ずべく且又日常新聞紙を購買すれば常識の進歩は実に著しきものなるべきを以て本新聞の発行は又小学教育の一助ともなるべきを信ず聊か主意の存する処を述べて世の教育者及少年の父兄諸君に呈す幸に御賛助を得ば啻に吾等同志の満足のみならず実に国家の為天下少年の為幸甚なり。
これ書いたとき、乱歩は満十八歳でした。
当時の十八歳って、なんかもう老成してたりなんかしたんでしょうか。
Posted by 中 相作 - 2017.06.21,Wed
「帝国少年新聞の内容!! 内容!!!」のつづき、おしまいまで引いておきます。
文中「〳〵」は縦に組めばくの字点になります。△其他▽
『おり〳〵草』は主筆の諷刺漫筆で睡むけ覚しに妙『記者読者談話欄』は興味深々尚毎号作文考物絵画其他珍奇なる大懸賞が山の如くにある。
△体裁
○普通新聞紙の半分大で四頁
○一頁六段四十行十六字詰総字数一万五千字余
△発行
○毎月三回一日十一日二十一日発行
○第一号の発行は……………
五月一日
△本社
東京牛込区喜久井町五番地
帝国少年新聞社
支部申込は右の所へ
△定価
○一個月五銭一部二銭
送料二銭
△広告
直接本社へご照会を乞ふ
新聞を発行して少年時代から好きだったお伽噺や小説を書きまくるんだ、みたいなことをくわだて、こんなに細部まで詰めたビジネスとして絵図を描くことができたんですから、乱歩はやはり芸を愛した母親だけではなく事業家として立った父親の血も確実に引いていたと思われます。
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