あと十日ほどとなったてがみ座の「乱歩の恋文〜芝居小屋バージョン〜」公演、会場の永楽館はやはり演劇関係者を刺激してやまない、あるいは、挑発してやまない芝居小屋であるみたいで、たとえばきょうはこんなツイートが。
「永楽館は化け物」 その心は? 日本劇作家大会2014豊岡大会。てがみ座の『乱歩の恋文』が上演される、出石 永楽館。 近畿最古の芝居小屋。... http://t.co/kpjkPyAB1t
— 丸尾聡 劇作家大会は6月 (@maruosatoshi) 2014, 6月 4
たぶん、劇団vs劇場の異種格闘技戦のようなものになるのではないか、とは先日記したところですが、そうか、永楽館は化け物なのか、と妙に納得いたしました。
さて、その永楽館をめぐるおひとりさまツアーの件ですが、おかげさまでごいっしょいただけるかたがみつかり、永楽館おふたりさまツアー、としゃれ込むことになりました。
しかも、初日の14日、ついでですから、まず山田風太郎記念館に立ち寄り、そのあと永楽館に向かう、ということになりました。
▼山田風太郎記念館:Home
この公式サイトによれば、山田風太郎記念館は2003年、郷里の旧関宮小学校跡にオープンし、山田風太郎の会、という団体が管理運営しているそうですけど、うーむ、名張市もどうであろうな。
なにしろ衰退一直線、名張市内の児童数が半端なく減少し、この春には小学校三校が一気に閉校となった次第で、うち一校が名張市郷土資料館とかいうものになるらしいんだけど、うーむ、うーむ、名張市はあいかわらずあほなのであろうか。
あほが治っておらんのか。
▼伊賀タウン情報YOU:今春閉校の小学校の活用方針示す 名張市(2014年5月23日)
郷土資料館、などといいだすのはあほの証拠とみてまちがいないのじゃが、こら、こらこら、こらこらこらこら三重県名張市とかいう低能自治体、おまえらはいったいなんなんじゃ、あのみごとなまでの大失敗に終わったまちなか再生事業においてもじゃな、事業の目玉であった旧細川邸の整備にかんして、事業の指針であった名張まちなか再生プランには、
「初瀬街道沿いの最もまとまりのある町並みの中にある細川邸を改修して歴史資料館とします」
と、明記されておったではないか。
よくみてみろよ低能。
▼名張市:名張まちなか再生プラン(PDF)
名張市は、歴史資料館、とか、郷土資料館、とか、よほど好きじゃとみえる。
なにしろ、名張市郷土資料室、というのが、すでにあるんだからな。
名張市立図書館とおなじ桜ヶ丘に、げんにあるであろう。
だれも寄りつかず、完全に見捨てられ、その存在が市民にまったく知られておらぬ郷土資料室があるというのに、旧錦生小学校が名張市郷土資料館になる、というのじゃからな。
ま、好きにしろよ低能自治体、とは思いますけど、山田風太郎記念館みたいに、廃校になった学校を利用して江戸川乱歩記念館を開設し、山田風太郎の会ならぬ乱歩蔵びらきの会に管理運営をゆだねてやったらどうじゃな。
そんなことは、とても無理じゃろうな。
官民双方、悲惨なまでにあれじゃもんな。
いやいや、そんなことはまあどうでもいいとして、6月14日から15日にかけての永楽館への観劇ツアー、どちらさまもお気軽にご参加ください。
乱歩蔵びらきの会のみなさんとか、名張市立図書館のみなさんとか、たまにゃごいっしょにいかがでしょう。
夜には大宴会も待ってます。
乱歩生誕百二十年の記念事業はなくっても、乱歩ゆかりの地を訪ねて名張のまちまでおいでくださるかたがあるのは、とてもありがたいことだと思います。
6月3日(火)江戸川乱歩ゆかりの地を巡りに、お客様が来所♪乱歩生誕地のここ名張では「生誕記念碑」の他、名張駅東口には乱歩像があります。また、市立図書館では愛用品や生家の模型などもご覧いただけます。 pic.twitter.com/8Xm6bR3CtQ
— 名張市観光協会 (@nabarikankou) 2014, 6月 3
とはいえ、乱歩が生まれたのは新町、乱歩生誕地碑があるのは本町、乱歩像は平尾、名張市立図書館は桜ヶ丘、とてんでんばらばらでまとまりに欠け、動線もくそもありゃしませんが、これは乱歩関連にかぎった話ではなく、名張市というのはそもそもそういうところでして、統一的全体的にものを考えるということがなく、というか、そもそもものを考えるという習慣がないわけで、脳髄は物を考える処に非ず、といわんばかりの土地柄です。
それでも、世の中の景気がよくて人口が増えてたころはまだましだったんですけど、いまや衰退一直線、というところで、きのうご紹介申しあげた『これでいいのか三重県』の「もはやマイホームに魅力なし/名張市から脱走する人の群れ」から再度引用。
平成10年代に入ると、地価も落ち着き奈良県内でも、新たなニュータウンが造成された。これにともなって、遠すぎる名張市はダンダンと敬遠されるようになった。また、都心部でのマンションの増加による都心回帰の流れも、名張市の魅力を著しく下げた。そもそも、ここの住民のほとんどは都心でマイホームが買えないから引っ越してきた「名張市にたいした愛着のない人々」である。なので、都心に好条件でマンションが購入できるなら、引っ越すのは当然の動きだ。
こうした動きも2014年現在、一段落はしたものの、大阪方面への通勤者の減少は止まっていないという。その理由は、不景気によって関西圏での職を失う人が急増したことだ。そうした人々の受け皿になっているのが、伊賀市である。伊賀市では、近年になり「ゆめぽりす伊賀」と呼ばれる工業団地ができた。そこで、現在では、名張市から伊賀市の工場へ通勤する人が増加しているのだ、また、同様に亀山の工業団地も、職のない名張市民の受け皿になっているという。
そもそも、近鉄線で大阪方面へ直結していることで、伊賀市に対して優位に立っていると思っていた名張の人々。奈良県のベッドタウンどころか、伊賀市にも完全に敗北が確定した現在、いったいどんな気分なのか? 名張市の今後を見守りたい。
名張市の今後を見守っていただけるそうですけど、まんずまんず、ろくな将来は待ってないと思います。
とにかく、地元選出国会議員の先生から、名張市はこのままじゃ立ち行かないんだからとっとと伊賀市と合併しろよおら、とじつに手厳しいアドバイスを公然と、というか、めでたかるべき市制施行六十周年記念式典の席上で頂戴しているほどで、それはまあたしかに、なにしろこの六十年間、なにも考えることなくただその場しのぎだけを際限もなくくり返してきた自治体なんですから、名張市の今後、っつったってなあ。
ですから、とくに乱歩にかんして申しあげておきますと、生誕百二十年記念事業はたぶんなんにもありませんけど、そのあともおそらく、もうなんにもないものと思います。
くわしいことは「伊賀一筆」の手記「新・僕の図書館戦争」でお伝えいたしますが、日本でただひとつ乱歩関連資料を専門的に収集している、ということになっている名張市立図書館はいったいどうするのか、ということになると、上でごらんいただいた名張市観光協会のツイートにあるとおり、「市立図書館では愛用品や生家の模型などもご覧いただけます」みたいな感じで行くしかないと思います。
つまり、こんにちはッ、お経は読んでも乱歩は読まぬッ、でおなじみの初代館長さんをはじめとした歴代館長さん、ならびに図書館関係者のみなさん全員には、乱歩関連資料は陳列し展示するものである、という認識しかなく、本は読むものだ、ということが理解できてなかったんですけど、それは今後もひきつづくはずですから、乱歩ファンのみなさん、絶望してもらってもいいですか。
あ。
絶望してもらってもいいですか、というのはなかなか面白いフレーズだから、「新・僕の図書館戦争」の小見出しにつかってやろっと。
名張市の6月定例会に提出される一般会計補正予算案が発表されました。
▼伊賀タウン情報YOU:「肉付け」に補正予算14億8680万円 名張市(2014年6月2日)少なくともこの記事をみるかぎり、一部の乱歩ファンのかたから期待を寄せていただいていた乱歩生誕百二十年の記念事業は、影もかたちもないみたいです。
どうも残念でした。
ま、順当なところかもしれません。
手前ども名張市、いまやお金はないけど知恵もない、というのが正直なところで、二十年前の乱歩生誕百年の年には、お金は多少ありましたから、ありものの乱歩関連事業をいくつか並べてみせる程度のことはできた、ということは、「伊賀百筆」から「伊賀一筆」にスライドすることになった「続・僕の図書館戦争」にも記しましたけど。
いまではすっからかんのありさまですから、乱歩生誕百二十年なんてどこ吹く風、ということになるのもいたしかたのないところでしょうか。
名張市の財政状態については、これまでにもお伝えしてきましたけど。
▼2013年11月24日:名張市には期待しないでください
とにかく半端ありません。
「続・僕の図書館戦争」でお読みいただいたものと思いますけど、名張市は大手デベロッパーによる大型住宅地開発のおかげで、みずからはなにも考えることなくいわゆる発展をとげてきたわけですが、それもすでに過去の話。
今年3月にこんな本が出ました。
▼2014年3月12日:これでいいのか三重県 日本の特別地域特別編集55
この本にはむろん名張市のことも書かれていて、たとえば「もはやマイホームに魅力なし/名張市から脱走する人の群れ」などという見出しが躍ってます。
ちょっと引いてみますと。
都心からは遠すぎた
ベッドタウンの末路
自らを「関西人」だと自認する伊賀地方の住人たち。その中でも「自分たちは伊賀市よりも、関西人に近い」と思っているのが、名張の人々である。こう記すと、近鉄線で大阪の中心へと直通できることが名張市民が自認を強めたかに思える。でも、己を関西人だと割り切る理由は高度成長期以降の住宅の郊外化に起点があるのだ。当時は都市部の地価の高騰から住宅を求める人が、郊外へ郊外へと出て行った。これに関しては全国どこでも同一の現象だが、ここ三重県は「関西人」と認識されているような人々が住宅を求めて名張まで、流れ……いや、移住してきたのである。そうした住民を受けいれるためにベッドタウンが建設されて名張市は大きく変わった。
どれだけ変わったかは、駅を降りれば一目瞭然だ。駅の出入り口の片側は旧市街。もう一方は、ベッドタウンが広がっており、ベッドタウン側にはロードサイド店舗と整然と区画された土地に一軒家がある典型的な郊外都市となっている。これが旧市街とハッキリ色分けされすぎていて、街の匂いは大きく異なっている、という様だ。なお余談だが、唯一、イオンだけは旧市街側に立地している。
旧市街側というのは、乱歩が生まれた新町を含む昔ながらのエリアで、みごとなまでの大失敗に終わったまちなか再生事業の現場でもありますが、こんなこと書いてるととてもいやーな気分になってきますから、きょうのところはここでとどめます。
つづきまして、本日の名張冤罪情報。
▼NHK NEWS WEB:名張毒ぶどう酒事件で異議を申し立て(2014年6月2日)
お次は、乱歩生誕百二十年の年を迎えて出るべくして出た、というべきか、とにかく出ました。
▼洋泉社:江戸川乱歩の迷宮世界
乱歩ファンなら見逃せません。
とはいえ、これまでにいくたびもいくたびも、にわかには思い出せないほどいくたびも料理されつづけてきた乱歩ですから、筋金入りの乱歩ファンには新鮮なネタにやや欠けるうらみがないでもないかもしれませんが、にしても迷わず買っとくしかないと思います。
それにしても、乱歩生誕地の名張市は、生誕百二十年でもほんとになんにもせんのか、と驚いたりあきれたりしていらっしゃるかたもおいでかもしれません。
行政サイドはなんにもなしでも、市民レベルではなにか動きがあるかもしれませんので、とにかくほそぼそとでも期待をおつなぎいただければ、と思います。
本日の名張冤罪情報は、こちらとなっております。
▼中日新聞 CHUNICHI Web:支援者ら名高裁に抗議 名張事件再審棄却で(2014年5月30日)つづきまして、乱歩生誕百二十年の、という話題しかないのか、とも思いますけど、とにかくその年をゆくりなく飾ることになった日本劇作家大会2014豊岡大会の「乱歩の恋文」の件ですが、初日の6月14日は午後1時開演で3時終演、つづくアフターイベントには永楽館のバックステージツアーも組み込まれてるそうですから、そのアフターイベントに潜り込んでみることにいたしました。
というのも、あらかじめ劇場の構造を頭に入れておいたほうが、「乱歩の恋文」というお芝居が永楽館という芝居小屋をどうつかいこなし、つかいまわしているのかがよくわかって、より楽しめるのではないか、と思ったからです。
なにしろあんな面白い劇場ですから、演出の専門家の手にかかれば永楽館ならではの演出プランがぽんぽん出てくるはずで、そうなるとこの公演、劇団vs劇場のバトル、それも現代の劇団にとっては異種格闘技戦に近い戦いになるのではないかしら、とも推測される次第ですから、初日のアフターイベントから参加して、観劇は翌日、という線で決定いたしました。
▼演劇ユニット てがみ座:乱歩の恋文~芝居小屋バージョン~(2004年5月1日)
アフターイベントは午後5時終了の予定だそうですから、そのあとはたったひとりで出石大宴会、ということになるのかどうか、やたらお蕎麦屋さんの多いとこみたいですけど、ほんと、どなたかごいっしょしませんか。
すっかり暑くなりましたけど、関西の「ベットタウン」にして冤罪のメッカ、三重県名張市からきょうもお届けいたします。
名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さん、こんな感じでいらっしゃるそうです。▼47NEWS:奥西死刑囚「分かった」 口動かし、異議申し立てに(2014年5月29日)
奥西さんは大正15年のお生まれですから、三島由紀夫よりひとつ年下で、となると、三島の名が出たらこちらをご紹介申しあげるのがこのところのならいとなっております。
▼株式会社藍峯舎:『完本黒蜥蜴』
こちらもよろしくね。
『幻の豆本』が新編集で、今、蘇る! 藍峯舎『屋根裏の散歩者』江戸川亂歩著 池田満寿夫挿畫 限定350部 記番入 背革装 天金 貼函付 http://t.co/xoVtbsZO4g 残部僅少です! pic.twitter.com/26moXhGWmp
— 古書きとら (@kosho_kitora) 2014, 5月 26
「残部僅少です」とのことです。
さて、冤罪のメッカにおける名張毒ぶどう酒事件関連の報道は、とみてみると、ウェブニュースとして報じられたのはこれだけみたいです。
▼毎日新聞:名張毒ぶどう酒事件:再審棄却 「早く終わらせて」 被害者らうんざり 「地獄絵図、つらい体験」 /三重(2014年5月29日)
もううんざり、という地元のみなさんのお気持ちもよくわかる気はしますけど、当地あたりのムラ社会には正義や真実よりもだいじなものがあるんだな、と考えると、なにやら恐ろしくなってくるから困ったものです。
いまや岩波現代文庫で読める『名張毒ブドウ酒殺人事件──六人目の犠牲者』の著者、江川紹子さんのツイート。
弁護側が行う実験の結果も待たず、4月に行った証拠開示の申し立てにすら、なんの判断もしないまま、いきなり棄却とは…。 →毒ぶどう酒事件で再審請求棄却 名古屋高裁 | 沖縄タイムス+プラス http://t.co/HMROLMYPXJ @theokinawatimesさんから
— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 5月 28
名張事件で、再審請求出して半年で棄却決定の名古屋高裁。奥西さんの「加齢の程度や健康状態の悪化の程度を踏まえた上、判断を早期に出すことにした」と。もうすぐ死にそうだから、証拠開示についての検討もしないで、生きてるうちに大急ぎで再審の扉を閉めました、とゆうこと。酷い話。
— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 5月 28
名張毒ぶどう酒事件の再審棄却決定、奥西さんが高齢で健康状態も悪く、もうすぐ死にそうだから、弁護団の追加証拠も待たず急いで棄却決定を出す、という裁判官の思考回路が、どうしても分からない。決定を出したのは、石山容示裁判長、河原俊也裁判官、伊藤寛樹裁判官。
— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 5月 28
袴田事件はあくまで例外で、裁判所は過去の死刑事件の裁判見直しに前向きになったのかもなどと期待してもらっては困る、司法はお前の再審請求を取り上げるつもりはない、そのことを自覚して、もう再審は諦めて、早く死刑囚として死んでくれ、というメッセージのように読めてしまうのだが…
— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 5月 28
無実の証を立てることだけを支えに、命の灯火を燃やし続けてきた奥西勝さんに、今回の決定は相当のダメージを与えることが心配される。奥西さんの健康状態を理由に棄却決定を急いだ裁判所に対し、特別面会人の稲生昌三さんは、「これで奥西さんが亡くなるようなことがあれば、まさに司法の殺人だ」と
— Shoko Egawa (@amneris84) 2014, 5月 28
司法の世界にも、正義や真実よりもだいじなものがある、ということでしょう。
ひっでー話だよなあ実際、と思いつつ、関西の「ベットタウン」にして冤罪のメッカでそろそろビールでも飲むことにいたします。
乱歩生誕百二十年もいよいよ盛りあがってきたのか、6月11日の水曜には三重県津市でこんな催しがあるそうです。
▼津あけぼの座スクエア:読み会 第十八夜あっちこっちで盛りあがってるのに、名張市はなんでしーんとしてんの? とそこらの小学生から尋ねられそうな勢いですけど、名張市はいま、サッカーワールドカップの日本代表、山口螢選手で盛りあがってます。
▼夢を力に2014:三重県名張市のみなさんから応援メッセージが届きました。(2014年5月13日)
「関西のベッドタウン」とあるべき字幕が「関西のベットタウン」となっているのが、名張市民のひとりとしてはちょっと恥ずかしいかな、という気もいたしますけど、ま、名張市役所のレベルを如実に示していていいかな、とも思います。
しかし、怪人二十面相に名張市内を案内させる、というのは以前、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」がブームになってたころ、おれがこのブログで怪人二十面相に恋チュンやらせろよおら、と書いたことのパクリじゃねーか。
▼2013年10月22日:踊れ怪人二十面相
いくら怪人二十面相だからって、アイデアの盗用はよくないぞこら、こらこら、こらこらこらこら、とかいって名張市役所でのこぎり振りまわして暴れたりはいたしませんから、名張市役所のみなさんはどうぞご安心ください。
とはいえ、きょうになって名張市が盛りあがってる話題といったら、まずまちがいなくこれでしょう。
▼NHK NEWS WEB:名張毒ぶどう酒事件 再審認めず(2014年5月28日)
先日、大飯原発の運転差し止めをめぐる福井地裁の判決が出たときには、「司法は生きていた」という関係者の弁がメディアを通じて伝えられましたけど、名張毒ぶどう酒事件の再審請求をリジェクトした名古屋高裁の今回の決定は、司法はやっぱり死んどった、ええだけ死んどるやないかあんなもん、と思わざるをえないものです。
このあいだの海野十三忌講演会で、名張毒ぶどう酒事件をマクラにして、あれは冤罪でっせ、奥西勝さんはシロでっせ、と力説した私の立場はいったいどうなるのか。
鈴木泉弁護士ではないけれど、許しがたい決定だ、と思います。
おはなしかわって、日本劇作家大会を控えて盛りあがってるはずの豊岡市から、てがみ座の「乱歩の恋文」が上演される芝居小屋、永楽館のレポートが届きました。
じつに面白い劇場で、お芝居やってるひとなら、一度はこの小屋で公演を打ってみたい、と思うのではないかしら。
それにしても、百二十年前の乱歩生誕の年からまもないころに建てられた芝居小屋が、ぽろぽろになって閉鎖されながらも姿をとどめていたっていうのもすごい話ですけど、かてて加えて、その小屋に手を入れて再生し、まあなんということでしょう、ふたたび劇場として使用するようにしたっていうんですから、地元関係者のみなさんはまことにようやらはりました、とここに敬意を表する次第です。
それにひきかえ、乱歩が生まれた町に残ってた蔵つきの旧家を、せめて蔵だけでも乱歩関連で活用する、といったことにさえ考えが及ばず、というか、ひとが親切にパブリックコメントまで提出してやったというのに、迷走に迷走を重ねたあげく無駄に立派な公衆便所つきの名張地区第二公民館にしてしまうしかなかったどっか自治体はいったいなんなんだ。
ほんとにいったいなんだったんだ。
おっこるでしかし。
あーあ。
なんか知らんが、名張市役所で思いっきりのこぎりを振りまわしたくなってきたぞ。
ご心配をおかけしている、ということもないと思いますが、藍峯舎の『完本黒蜥蜴』、売れ行きはなかなか堅調だそうです。
本日はこちらのブログでどうぞ。▼ウラゲツ☆ブログ:注目新刊:『完本 黒蜥蜴』藍峯舎、ほか(2014年5月25日)
「発行部数はこれまでの350部よりさらに少ない220部。売切必至です。私が購入したのはつい先週、100番台の半ばでした。遅かれ早かれ完売するものと思います」とのことですから、お買い求めはお早めにどうぞ。
▼株式会社藍峯舎:『完本黒蜥蜴』
乱歩の「黒蜥蜴」は三島由紀夫のみならず、いくたりもの書き手によって戯曲化や映画化、テレビドラマ化が進められ、いわばガラパゴス化が進行しているわけなんですけど、なかでも異色の一作が、近年とみにバラエティ化が顕著な青島広志さんによるオペラ「黒蜥蜴」。
初演から三十年、その「黒蜥蜴」が6月13日と14日、青島さんの演出で再演されます。
▼ブルー・アイランド 青島広志オフィシャルサイト:オペラ「黒蜥蜴」3回公演 豊島公会堂 6月13日(金)/14日(土)(2014年3月29日)
青島さんも「もう二度と見られないと思いますので、ぜひいらして下さい」とお書きですから、とくに関東地方の乱歩ファンのみなさんは、ご都合よろしければいかがでしょうか。
いっぽう、6月の14日と15日、兵庫県の豊岡市では日本劇作家大会2014豊岡大会で「乱歩の恋文」が上演されますけど、東京から足を運ぶには? という疑問に答えてくれるのがこちらです。
▼「乱歩の恋文~芝居小屋バージョン~」稽古場ブログ:出石 永楽館への行き方をご紹介【東京編】(2014年5月27日)
じつは城崎とか豊岡とか、いわんや出石とか、そのあたりの土地勘というやつがまるでありませんので、豊岡駅から出石の永楽館まで自動車で三十分もかかる、城崎温泉駅からなら一時間だぞおい、といったことを上のエントリではじめて知りました。
これはもう、14日入りの15日観劇、という路線が無難だと思います。
「乱歩の恋文」は「芝居小屋バージョン」と銘打たれているとおり、永楽館という小屋ぐるみで楽しむべきお芝居で、アートの世界でいえばインスタレーションみたいな感じだと思いますが、出石の地で「乱歩の恋文」というお芝居を空間ごと、土地もろともに体験できるのはこの二日間だけとなっておりますので、遠くのかたも近くのかたもぜひどうぞ。
東京あたりにお住まいのかただって、13日はオペラ「黒蜥蜴」、14日は移動日、15日は日本劇作家大会で「乱歩の恋文」、という日程なら余裕でOKだと思います。
ちなみに、「乱歩の恋文」には若き日の真珠社主人、平井通も登場いたしますので、平井通ファンなら絶対に見逃せません。
そんなファンがいるのか、とも思いますけど、平井通についてよく知りたい、とおっしゃるかたはこの一巻をどうぞ。
▼藍峯舎:『屋根裏の散歩者』
こちらもそろそろ完売か、みたいな感じかも。
お買い求めはお早めにどうぞ。
平井通と『屋根裏の散歩者』、といえば池田満寿夫ですが、三重県の菰野町というところでこんなイベントが開催されてます。
▼YOMIURI ONLINE:池田満寿夫 生誕80周年展(2014年5月24日)
これですね。
▼PARAMITA museum:生誕80周年記念 池田満寿夫展
おなじ三重県とはいえ、拙宅からは結構遠いんですけど、行ってみたいと思います。
では最後に、日本劇作家大会の公式サイトはこちら。
▼日本劇作家大会2014豊岡大会:⑪ 出石永楽館上演!演劇ユニットてがみ座『乱歩の恋文 −芝居小屋バージョン-』
もうひとつ、豊岡市の公式サイトがこちら。
▼豊岡市:日本劇作家大会 個別企画紹介―その2― 【6月14日(土)、15日(日) 演劇ユニットてがみ座『乱歩の恋文』】
名張市役所のみなさんも、なにかと勉強になるかもしれませんから、豊岡へGO、はいかがでしょう。
乱歩生誕百二十年の年も5月下旬に突入し、九年目を迎えた新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館もそろそろ終盤。
きよう24日には、旧乱歩邸でギャラリートークが催されます。▼新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館:旧江戸川乱歩邸 特別公開&トーク
ツイッターを検索してみると、旧乱歩邸の特別公開に足を運んだひとのツイートもちらほら。
なかで注目すべきは、このさえずりでしょう。
ミステリマガジン7月号シャーロック特集は明日発売ですが、我ら編集部は来月号の乱歩生誕120周年に絡めた幻想と怪奇特集のため、新保教授と江戸川乱歩記念大衆文化研究センターの落合さんにナビゲートいただいて乱歩邸の取材に行ってまいりました! pic.twitter.com/DB9dydgSmI
— Maiko Kozuka (@kozukata) 2014, 5月 23
「ミステリマガジン」恒例の幻想と怪奇特集、今年は乱歩がらみとなるようです。
乱歩ファンのみなさんは、どうぞお楽しみに。
それにしても、さすがは乱歩、というべきか、やっぱあちらこちらから乱歩生誕百二十年というフレーズが聞こえてくる感じなんですけど、生誕地の名張はどうよ、乱歩生誕百二十年なのに名張市はほんとになにもせんのか、という疑問は先日、徳島県でも話題になっていたような気がいたしますが、ほんと、どうなんでしょうね。
いっぽう、名張市のおとなり伊賀市では、芭蕉生誕三百七十年の気運がいよいよ盛りあがってきたみたいです。
▼伊賀タウン情報YOU:駅前広場の芭蕉像が破損 伊賀市が被害届提出(2014年5月22日)
▼朝日新聞デジタル:芭蕉像 壊される?(2014年5月23日)
▼伊勢新聞:伊賀 駅前の芭蕉像破壊 人為的か、つえ一部落下(2014年5月23日)
▼中日新聞 CHUNICHI Web:「許せない」憤る地元 芭蕉像つえ損壊(2014年5月24日)
これは面白い。
フーダニットもむろんそうですが、むしろハウダニット、ホワイダニットという点にこそ興味をおぼえます。
この謎を解明することが、芭蕉生誕三百七十年の伊賀市における最大の記念イベントになるのではないか。
中日新聞の記事によれば、「防犯カメラの解析や聞き込みをして、必要があれば折れたつえを県警科学捜査研究所(津市)で鑑定する」とのことですから、なんか、沢口靖子さんが乗り出してくれたらうれしいな、とかも思いつつ、今後の展開を注視したいと思います。
それにしても、漫才のネタにうってつけの事件ではあります。
漫才といえば、地域雑誌「伊賀百筆」から個人雑誌「伊賀一筆」にスライドすることになった漫才「続・僕の図書館戦争」の件ですが。
この漫才に、「虎は死して皮を残し伊賀の蔵びらきは大失敗に終わってあほを残す」とか、「バショーサンガーバショーサンガーゆうて鳴きながら十年に一度わいて出る害虫がいるらしいんです」とか、「伊賀の蔵びらき事業の残党が十年後の今年どれだけ伊賀市にわいて出てバショーサンガーバショーサンガーゆうて鳴いたのかは正確には把握できてません」とか、そういったことを記しましたけど、十年前の「生誕三六〇年芭蕉さんがゆく秘蔵のくに伊賀の蔵びらき」の残党がほんとにわいて出た、というニュースもありました。
▼MSN産経ニュース:芭蕉への思い、各界著名人綴る 伊賀・栄楽館 三重(2014年5月17日)
なんかもう、どうぞ漫才にしてくださいな、といわんばかりのネタだなあ。
ま、「伊賀一筆」の漫才はもう打ち止めになってるわけですけど。
で、おとなりの伊賀市がいいだけ盛りあがってるっていうのに、名張市はどうよ。
というのも、先日の徳島大宴会で、やっぱ大宴会は楽しいな、とあらためて実感いたしましたので、それ以来、せめて乱歩生誕百二十年の年くらい、生誕地の名張で乱歩にちなんだ大宴会があってもよさそうなもんだけど、と朝な夕なに思案している私です。
少し以前までなら、乱歩関連事業として年に一度、日本推理作家協会から講師の先生を派遣していただいたミステリ講演会が開催されていましたから、筋金入りの乱歩ファンのかたに当地までおいでいただく契機にはなっていたのですが、それもなくなって早いくとせ。
というか、日本推理作家協会からの講師派遣が打ち切りになったらなったで、むしろそれこそが好機、花形ミステリ作家の先生がたのおはなしもよかったんですけど、乱歩に照準をさだめ焦点をしぼった講演会を毎年毎年、着実にやってく方向へ路線を修正してもよかったんだけどなあ、みたいな話も徳島でしたような気がいたします。
しかし、そんなこと、名張市役所のみなさんに期待するのは、無理というか、酷というか、夢物語というか。
夢物語でよいのだ。
夢物語でよいのだ。
とはいうものの、年に一度でいいから、乱歩ファンのみなさんが名張のことを懐かしく思い出し、今年はひとつまた名張へ行ってみようかな、と思っていただけるような場を設定することも、乱歩生誕地の名張市には必要なのではないか。
ところが、乱歩生誕百二十年記念大宴会を名張市で開こうにも、わざわざ足を運んでいただけるほど魅力的な乱歩関連のイベントが、ほんとになんにもないんだもんなあ。
こんなことでは、よくないのではないか。
こんなことでは、よくないのではないか。
乱歩生誕百二十年の年もすっかりいい陽気となり、節目の年を飾る5月17日の海野十三忌講演会、おかげさまでなんとか無事に役目をはたすことができました。
徳島県内で圧倒的なシェアを誇る徳島新聞に講演会の予告記事を掲載していただいたのですが、掲載日がなんと5月16日、「十三と乱歩の友情語る/三重の研究家 あす北島で講演」との見出しが躍るどたんば掲載となってしまい、こーりゃ入場者数の最低記録を更新するかな、とも案じられたのですが、さいわいそんなこともなく、おいでいただいたみなさんへの豪華プレゼントとした名張市名物の二銭銅貨煎餅もほぼはけてしまいました。とはいえ二銭銅貨煎餅、先着五十名様にブレゼントいたします、と予告していたのですが、製造販売を手がける名張市中町の山本松寿堂に事前に発送を頼みにまいりましたところ、最大の専用箱が四十袋入りとなっております、とのことでしたので、こっそり先着四十名様ということに変更し、それでもまだかなりあまるであろうなと踏んでいたのですが、実際にはそれほどあまりもせず、というのも、会場となった北島町立図書館・創世ホールの二階ハイビジョン・シアターの入口前でぺちゃくちゃおしゃべりしていた女子小学生三人組にあまった煎餅を一袋ずつプレゼントしたりもしたからでして、ちなみにこのJS三人組を講演会終了後の大宴会に誘ってみたところ、残念ながらまったく相手にしてもらえず、もう少し大きくなってから遊ぼうね、みたいな仕儀とはなってしまいました。
通報されなくてよかった、といまは思います。
講演には反省点も多々あり、そのあたりのことはまたあらためて記すことにして、つづきましては乱歩生誕百二十年の年に忽然と姿を現した女賊、黒蜥蜴の話題ですが、じつは藍峯舎の『完本黒蜥蜴』、このところやや身辺あわただしいせいでじっくり手にとって撫でたりさすったり頬ずりしたりして愛玩する機会にいまだ恵まれず、きょうのところはまたしてもよそさまのフェイスブックで画像をごらんいただくことにしたいと思います。
▼facebook:藍峯舎『完本 黒蜥蜴』三島由紀夫・江戸川亂歩著 口絵 多賀新銅版画
さてそれで、徳島からの帰りには神戸に立ち寄り、乱歩生誕百二十年を期して、かどうかは知りませんけど、とにかく先日オープンした古本屋さんもちょっとのぞいてまいりました。
うみねこ堂書林、という名前の古本屋さんです。
きょう5月19日月曜から21日水曜までは臨時休業だそうですので、どちらさまもご注意ください。
ちなみに、このうみねこ堂書林では店主と客が真っ昼間から酒盛りをしている、といううれしいうわさを耳にしていたのですが、実際にはそんなことはありませんでしたので、どちらさまもくれぐれもご注意ください。
さて、つづきましては、たまたま乱歩生誕百二十年の年に兵庫県豊岡市で開催されることになった日本劇作家大会で上演される「乱歩の恋文」の話題です。
東京を拠点に活動するてがみ座が、はじめて兵庫県で、というか関西で、というか西日本で上演する「乱歩の恋文」のことは、すでにちょこちょこお知らせしておりますけど。
▼2014年4月23日:乱歩像お身拭いその他のお知らせ
予約受付がはじまりました。
てがみ座を主宰する長田育恵さんのツイートをどうぞ。
永楽館!絶賛ご予約受付中です RT @eirakukan_1901 6/14・15 劇団ユニットてがみ座n日本劇作家大会2014豊岡大会ー乱歩の恋文⚫︎2,500円(前売・当日共/全席自由)#izushi #劇団 #公演 #芝居 pic.twitter.com/LP3KxmZVWu
— 長田育恵@てがみ座 (@tegamiza) 2014, 5月 19
公演は6月14日土曜と15日の日曜、ぜひ足を運びたいなと思い、足の便など調べてみてるんですけど、関西方面のかたにはこちらの情報が有益かと思われます。
▼facebook:石原 燃 - 劇作家大会に参加したいけど、どうしたらいいの…
大阪駅から城崎温泉駅までJRの特急で約三時間、大阪から城崎温泉まで高速バスでやはり約三時間、なんとも微妙なところだな、という気がしますけど、どなたかごいっしょしませんか。
ともあれ、徳島のあとは豊岡へ、というような流れで、乱歩生誕百二十年の年をひきつづき力強く生き抜きたいと思います。
藍峯舎の『完本黒蜥蜴』、ついに出ました。
▼株式会社藍峯舎:Homeきのう、「『完本 黒蜥蜴』の発売を開始いたしました」とのことです。
拙宅にもお届けいただきました。
ツイッターを検索してみたところ、早ッ、画像つきツイートが、わずかに一件だけですけど、もう世に顕れてました。
藍峯舎版『黑蜥蜴』。乱歩原作と三島戯曲の初カップリング。これより立派な本に解説を書くことは死ぬまでないだろう。 pic.twitter.com/GorDWVO9ej
— 新保博久 (@oldmanincorner) 2014, 5月 16
さすが黒蜥蜴、前二冊と比べ、貫禄たっぷりの仕上がりで、堂々の女賊ぶりとなっております。
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