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Posted by - 2026.07.05,Sun
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Posted by 中 相作 - 2014.04.29,Tue

 「伊賀一筆」第一号、というか、創刊兼終刊号は今年の10月21日、つまり乱歩の百二十回目のお誕生日ですけど、その日に発行する予定です。

 なぜ一号だけでおしまいにするかというと、たとえ年刊誌にもせよ、雑誌を定期的に出しつづけるということは、すなわち定期的に赤字を垂れ流すことであって、というか、定期的に赤字を補塡しつづけることであって、そんなのは多少の資力があればなんでもないことなんでしょうけど、当方にはとても無理だな、と思います。

 なにしろ、自己破産した身でもありますし。

 しかしまあ、一号だけ、ということなら、なんとかなるのではないか、とは思われます。

 発行の最大の目的は、むろん『奇譚』の活字化ですが、「伊賀一筆」での活字化は、通過点といいますか、前段階といいますか、そういったものであって、到達点といいますか、最終段階といいますか、それはどこか、というと、『奇譚』をちゃんとした書籍にすることにほかなりません。

 しかし、そんなのは、とても私の手にあまることですから、せめて雑誌で活字化して、書籍化への露払いというか、水先案内というか、旗振りというか、そういう役目を「伊賀一筆」で果たしたいな、というのが私のささやかな願いです。

 となると、著作権の問題をクリアしなければなりませんから、『奇譚』の抄録、いやいや、抄録ったってかなりのパートを掲載することになるんですけど、まず『奇譚』の目次をごらんいただきます。

Preface
Book I 春浪及其他
 Chapter 1 押川春浪
 Chapter 2 春浪ト水蔭及鷗村
 Chapter 3 Stevenson、Mark Twain、Haggard
 Episode 1 Periodicals & Detective Stories
Book II 涙香及其他
 Chapter 4 Gaboriauト丸亭素人
 Chapter 5 Boisgobey、Collins、Corelli、Marchmont
 Chapter 6 Dumas & Bengison
 Chapter 7 Hugo、Besant及思軒
 Episode 2 妖怪ト心霊
Book III Poe & Others
 Chapter 8 Edger Allan Poe
  Part 1 Poe’s Influence
  Part 2 Detective & Cryptography
 Chapter 9 Poe Continued
  Part 3 Mystic Works
 Chapter 10 Hawthorne & Others
Book IV Doyle & Others
 Chapter 11 Sir A. Conan Doyle
 Chapter 12 Doyle Continued
 Chapter 13 Blake、Fleeman、春影
 Chapter 14 The Latest Detective Stories
Book V Veren & Wells
 Chapter 15 Verne
 Chapter 16 Wells
 Episode 3 Cryptography

Bibliography Ways to Deciphering Classification of Ciphers

Index
追加 Poe、Wells

 このうち、「Preface」から「Book IV Doyle & Others」まで、つまり「Chapter 14 The Latest Detective Stories」までを「伊賀一筆」に掲載したいな、と考え、乱歩のご遺族にその旨をお伝えいたしまして、『奇譚』の活字化は乱歩研究に資するところ少なくないと思われますので、「伊賀一筆」という雜誌をつくって、そこに序文から第十四章までを抄録したいんですけど、とお願いし、しかも、なんとも厚かましいことに、思い出すだけでいまも冷汗三斗の思いがいたしますけど、なんとか無料で掲載させていただけませんか、と、なんとも虫のいいお願いを申しあげまして、ありがたいことに、ご快諾をいただくことができました。

 私はもう、正直に打ち明けてしまいますけど、不覚にも落涙しそうになりました。

 以下、つづきます。
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Posted by 中 相作 - 2014.04.27,Sun

 「伊賀一筆」の漫才、いったいどうしよっか、というおはなしのつづきです。

 いまのところ、「伊賀一筆」の内容は、こういうところまで固まっております。


 これは表紙の裏、いわゆる表2です。

 表2に目次をもってきてるわけです。

 ちなみに、表3が奥付、表4は白紙、ということになってます。

 表4というのは、いわゆる裏表紙のことで、この表4に広告を入れてもいいかな、とは思うんですけど、スボンサーのあては皆無なり。

 さて、表2の目次に戻っていただきまして、最初の「のれんわけ始末記」には、「伊賀百筆」から「伊賀一筆」がスピンオフしたゆくたてを述べております。

 つづく「伊賀国、伊賀市、伊賀地域」では、伊賀地域のことをよくご存じないみなさんのために、「伊賀一筆」の伊賀とはそもそもどこのことなのか、みたいなことを説明しております。

 そのあとの「伊賀市地名考」は十年前、市町村合併で伊賀市が誕生した直後に発表した漫才なんですけど、この漫才で伊賀と名張とのややこしい関係を理解していただき、かたがた読む漫才という文芸の形式にもなじんでいただく、ということをもくろんでおります。

 ついで、「僕の図書館戦争アバウトなところ」によって「僕の図書館戦争」という漫才をめぐるアバウトなところを紹介し、「伊賀百筆」第二十三号に寄稿した「僕の図書館戦争」の最終三ページをそのまま転載したあと、いよいよ「続・僕の図書館戦争」がスタートいたします。

 むろんこのあたり、第二十三号の誌面を三ページにわたって転載することも含め、すべて「伊賀百筆」編集部のご承諾をいただいております。

 で、「続・僕の図書館戦争」という漫才は、すでに当ブログで公開しております。


 ごらんのとおり二十六ベージと一行、どーんと公開してるわけですけど、「伊賀一筆」の漫才はこの公開分でおしまい、ということにいたしました。

 あとまだいくらでも書けるんですけど、漫才っていうのは、いうまでもなくとても行数を食ってしまう文芸形式ですから、たったかたったか書いてた日にはページ数が増えて増えて、なんだかとんでもないことになってしまいます。

 自分で雑誌を出す、ということになると、これはもうじつに現金な話なんですけど、できるだけページ数を抑えて費用を節減したくなるもので、ちんたらちんたら漫才なんか書いてる場合かよ、とか身勝手にも思ってしまったわけです私は。

 したがって、すでに書きあげてあった二十六ページと一行で漫才は終了、そのあとは一人称の手記の形式で「新・僕の図書館戦争」を書き継ぐ、ということにいたしました。

 ですから「伊賀一筆」、きのうも記しましたとおり、漫才はもう満杯、というわけなんですけど、そんなところへびっくりするくらい極上のネタが飛び込んできてくれたという寸法。

 どのあたりが極上なのかというと、むろん常識では考えられないくらいおまぬけな話ではあって、ギャグかよ、コントかよ、と申しあげるしかない事態が展開されたことにはまちがいがないんですけど、そうした不手際の問題は別にしても、私の漫才のテーマに深く鋭く食い込んでくる話題である点が極上のゆえんというべきか。

 私の漫才の一貫したテーマというのは、いまさら申しあげるまでもなく、死ねや死にさらせや腐れ公務員、という一語に尽きるわけですけど、伊賀市における今回の騒動、つまり、伊賀市民有志が住民投票条例の制定を求めて署名を提出したところ、伊賀市選挙管理委員会はその提出方法に不備があったと判断し、すべての署名を無効とした、という騒動には、公務員と呼ばれる連中の本質がじつによく現れております。

 いつも申しておりますとおり、君と世界の戦いでは世界に支援せよ、っつーのが公務員、公僕、パブリックサーバントの本来あるべき姿だというのに、おめーらそれと真逆じゃねーかばーか、ということです。

 もっとわかりやすくいえば、おまえら公務員なんだから、ちっとは地域住民の立場に立ってものを考えろよな、つか、手前どもはなにも考えさせていただかないことにさせていただいております、ってんだから、地域住民の立場もくそもないか。

 どうしようもねーなまったく。

 ほんと、たとえば、お調子者の三重県知事さんが、とにかく手柄を立てたい、点数を稼ぎたい、かっこつけたくてつけたくてしかたがない、ってんで、

 「こんにちはッ。県民に腐れきんたまを押しつける男ッ。三重県知事の鈴木えーけーでございますッ」

 とかおぶちあげになられたときにもですね、三重県内のほかの地域はそれなりに考えることはしたわけなんですけど、われらが伊賀地域の公務員のみなさんだけは、徹頭徹尾なんにも考えず、ただただ国や県のいいなりになるだけで、地域住民による明確な意思表示さえ完全に無視して、

 「こんにちはッ。手前ども伊賀南部環境衛生組合ののーたりん一同は三重県知事さんの腐れきんたまを地域住民のみなさんおひとりおひとりのお顔にねたねたねたねたにちゃにちゃにちゃにちゃにじくらさしていただかさしてくれやさしてもらわさしてよいやさのよいやさッ」

 とかばかなこと口走って喜んでんじゃねーよ低能、みたいなことだったんだからほんとにどうしようもねーなまったく、という話と今回の話とはじつは根っこのところでつながってるわけなんですけど、それはそれとして、とにかく今回の場合、地域住民が法律によって定められた権利を支障なく十全に行使できるよう万障くり合わせ万難を排して取り計らうのが選挙管理委員会の役目というものであって、それをこら伊賀市ごときの腐れ公務員ふぜいがてめーらこらこの低能、とか思ってたら、新たにこんな動きがあったそうです。

 伊賀タウン情報YOU:署名簿の無効決定に異議申し出へ 請求代表者ら 伊賀市庁舎問題(2014年4月26日)

 公務員のお仕事って、いったいどんなものなんでしょうね、伊賀市選挙管理委員会の腐れ公務員のみなさんや、っつーわけで、この異議は表明されて当然のものだといえますし、かりに私が伊賀市の市長であったなら、おんどれやあほんだらおまえら公務員やったらちっとは市民のために働いたらんかこらおんどれやあほんだらおんどれやあほんだらおんどれや、と選挙管理委員会の職員を叱り飛ばしているはずです。

 しかし、ともあれ、そんなこんなで、「伊賀一筆」にはこれ以上、漫才を掲載する予定がありませんので、恰好のネタというべき伊賀市の住民投票条例問題は、じつはこれ、名張市立図書館における乱歩関連資料収集の問題にも通底しているところがあって、その意味でも捨ておくには惜しいネタなんですけど、残念ながら漫才にはいたしません、ということにしておきます。

 ま、どうしても漫才にしたいということになったら、一人称の手記である「新・僕の図書館戦争」の途中でいきなり漫才がはじまってしまう、という展開にすればいいだけの話ですから、深刻になる必要はまったくないんですけど。
Posted by 中 相作 - 2014.04.26,Sat

 ギャグかよ。

 コントかよ。

 とか思ってしまうようなできごとが、世の中にはたまに生じます。

 芭蕉さんは北海道へ行きたがっておりましたあッ、とか気のふれたようなこと口走ってまたとないほど上質な漫才のネタを提供してくれたあの伊賀市が、まーたしても極上のネタをぶちかましてくれました。

 すきやばし次郎もはだしで逃げ出すであろうほどの上ネタです。

 伊賀タウン情報YOU:市選管が署名簿無効を決定 書類不備が理由 伊賀市庁舎問題(2014年4月25日)
 朝日新聞デジタル:署名すべて無効に(2014年4月26日)
 毎日新聞:伊賀市役所庁舎:移転問題 住民投票、有効署名「0」と判断 条例案の添付なく−−市選管 /三重(2014年4月26日)
 YOMIURI ONLINE:住民投票求める7千人分署名、ミスですべて無効(2014年04月26日)
 伊勢新聞:伊賀市庁舎問題で住民投票要望 署名全て「無効」 選管「条例案添付欠く」(2014年4月26日)

 つか、漫才よりよっぽど面白いじゃん。

 わざわざ漫才にする必要なんかねーじゃん。

 おれにゃここまでのネタ、とても考えつけねーわ。

 このところ、伊賀市はなぜか絶好調。

 お役所のみなさんは芭蕉ネタで、アンチお役所のみなさんは庁舎ネタで、それぞれ私の漫才がより面白くなるようにと、常識では逆立ちしたって思いつけないような話題を惜しみなく投入してくださってることはよくわかります。

 大変ありがたいことだ、とも思っております。

 しかし、残念ながら、「伊賀百筆」からスビンオフする「伊賀一筆」は、じつは漫才がもう満杯、これ以上漫才の新稿を盛り込む予定はないんですけど、しかし、しかしこれだけのネタをほっとく手はないしなあ。

 官民双方の伊賀市のみなさんからたまわったご厚志、あっさり無にするわけには行かんだろうしなあ。

 ちょっと考えてみます。

 それにしても、世の中なにが起こるか、ほんとにわかんないもんだなあ。

 漫才書くのも大変だよなあ。
Posted by 中 相作 - 2014.04.26,Sat

 お知らせです。

 藍峯舎の『完本黒蜥蜴』は、4月30日の水曜日に予約受付を開始、と発表されました。

 株式会社藍峯舎:Home

 つづきまして、当方からも、お知らせをひとつ。

 乱歩の『奇譚』の件です。

 地域雑誌「伊賀百筆」に掲載方を打診いたしました、みたいなところまではお伝えしました。

 このあたりのエントリに、苦衷を記しております。

 2014年3月18日:『奇譚』の話のつづきですけど
 2014年3月20日:『奇譚』はいったいどうなるの
 2014年3月23日:大うそをついておりました

 「伊賀百筆」の編集部からは、いまだ正式な諾否はお伝えいただいてはいないのですが、たとえ抄録とはいえ、誌面を百ページちかく『奇譚』で占拠し、そのうえ漫才のつづきも載せてけろ、なんていうのはあまりにも虫がよすぎる話ですから、いやー、どうすっかなあ、とあれこれ思案したあげく、自分で雑誌つくるしかないか、という結論にたどりつきました。

 そこで、「伊賀百筆」編集部には、掲載依頼を取り消し、かわりにのれんわけをお願いいたしました。

 つまり、「伊賀百筆」第二十三号に発表した漫才のつづきと、乱歩の『奇譚』の抄録と、そのふたつを発表するための雑誌を新たに創刊いたしたく、つきましては、やっぱ、「伊賀百筆」からスピンオフするわけですから、「伊賀一筆」という誌名にしたいんですけど、とお願いしたわけです。

 具体的なイメージを提示するため、こんな表紙デザインも試作して、じっくりごらんいただきました。


 それで、めでたく、OKを頂戴いたしました。

 以下、つづきます。
Posted by 中 相作 - 2014.04.24,Thu

 きのうにつづいて、ちょっとだけお知らせです。

 藍峯舎が乱歩生誕百二十年の春に贈る豪華本『完本黒蜥蜴』は、4月下旬の予定がやや遅れ、5月中旬の刊行となりました。


 予約受付のほうは、たぶん今月中には開始されるみたいです。

 もうしばらく、お待ちください。
Posted by 中 相作 - 2014.04.23,Wed

 とりいそぎ、お知らせを少々。

 お知らせ、その一。

 4月26日の土曜日、うみねこ堂書林、という名前の古本屋さんが神戸に開店いたします。


 たぶん、探偵小説が充実した古本屋さんだと思います。

 お近くへおいでの際は、ぜひどうぞ。

 お知らせ、その二。

 先日もお知らせいたしましたが、第9回新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館の公式サイトが公開されました。

 乱歩関連のイベントがこちら。

 第9回新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館:旧江戸川乱歩邸 特別公開&トーク

 お知らせ、その三。

 6月に催される日本劇作家大会2014豊岡大会で、演劇ユニットてがみ座の「乱歩の恋文」が芝居小屋バージョンとして再演されることになりました。

 演劇ユニット てがみ座  -News-:てがみ座 in 日本劇作家大会2014豊岡大会 公演速報!!(2014年4月16日)

 大会の記者発表がYouTubeにアップされていて、一本目がこちら。


 「乱歩の恋文」の作者、長田育恵さんご登場の動画がこちら。


 「乱歩の恋文」といえば鳥羽ですが、といってしまうといかにも強引ですが、三重県鳥羽市では4月30日まで、「嘉隆マンスリー」というのが催されていて、乱歩ゆかりの鳥羽みなとまち文学館などをめぐる「薫香四館 香りめぐり」も実施中だそうです。

 鳥羽市観光協会:~30日 嘉隆マンスリー
 鳥羽市観光情報サイト:薫香四館 香りめぐり(2014年4月18日)

 春の鳥羽へも、ぜひどうぞ。

 いっぽう、乱歩生誕百二十年を迎えた三重県名張市では、とくに乱歩関連の動きはありません。

 二十日ほど前、名張市役所へ行く用事があったのですが、関係セクションでそれとなくお聞きしたところでも、乱歩生誕百二十年でなにかするという予定は、いまのところ、まったくないみたいでした。

 乱歩ファンのみなさんにおかれましては、名張市のことはもう、そろそろあきらめていただいたほうがいいのかもしれません。

 乱歩がらみの最近の話題といえば、せいぜいがひとつ前のエントリでお知らせした件くらいでしょうか。

 2014年4月23日:清掃:江戸川乱歩像、すっきり ローターアクトクラブ、駅前も──名張 /三重

 昨年4月7日に除幕された近鉄大阪線名張駅東口前の乱歩像、初のお身拭いが4月19日の土曜日におこなわれました。

 私も行ってきましたので、そのときの画像をどうぞ。


 しかし、乱歩の銅像が建立されてから、あっというまにもう一年か。

 まさに光陰矢のごとし。

 ほんとに驚いてしまいます。
Posted by 中 相作 - 2014.04.12,Sat

 しつこくも、三日つづけてのPRとなります。

 とりあえず、きょうで一段落、といたしますけど。

 本日は白抜きに挑戦。

海野十三先生没後65年◎江戸川乱歩先生生誕120年★特別記念大企画
海野十三忌2014★中相作講演会

「永遠の十三~海野十三と江戸川乱歩」

日時◎2014年5月17日(土)14時半開演(開場14時)

会場◎北島町立図書館・創世ホール 2階ハイビジョン・シアタ-
   771-0207徳島県板野郡北島町新喜来字南古田91
   (北島町役場となり)
   電話088・698・1100

入場料◎無料(申し込み不要)

講師◎中相作(なかしょうさく 江戸川乱歩研究家、名張人外境主宰者、
       名張市在住)

演題◎「永遠の十三~海野十三と江戸川乱歩」

主催●海野十三の会(小西  電話088・698・2946)

 会場はこちらとなっております。

 北島町HOMEPAGE:北島町立図書館・創世ホール


 海野十三の探偵小説観は乱歩のそれと噛み合わないもので、乱歩は「会合の席などでも海野君と議論したことがある」と回想しています。

 むろんそれはただそれだけの話で、ふたりの交友は親密につづけられましたが、乱歩が戦後、本格探偵小説至上主義を掲げて探偵小説界を唱導し、斯界に権勢をふるいはじめると、十三は真っ向からそれに異を唱えます。

 結核の進行をなすすべなく見守るだけの病床で、十三は乱歩に牙を剝きます。

 「剝」っていう字、文字化けしてませんか。

 文字化けするようだったら、「剥」でもいいんですけど。

 十三が乱歩に牙を剝いた一篇「探偵小説雑感」は、たぶん十三の全集にも収録されてないはずですけど、講演会当日にお配りする資料で、なんと全文をお読みいただけます。

 資料の表1と表4だけ、PDFファイルでごらんいただきましょうか。


 この資料に収録した、といったってほぼ抄録ばっかですけど、十三と乱歩の文章のタイトルだけ、以下に列記しておきましょう。
  • 浅草趣味
  • 探偵小説管見
  • 乱歩氏の懐し味
  • 本格探偵小説観
  • 探偵小説壇の新なる情熱
  • 日本の探偵小説
  • 日本探偵小説の多様性について
  • 深夜の東京散歩
  • グルーサムとセンジュアリティ
  • 探偵小説の方向
  • 探偵小説雑感
  • 弔辞
  • 海野君のこと
  • 深夜の海野十三
  • 探偵小説あれこれ
  • ペン皿とテレヴィ
  • 趣意書に添えて
  • 祝辞
 ここまで充実してクオリティの高い資料は、そんじょそこらの講演会ではとても手に入りません。

 あなたも5月17日、徳島の地でこの資料をゲットしてみませんか。

 しかも、先着五十名様には、乱歩ゆかりの名張市名物、二銭銅貨煎餅をプレゼントすることになっております。

 とはいえ、とても五十人ものかたには、集まっていただけぬであろうな。

 ちなみに、入場者数とはまったく無関係に、大宴会は華々しく開催することになっております。

 どうぞお気軽にご参加ください。
Posted by 中 相作 - 2014.04.11,Fri

 またふたたびのご案内。

海野十三先生没後65年◎江戸川乱歩先生生誕120年★特別記念大企画
海野十三忌2014★中相作講演会

「永遠の十三~海野十三と江戸川乱歩」

日時◎2014年5月17日(土)14時半開演(開場14時)

会場◎北島町立図書館・創世ホール 2階ハイビジョン・シアタ-
   771-0207徳島県板野郡北島町新喜来字南古田91
   (北島町役場となり)
   電話088・698・1100

入場料◎無料(申し込み不要)

講師◎中相作(なかしょうさく 江戸川乱歩研究家、名張人外境主宰者、
       名張市在住)

演題◎「永遠の十三~海野十三と江戸川乱歩」

主催●海野十三の会(小西  電話088・698・2946)

 こちらも再度。

講師プロフィール●中 相作(なか・しょうさく)一九五三年三月二十四日、三重県名張市生まれ。二黒土星。牡羊座●生まれた家は、江戸川乱歩が一八九四年に誕生した新町の隣町にあり、少年時代には一九五四年建立の乱歩生誕地碑の前を通って精養軒という肉屋へおつかいに行ったりもしたものだが、一九六一年に女性五人が殺害された名張毒ぶどう酒事件の発生現場からはかなり隔たった地点に位置していた。三重県立上野高校卒業●編集業。元名張市立図書館嘱託。『乱歩文献データブック』『江戸川乱歩執筆年譜』『江戸川乱歩著書目録』(以上、名張市立図書館発行)を編集、『子不語の夢 江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』(乱歩蔵びらき委員会発行)を監修。ウェブサイト「名張人外境」(更新停止)、ウェブログ「名張人外境ブログ」を開設●六十一歳、名張市在住●講師コメント「乱歩生誕百二十年の今年、乱歩が早稲田大学在学中に執筆し、みずから清書して製本した手製本『奇譚』の活字化をもくろんでいるが、前途まことに多難です。海野十三忌講演会では、驚異の大ベストセラーとなって映画も大ヒット中らしい『永遠の〇(ゼロ)』にあやかり、『永遠の十三』と題しておはなしすることになりました。先着五十名様には乱歩ゆかりの二銭銅貨煎餅をプレゼントいたします。なにとぞよろしくお願いします」●

 色つきテーブルが楽しいな、と思ってやってみました。

 さて、「永遠の0」のむこうを張って「永遠の十三」をやるわけですから、勉強のために十三の敗戦日記を読み返してみたんですけど、えッ? ええッ? とびっくりしましたばい。

 十三は敗戦に臨んで妻子とともに自決することを考えていた、というのは知る人にはよく知られた事実だと思いますが、死の淵から引き返して生に向き直る直接のきっかけはなんであったか。

 中公文庫の『海野十三敗戦日記』から、ちょっと引用してみます。

 八月十一日
◯海作班第三準備会にて我家に集合。倉光(俊夫)、間宮(茂輔)、角田(喜久雄)、湊(邦三)、村上(元三)、鹿島(孝二)、摂津(茂和)、小生の八名集まる。
 今日は宿題を検討する予定なりしが、それよりもソ連の参戦、原子爆弾のことの方が重大となったので、このことを検討す。
 「天皇に帰一し奉れ」という湊君の説、「生きぬいて作家として新しき日本を作る基礎をつくれ」という間宮君の説、いずれもまじめで真剣。
 「全員戦死だ」と最後に倉光君が口を開く。「時と所を異にして……」。一同感慨無量。
◯夜半、盛んに起される。最後に侵入の一機も、原子爆弾を抱いてくるかもしれぬとて「とくに警戒を要す」と放送がある。しかし何事もなく、くたびれ果てて、泥のように眠った。むし暑い夜。

 八月十二日
◯十日米英、首都において緊急会議開催と、朝刊が報じている。和平申し入れが討議されているものと思われる。
 いかなる条件を付したかわからぬが、国体護持の一点を条件とするものらしいことが、新聞面の情報局総裁談などからうかがわれる。
 午後二時迄に、その返答が米英から届くそうだと、新田君が来ていう。
◯とにかく、遂にその日が来た。しかも突然やって来た。
 どうするか、わが家族をどうするか、それが私の非常な重荷である。
◯女房にその話(※家族全員で死ぬこと)をすこしばかりする。「いやあねえ」とくりかえしていたが、「敵兵が上陸するのなら、死んだ方がましだ」と決意を示した。
 それならばそれもよし。ただ子供はどうか?
 子供も、昨日のわが家の集会を聞いたと見え、ある程度の事情を感づいているらしい。「残っているものを食べて死ぬんだ」といったり「敵兵を一人やっつけてから死にたい」という晴彦。(※長男)
 青酸加里の話まで子供がいう。私はすこし気持ちがかるくなったり、胸がまた急にいたみ出したりである。
 暢彦(※次男)は学校で最近「七生報国」という言葉を教わって来たので、しきりにそれを口にする。私も「七生報国」と書いて、玄関の上にかかげた。
◯自分一人死ぬのはやさしい。最愛の家族を道づれにし、それを先に片づけてから死ぬというのは容易ならぬ事だ。片づける間に気が変になりそうだ。しかしそれは事にあたれば何でもなく行なわれることであり、杞憂であるかもしれぬ。

 八月十三日
◯朝、英(※夫人)と相談する。私としてはいろいろの場合を説明し、いろいろの手段を話した。その結果、やはり一家死ぬと決定した。
 私は、子供達のことを心配した。ところが英のいうのに、かねてその事は言いきかしてあり、子供たちは一緒に死ぬことにみな得心しているとのことに、私は愕きもし、ほっとした。そして英からかえって「元気を出しなさいよ」と激励された。
 事ここに決まる。大安心をした。
 しかしそうなると、どっと感傷が湧き出るとともに、さらになお、何かの誤りが責任者の私になきやと反省され、完全に朗かにはなりきれなかった。
 この夜も、よく眠れなかった。

 八月十四日
○万事終る。
○湊(邦三)君と街頭で手を握りあって泣く。

 八月十五日
○本日正午、いっさい決まる(※終戦のラジオ放送)恐懼の至りなり。ただ無念。
 しかし私は負けたつもりはない。三千年来磨いてきた日本人は負けたりするものではない。
 ○今夜一同死ぬつもりなりしが、忙しくてすっかり疲れ、家族一同ゆっくりと顔見合わすいとまもなし。よって、明日は最後の団欒してから、夜に入りて死のうと思いたり。
 くたくたになりて眠る。

 八月十六日
○湊君、間宮君、倉光君くる。湊君「大義」を示して、われを諭す。
○死の第二手段、夜に入るも入手出来ず、焦慮す。妻と共に泣く。明夜こそ、第三手段にて達せんとす。
○良ちゃん、しきりに働いてくれる。

 八月十七日
○昨日から、軍神杉本五郎中佐の遺稿「大義」を読みつつあり、段々と心にしみわたる。天皇帰一、「我」を捨て心身を放棄してこそ、日本人の道、大楠公が愚策湊川出撃に、かしこみて出陣せる故事を思えとあり、又楠子桜井駅より帰りしあの処置と情況とを想えとあり。痛し、痛し、又痛し。
○昨夜妻いねず、夜半に某所へ到らんとす。これを停めたる事あり。
 妻に「死を停まれよ」とさとす。さとすはつらし。死にまさる苦と辱を受けよというにあるなればなり。妻泣く。そして元気を失う。正視にたえざるも、仕方なし。ようやく納得す。われ既に「大義」につく覚悟を持ち居りしなり。

 八月十八日
○井上(康文)、鹿島(孝二)君来宅。
○熱あり、ぶったおれていたり。

 八月十九日
○村上(元三)君来宅。
○岡東宏君来る。うれし。
○ようやく気もだいぶ落付く。されど、考えれば考えるほど苦難の途なり。任はいよいよ重し。 ○夜半、忽然として醒め、子供をいかにして育てんとするかの方途を得たり。長大息、疲労消ゆ。有難し、有難し。
○けさ、広島惨害写真が新聞に出た。

 八月二十日
○熱は少しく下がりしようなるも、体だるし。英も疲労し、やつれ見え、痛々し。しかし今日割合元気になりぬ。
○宮様(※東久邇宮稔彦首相)又もや御放送。
○「大義」を村上先生(医師)へ、「大義抄」を奥山老士へ貸す。
○「維摩経新釈」を読みはじむ。

 みたいなことなんですけど、なんで楠木正成が出てくるんだろうな、とびっくりしてしまいましたばい。

 それで、考えてみたんですけど、十三は死のうと思っていた。

 しかし、生への執着もあった。

 死ぬべき自分が生きつづけることを正当化するためには、まさしく大義が必要であった。

 友人から手渡された杉本五郎の『大義』を読んでみたところ、戦前に日本史の教育を受けた人間にとってはもっともポピュラーなエピソードのひとつだった桜井の別れが、にわかに胸に迫ってきた、というようなことだったのかどうか。

 十七日付の日記には「楠子桜井駅より帰りしあの処置と情況とを想え」とあって、この「楠子」は正成自身のことではなくて、正成の子、つまり正行のことだと判断すべきだと思われますが、湊川の戦いに赴く正成が正行に、おまえは河内に帰れと、おまえは死ぬなと、生きて後醍醐に忠誠を尽くせと、そんなようなことを諭したというエピソードに自身を重ね合わせることで、十三は生きることを正当化し合理化することを得た、というようなことであったのかなかったのか。

 どうもよくわからぬものの、海野十三はいうまでもなく理系のひとで、早稲田の理工を出たといいますから、いまやマスメディアで人気沸騰、小保方晴子さんの先輩筋にあたるわけですけど、みたいなことはともかくとして、科学のひとであり論理のひとであった海野十三が、七生報国だの天皇帰一だの、はては青葉繁れる桜井のだの、はたしてそんなところに生の基点をみいだすものかしら。

 もっとも、十三の探偵小説観を確認してみると、海外の読者は科学知識を身につけているから謎解きを主眼とした本格探偵小説を好むけれど、日本では科学知識が普及してないから純粋な本格ではない探偵小説が歓迎されるのである、といったようなことを昭和9年あたりから主張していますから、その説に従えば十三自身もまた日本人であった、ということになるのかもしれません。

 講演本番までに、もう少し考えてみたいと思います。

 なお、十三の日記の引用は橋本哲男編『海野十三敗戦日記』(2005年、中公文庫)を底本といたしましたが、海野十三全集版の日記は青空文庫で読むことができます。

 青空文庫:海野十三敗戦日記

 上の引用にあたってもこの青空文庫版の日記を開き、いまやマスメディアで人気沸騰、小保方晴子さんのいやいやそんなことはどうでもいいんですけど、いわゆるコピペのソースとしたことをここに明記しておきます。
Posted by 中 相作 - 2014.04.10,Thu

 乱歩生誕百二十年の年もいよいよ盛りあがってまいりました、でしょうか。

 5月15日から28日まで、恒例となった新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館が催されます。


 5月17日の土曜には、立教大学でトークショー「昭和の豊島区と作家・芸術家たち~新興の土地と新興の芸術~」とか、旧江戸川乱歩邸特別公開とギャラリートークとか、そういうのもあるそうです。

 立教大学:第9回 新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館開催(5月15日~28日)

 乱歩ファンのみなさんはどうぞお運びください、とは思いますけど、しかし、5月17日といえば、まぎれもなく海野十三忌。

 しかも今年は、十三の没後六十五年にして乱歩の生誕百二十年とあって、特別記念大企画の講演会「永遠の十三〜海野十三と江戸川乱歩〜」が催される日ではないかいな。

 恥ずかしながら、こんなのをつくっていただいております。


 なんか、伊賀の忍びの末裔として、できるだけ気配を消しながら生きてる身としては、どうもこういうのはなあ。

 てゆーか、どうしてここまで怪しげなのか、とか悩みつつ、私のプロフィールとコメントは、こんな感じになっております。

講師プロフィール●中 相作(なか・しょうさく)一九五三年三月二十四日、三重県名張市生まれ。二黒土星。牡羊座●生まれた家は、江戸川乱歩が一八九四年に誕生した新町の隣町にあり、少年時代には一九五四年建立の乱歩生誕地碑の前を通って精養軒という肉屋へおつかいに行ったりもしたものだが、一九六一年に女性五人が殺害された名張毒ぶどう酒事件の発生現場からはかなり隔たった地点に位置していた。三重県立上野高校卒業●編集業。元名張市立図書館嘱託。『乱歩文献データブック』『江戸川乱歩執筆年譜』『江戸川乱歩著書目録』(以上、名張市立図書館発行)を編集、『子不語の夢 江戸川乱歩小酒井不木往復書簡集』(乱歩蔵びらき委員会発行)を監修。ウェブサイト「名張人外境」(更新停止)、ウェブログ「名張人外境ブログ」を開設●六十一歳、名張市在住●講師コメント「乱歩生誕百二十年の今年、乱歩が早稲田大学在学中に執筆し、みずから清書して製本した手製本『奇譚』の活字化をもくろんでいるが、前途まことに多難です。海野十三忌講演会では、驚異の大ベストセラーとなって映画も大ヒット中らしい『永遠の〇(ゼロ)』にあやかり、『永遠の十三』と題しておはなしすることになりました。先着五十名様には乱歩ゆかりの二銭銅貨煎餅をプレゼントいたします。なにとぞよろしくお願いします」●

 こんなのも、ほぼ完成しております。


 どちらさまも、よろしかったらぜひおでかけください。

 5月の徳島は最高でっせ。

 まあ、5月にしかお邪魔したことがないんですけど。

 それから、乱歩生誕百二十年に藍峯舎が贈る豪華愛蔵版『黒蜥蜴』は、4月下旬の刊行予定と発表されました。

 株式会社藍峯舎:Home

 近日予約開始、とのことです。
Posted by 中 相作 - 2014.04.09,Wed

 すっかり春らしくなりました。

 今週末、当地で開催中の名張桜まつりへおいでになりませんか。

 近鉄はハイキングなんかもやってくれるそうです。

 近畿日本鉄道:駅長お薦めフリーハイキング(踏破賞対象) なばりまち和菓子食べ歩きと名張桜まつり

 このページには乱歩生誕地碑広場の写真が掲載されてますけど、この写真みて、ああここ行ってみたいな、とか思うやつがいるか? と思います。

 名張桜まつりの公式ページはこちらです。

 名張商工会議所:名張桜まつり

 当地の桜は、きょうあたりえらい勢いで散りはじめてましたけど、私は12日の土曜日、この名張桜まつりに出かけてみる予定です。

 さて、4月6日に投開票がおこなわれた名張市長選挙、結果はこうなりました。

 伊賀タウン情報YOU:名張市長選 開票始まる 確定投票率は42%(2014年4月6日)
 伊賀タウン情報YOU:名張市長選 亀井氏が4選果たす(2014年4月6日)

 投票率の低さが眼につきます。

 いっぽう、おなじく4月6日が投開票だった佐賀県武雄市の市長選挙は、いったいどうであったか。

 佐賀新聞:武雄市長選 現職・樋渡氏が3期目の当選(2014年4月6日)

 佐賀新聞のサイトはやけに重い、というのが気になりますが、選挙結果では無効票の多さが眼につきます。

 佐賀新聞:市の一体感醸成を 武雄市長選・解説(2014年4月7日)

 「図書館のほか、地元産品を売り込むネット通販、タブレット端末を使った「反転授業」の導入など、目新しい施策への手腕は評価されている」とのことですが、このうわっつらだけの「評価」を盲信して伊賀市の図書館もTSUTAYA化するのかどうか、眼が離せない感じです。

 そういえば、先日、こんなニュースも報じられましたっけ。

 読売新聞:武雄図書館赤字見通し、TSUTAYA委託1年(2014年4月2日)

 それから、こっちの件はこんなあんばい。

 読売新聞:袴田元被告「少し返事する程度」 姉が明かす(2014年4月7日)
 読売新聞:独自実験も…毒ぶどう酒事件、請求理由の補充書(2014年4月7日)

 最後は乱歩がらみで、先日のこのお芝居ですけど──

 2014年4月1日:孤島の鬼

 オープニング映像がYouTubeにアップされました。


 それでは、散り急ぐ桜を愛でながら、そろそろお酒にいたします。
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