Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2010.10.14,Thu
乱歩と本格(2)
横溝正史が「エラリー・クィーン氏、雑誌『探偵小説』の廃刊を三ヵ月おくらせること」に記していたことを乱歩の『探偵小説四十年』に探してみると、昭和七年の「クイーンの最初の邦訳」が見つかりました。
博文館の雑誌「探偵小説」は、昭和六年九月から七年八月号までの短い寿命であったが、その後半期の編集長であった横溝正史君は、毎号一挙掲載の飜訳長篇をよく選択し、「黄金時代」の名作に属する、メースンの「矢の家」、ベントリーの「トレント最後の事件」、ミルンの「赤い家の秘密」などを、矢つぎ早に紹介した。そういう優れた作品ののっている雑誌を廃刊させてしまったのは、日本の探偵読者が駄目だからだというのが、私の口癖だが、この辺からやっと、「黄金時代」の名作に対する認識が起って来たのである。
乱歩は「自分が小説を書き出してからは、西洋の探偵小説を猟り読むということを全くしなくなっていた」といい、「私達は英米の『黄金時代』の本格長篇というものを、ほとんど知らないままに過ぎていた」というのが昭和7年当時の探偵文壇事情だったと回顧しています。
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