Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2010.10.19,Tue
乱歩と本格(6)
昭和9年、「悪霊」と「石榴」で散々な目に遭った乱歩は、「自分がもう現役作家ではないことを自覚し、そういう立場から探偵小説界のために何かの仕事をしたいと考え、いささかそれを実行したわけである」と述懐していました。その「何かの仕事」とはどんなものであったか、乱歩自身が列記していますので、『探偵小説四十年』から原文のまま引いておきます。
・昭和十年、春秋社の「日本探偵小説傑作集」を編纂し、「日本の探偵小説」という長文の評論をつけたこと
・昭和十一年の同じ春秋社版「鬼の言葉」に収めたような随筆評論を書いたこと
・同年、柳香書院の「世界探偵名作叢書」を森下さんと一緒に監修したこと
・春秋社に長篇探偵小説の懸賞募集をやらせ(新聞にそれだけの広告も出した)真面目にその戦に当ったこと
・中央公論社の「世界文芸大辞典」(七巻)に外国探偵作家の人名を多く入れるように努め、その項を自分で執筆したこと
以上です。乱歩は「十年の夏から翌十一年にかけて、あるきっかけから、私の心中に本格探偵小説への情熱(といっても、書く方のでなく、読む方の情熱なのだが)が再燃して」とも書いているのですが、昭和10年という年にいったい何があったのか、ちょっと年表にまとめてみるかと着手してみたらこれがまあ結構な手間。なんとかあしたあたりお目にかけたいと思います。
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