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Posted by 中 相作 - 2013.07.02,Tue

ウェブニュース

マイナビウーマン
 平成25・2013年6月30日 マイナビ

アニメ、漫画、映画、小説……あなたが選ぶ一番の名探偵1位「コナン」2位「ホームズ」
 高橋モータース
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アニメ、漫画、映画、小説……あなたが選ぶ一番の名探偵1位「コナン」2位「ホームズ」

Update : 2013.06.30



世界を見渡しても、日本人ほど推理小説を好きな国民はいないそうです。海外の推理小説、日本の推理小説だけではなく、ドラマ、漫画でも推理ものは数多く、それだけ日本人が好きだという証拠ですね。

さまざまなメディアで「事件が起こる」ということは、「名探偵」もたくさんいるわけです。では一番支持されている名探偵は誰なのでしょうか?


「Q.あなたが一番の名探偵と思う人は誰ですか?」を733人に聞いてみました。その結果は……。

■現在の名探偵はコナンくん!

●第1位 江戸川コナン(工藤新一) 161人(22.0%)

●第2位 シャーロック・ホームズ 121人(16.5%)

●第3位 古畑任三郎 88人(12.0%)

●第4位 金田一耕助 49人(6.7%)

●第5位 湯川学(ガリレオ) 48人(6.5%)

●第6位 金田一一 43人(5.9%)

●第7位 杉下右京(相棒) 38人(5.2%)

●第8位 エルキュール・ポワロ 24人(3.3%)

●第9位 コロンボ 22人(3.0%)

●第10位 明智小五郎 21人(2.9%)

山田奈緒子 20人(2.7%)
浅見光彦 18人(2.5%)
アルセーヌ・ルパン 7人(0.9%)
十津川省三(十津川警部) 6人(0.8%)
犀川創平 6人(0.8%)
ミス・マープル 4人(0.6%)
御手洗潔 4人(0.6%)
ペリー・メイスン 2人(0.3%)
エラリー・クイーン 1人(0.1%)

その他(フリー記入) 50人(6.8%)

最も支持が集まったのは『名探偵コナン』のコナンくんでした。「体は子供、頭脳は大人」なコナンくんは今も漫画とアニメで大活躍をしています。

イギリスが生んだ、元祖名探偵ともいうべきシャーロック・ホームズは第2位でした。1位をコナンくんに譲ったとはいえさすがの貫禄です。

第3位は田村正和さん演じる古畑任三郎。最後のシーズン「ファイナル」が放映されたのは2006年のことでした。

金田一耕助は第4位。「じっちゃんの名にかけて!」の金田一一くんは第6位でしたので、「孫と名乗る若い者にはまだまだ負けん」といったところでしょうか。ちなみに原作によれば金田一耕助には子供も孫もいません(笑)。

視聴率絶好調だった『ガリレオ』の天才物理学者・湯川先生は第5位。実に興味深い結果ですね。サードシーズンもきっとあるのではないでしょうか。

なんとシーズン11まで到達した『相棒』の、水谷豊さん演じる「右京さん」は第7位。湯川先生に遅れを取ったのは、細かいことにこだわる悪い癖のせいかもしれません。

第8位のエルキュール・ポワロはミステリーの女王「アガサ・クリスティ」が生み出した古典的名探偵です。イギリスで製作されたTVドラマは日本でも人気なので、その影響が表れたのでしょうか。

第9位は根強い人気のコロンボ警部です。小池朝雄さんがコロンボの声を吹き替えたテレビドラマは日本で大人気になりました。そのころのファンが今でもコロンボ警部を愛し続けているのです。

第10位の明智小五郎は江戸川乱歩先生の生み出した日本の名探偵。いくつもの原作がテレビドラマ化、映画化されています。

10位までの人気名探偵は、テレビ、映画といった映像メディアに登場する人ばかりです。もちろん人気があるから、アニメになったりドラマになったりするのでしょうが……。

■この名探偵のここを支持する!

それぞれの名探偵を支持した人に、「なぜその名探偵が一番と思うか」を聞きましたので回答をご紹介します。

●江戸川コナン(工藤新一)
小学一年生なのに、行動や言動が全く年相応じゃないところ。(千葉県/女性/22歳)

コナンくんには「かわいいから」という回答が目立ちました。ずるい感じがしますよね。

●シャーロック・ホームズ
小学校のとき読みあさりました。当時は結婚したいと本気で思っていて、今考えるとどうかと思いますが……。(埼玉県/女性/36歳)

ホームズさんの知性と誠実な人柄に憧れたのでしょうか。

●古畑任三郎
どんな犯人でも、最後には追い詰めてしまう。(長崎県/男性/47歳)

古畑さんと犯人の丁々発止のやり取りが見どころです。

●金田一耕助
やや解決までの工程に時間がかかるけど、一番人間らしくて憎めないから。(東京都/男性/41歳)

金田一さんが謎解きをするときにはだいたい全部終わってるんですよね(笑)。

●湯川学(ガリレオ)
かっこいいから(*´∀`*)。(愛知県/女性/24歳)

「福山さんがかっこいいから」という理由が最多でした。

●金田一一
小さいころ、よく兄に借りて漫画を読んでいたから。(埼玉県/女性/24歳)

ドラマ版を褒める回答も多数ありました。

●杉下右京(相棒)
スマートでたまにおちゃめな感じが好き。(東京都/女性/30歳)

知的なだけじゃないところも人気の秘密かもしれませんね。

●エルキュール・ポワロ
NHKのドラマをよく見ていました。祖母がいつもポアロのまねをしていました。(広島県/女性/30歳)

ちゃめっ気のあるおばあちゃんですね。

●コロンボ
冴えない風貌と裏腹に、抜群の洞察力の持ち主だからかっこいい。(神奈川県/男性/30歳)

冴えない格好で油断させといてズバッといくんですよね。

●明智小五郎
子供のころ少年探偵シリーズが好きだったので。(京都府/男性/29歳)

小学校の図書館には少年探偵団の活躍するジュブナイル小説がたくさんあったのではないでしょうか。

■その他で回答された名探偵とその探偵を支持する理由もご紹介します。

●山田奈緒子
『トリック』大好き! シモネタとくだらない&切ない感じがミックスされているのがいい!! 駄目な感じの干物女なのに鋭いところが良い。親近感の湧くキャラです。(栃木県/女性/29歳)

阿部寛さん演じる上田教授との息もぴったりですよね。

●中禅寺秋彦(京極堂シリーズ)
最初は嫌々だが、最終的に解明するから。(神奈川県/男性/35歳)

京極夏彦先生の生み出した名探偵です。

●銭形警部
真面目で無敵じゃないですか。(茨城県/男性/46歳)

ルパン三世の好敵手ですね。

●神津恭介
作者の高木彬光のファンだから。(愛知県/男性/55歳)

『刺青殺人事件』などに登場する名探偵です。

●工藤俊作
松田優作演じる探偵が好きでした。(東京都/男性/48歳)

ハードボイルドな役をやらせたら松田優作さんの右に出る俳優はいませんね。

●エイドリアン・モンク
うそや不道理を一瞬で見抜く。潔癖性キャラが面白い。(新潟県/女性/23歳)

テレビドラマ『名探偵モンク』の主人公で、変人ですが名探偵です。

●折木奉太郎(古典部シリーズ)
やる気は低いけど結局は頼まれて謎を解いちゃう、お人よしな感じが好き。(東京都/女性/25歳)

米澤穂信先生が書く推理小説のシリーズに登場します。

さまざまな名探偵の名前が挙がりましたが、あなたが一番の名探偵だなと思う人は誰ですか?


調査期間:2013/6/3~2013/6/10
アンケート対象:マイナビニュース会員
有効回答数 733件(ウェブログイン式)

(高橋モータース@dcp)
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Posted by 中 相作 - 2013.07.01,Mon

ウェブニュース

毎日jp
 平成25・2013年6月29日 毎日新聞社

日々是好日:小説家になりたい 豊富な人生経験つづるシニア世代
 中村かさね
 Home > 特集・連載 > 記事

日々是好日:小説家になりたい 豊富な人生経験つづるシニア世代

毎日新聞 2013年06月29日 東京朝刊

 <第5土曜>

 今年1月、75歳で芥川賞に選ばれた黒田夏子さんをはじめ、熟年層の小説家デビューに注目が集まっている。仕事や育児が一段落し、年を重ねた今だからこそ書ける文章があるのかもしれない。

 「この中に小説のネタが詰まっています」。机の上に名刺大のミニノートをずらりと並べ、佐々木和泰さん(62)=横浜市=は少年のような笑顔を見せた。大手の損害保険会社を54歳で早期退職し、温め続けた文筆家への道をいく。

 「人生には三つのステージがある。50歳までは学業や仕事中心で、50〜70歳は公私半々。70を過ぎたら第三の人生。プライベートに重点を置いて過ごしたい」という佐々木さん。言葉通り、入社後は仕事にのめり込んだ。無我夢中で出世レースを勝ち進み、気がつけば54歳になっていた。

 「今が第二の人生だ」

 退職後、ペンネームでブログを開設した。独特の文体とユニークな視点が人気を呼び、毎日300件のアクセスがある。ミニノートは常に胸ポケットに持ち歩き、思いついた内容を書きつける。

 取材には時間をかけるが、構成が決まったら、自室か図書館、時にはビジネスホテルにこもって一気に書き上げる。2006年には藤田嗣治を題材にしたミステリー小説で、オール読物推理小説新人賞の2次審査を通過した。

 会社員時代に商品開発や営業で相手の懐に飛び込んだ経験が、小説の取材に生きているという。「人生は一日一日、死んでいくことに等しい。だからやりたいことは思い切って始めないと。人生経験を積んだからこそ、書きたいもの、書ける幅が広がったと思う」

 小学館文芸編集部の斎藤彰編集長は「若い人の文章は達者でも頭で書いたものが多い。シニアの文章には、経験からにじみ出る1行がある。その差は絶対的です」と話す。

 ここ数年、同社主催の文学賞の応募者は団塊世代より上の年齢層が増え、売り込みなどの問い合わせも多いという。5月に同社から「薔薇とビスケット」で小説家デビューした桐衣(きりえ)朝子(あさこ)さん(62)も、昨年の小学館文庫小説賞の受賞者だ。

 「無駄な経験や出会いは何一つなかった」。1月に「60歳で小説家になる」(幻冬舎新書)を出版した作家の森村誠一さん(80)は、来年で50年を迎える作家人生をこう振り返る。

 42歳の時、角川書店の角川春樹社長(当時)から「作家の証明書になるような作品を」と依頼された。追い詰められて脳裏に浮かんだのが、大学時代、登山中に食べた弁当の包み紙に刷られていた「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね?」で始まる西条八十の詩「帽子」だった。

日々是好日:小説家になりたい 豊富な人生経験つづるシニア世代

 「留年が決まり、絶望的な思いで登った山頂の寒さは今でも覚えている。ずっと心に残っていた詩がふと浮かび、タイトルが決まってからはストーリーが次々と頭の中で展開された」。わずか35日間で一気に書き上げたのが、代表作「人間の証明」だ。

 11年には「悪道」(講談社)で吉川英治賞を受賞。同賞の最年長記録を更新した。20年以上前に「絶対の自信があった」という「忠臣蔵」が同賞に落選した経験をもつ。「あきらめなければ、いつか花開くことがある。組織の都合で退職を強いられても、60歳は能力も気力も十分。小説家を志すのにいい年齢だと思います」

 佐々木さんが思い描く第三の人生は、物書きの合間に好きな絵を見て、少しぜいたくなグラスでいい酒を飲む。できれば憧れの地、ポルトガル・リスボンの夕日を眺めながら。悠々自適な余生を目指し、目下は来年1月締め切りの江戸川乱歩賞に照準を絞る。

 ただ人気作家になったら、締め切りに追われる生活が始まるのでは? 「何が起きるか分からないのが人生。その時、自分がやりたいことに正直に生きていきたい」と笑った。【中村かさね】

==============

 ◇森村さんが勧める小説ことはじめ

(1)特別な技術は必要ない。まずは思い切って書いてみよう。最初は日記にウソを書いて美化する感覚で、他人に見せることを意識する。

(2)書き上がったら不特定多数の第三者に読んでもらう。インターネットの投稿サイトやブログに公開するのもいい。

(3)本気で小説家を志すなら、出版社などの新人賞に応募してみよう。初心者は短編から始めるといい。

Posted by 中 相作 - 2013.06.30,Sun

新聞

中日新聞
 平成25・2015年6月26日 中日新聞社

有名作家の代作
 夜光虫
 連載〈大波小波〉
 統合版5面

Posted by 中 相作 - 2013.06.28,Fri

書籍

ウイスキー粋人列伝
 矢島裕紀彦
 平成25・2013年6月20日第一刷 文藝春秋 文春新書918
 新書判 カバー 268ページ 本体820円

関連
江戸川乱歩 小料理屋にポケット瓶を持ち込んだ推理小説界の大御所
 第一章 揺籃期 > p47-49


江戸川乱歩 小料理屋にポケット瓶を持ち込んだ推理小説界の大御所

 わが国推理小説界のパイオニアである江戸川乱歩は、若いころは酒を飲まなかった。第二次大戦後、つきあいで宴席にも顔を出すようになり酒の味を覚えたという。戦時中に隣組町会の副会長を引き受けたことが、ひとつの転機となったようであった。


 ▼文藝春秋:ウイスキー粋人列伝

Posted by 中 相作 - 2013.06.25,Tue

ウェブニュース

YOMIURI ONLINE
 平成25・2013年6月21日 読売新聞社

だって6月だから…足立区六月(後編)
 カベルナリア吉田
 Home > 新おとな総研 > 旅のしおり > 東京onedayスキマ旅 > 記事

だって6月だから…足立区六月(後編)


| 前編 | 後編 |


居心地のよさを感じる珈琲屋




珈琲屋がある通り。六月のスキマ旅は続く


 東武線の西新井駅と竹ノ塚駅のほぼ中間、旧日光街道沿いの街・足立区六月。その外れに小さな珈琲コーヒー屋がポツンと1軒。駅からも、六月町の中心からも遠い、なぜこの場所に? 不思議に思って入ると、バンダナを巻いた眼鏡のお兄さんが迎えてくれた。


 細長い店内、ジャズが流れている。棚に東野圭吾さんの文庫本が並び、お兄さんはシフォンケーキ作りに集中。キリマンジャロを注文、やがて馥郁ふくいくたる香りが漂い出す。


 「急に暑くなりましたね」


 タオルで汗をぬぐう僕に、ケーキ作りの手を時おり休め、お兄さんが言う。「ついこの前まで寒かったのにね」と続けて言い、少し笑う。……昼飯を食べた中華屋と同じだ。やはり初めて店に来た僕を「コイツ誰?」と警戒する様子はない。


 不思議な場所に店がありますね? そう聞くと「どこの駅も近くないです、ここ」とお兄さん。街の名前「六月」については、「<むつき>ですか?と聞かれます。本当に<ろくがつ>なんだ、と驚く人もいますね」。


 交わした会話は、たったそれだけ。でも居心地がよくて、コーヒーを飲み終わったあとも、僕はしばらくお兄さんのケーキ作りを眺めて過ごした。


せんべいの袋に「ぎょうざ」!?




鷲神社参道入り口のせんべい屋


 旧日光街道に戻り、鷲神社参道入り口のせんべい屋へ。年季の入った、そして大きな店。ズラリとせんべいが並ぶ、その真ん中にオバアちゃんがひとり、ニコニコと笑っている。僕はとりあえず、せんべいを端から順々に物色する。


 種類が多い、そして量も多い! 草加せんべいお得用袋は、米袋を思わせる大袋入りで630円ナリ。そして……なんだコレ? 品札に手書きで「ぎょうざ」の文字。何かの間違いかと思ったら、せんべいの袋にも「ぎょうざ」と書かれている!


 「ニンニクとニラがいっぱい入っているの。嫌いな人の前で開けると大変よ!」




袋に「ぎょうざ」と書いてある!


 オバアちゃんはそう言ってケラケラと笑った。結局このぎょうざせんべいと、草加せんべいの「こわれ」も買う。シメて468円。


 「この辺は<六>のつく住所が多いの。六月とか六町とか」。そんな話から、オバアちゃんは少しずつ、昔のことを語り始めた。


 「旧街道といってもね、古い店ももうそんなに……。ウチはもともと浅草でやっていて、戦後ここに移ってきたの。60年前ね」


 そしてお生まれは向島だと言う。僕も向島の近くに住んでいると言うと、「まあそうなの? 今も芸者さんは多いのかしら?」「今は少ないです」「そういう遊びをする旦那衆が、いなくなったからねえ」。


 ここで「店は浅草ビューホテルの前だったの」と、奥から別の声が。ガラス戸の向こうで、猫を抱いたご婦人が笑っている。オバアちゃんの娘さんだろうか。そしてここでも、ヨソ者の僕をいぶかしがる雰囲気はない。オバアちゃんも、娘さんらしきご婦人も。


 せんべいを抱え店を出ようとすると、オバアちゃんが「けっこう美味おいしいのよコレ」と言って、飴 あめ 玉を僕の手に握らせる。


 そして、「今日は向島の話を聞けて、懐かしかった」。そんな言葉で見送ってくれた。


銭湯で汗を流し、バーに直行




銭湯「草津温泉」の看板。ここで汗を流そう


 夕暮れの旧日光街道を、自転車が何台も走ってゆく。ペダルを踏み、家路を急ぐ人たち。六月に住む人もいれば、街道を進んだ先の、別の街に住む人もいるのだろうか。


 かつてこの道を小林一茶さんが、そして数多くの有名無名の人々が行き交った。どの店を訪ねても「コイツ誰?」という顔をされなかったのは、旧街道沿いの街だから? ヨソ者が行き来することに慣れているから、街の人は突然の見知らぬ来訪者に、いちいち驚きはしないのかもしれない。


 「草津の湯」看板を掲げる古い銭湯へ。服を脱ぎ、タオル片手に洗い場に向かうと、「うわっ、あっちー!」。


 若者がふたり、湯船に足先を浸 つ けるや悲鳴を上げた。さすが草津の湯! 僕は頑張って肩先まで浸かり、じっくり汗を流す。湯船脇の壁には、近所の店の広告が並んでいる。


 「湯上がりに生ビール!」「喉を潤すこの一杯!」。飲むしかないだろう! 銭湯を出て向かった先は、六月2丁目交差点。午後6時、数軒並ぶ居酒屋に明かりが……おっ、昼間見つけたバー「エルシーマーリィ」に、もう明かりが灯ともっている。こんばんはー。




バー「エルシーマーリィ」。笑顔で迎えてくれたマスターの植木さん


 「あっ……ゴメンね、ハイいらっしゃい」


 ロン毛を後ろで縛った初老のマスターは、まだ客は来ないと思っていたのか上半身ハダカ。慌ててシャツを着ながら「今日は暑かったから、汗かいちゃってねー」と苦笑い……あ、シャツを着たらオシャレだ。空色のアロハシャツにピンクのジーンズ、ブルーのデッキシューズ。


 そしてメニューを開くと、何やら格言が。


 「我々は安酒を飲む為だけに大人に成った訳ではない。そして我々はファストフードを食べるために大人に成った訳ではない。悠々として生きたいものです。店主軽率」――どうやら粋な店にめぐり合ったようだ。


 1杯目はギネス。一息で飲み干し、2杯目はジェントルマンジャック(ジャックダニエルの兄貴分のような酒)のロックと、「本日のおすすめ」から、フルーツトマトのアールグレイ風味。そして、「これも良かったら」と出てきたのは、マスターが漬けたラッキョウ。ウイスキーとアールグレイ、ラッキョウが三位一体となり、絶妙に混ざり合う。




本日のおすすめ「フルーツトマトのアールグレイ風味」


 マスター・植木さんがここで店を開き、もう35年。だが植木さん、ここ六月のご出身ではなく、岐阜県の生まれだという。なぜ近くに駅もない、この街で店を?


 「姉がここに嫁いだのが縁でね。来てみたらなんとなく、居心地がいいんだよね」


 そうなのだ。この街は、なんとなく居心地がいい――僕だけじゃなく、マスターもそう感じていた。なんだか嬉うれしい。


 客がひとり、またひとりやって来る。どの客にも同じように植木さんは声をかけ、僕はジェントルマンジャックをもう一杯、また一杯と頼む。時間が緩やかに過ぎていく。


 店内に、木製のジュークボックスが。「いいでしょ? アメリカのやつみたいに派手じゃなくて」と植木さん、ドイツ製の年代物だそうだ。自然と好きな音楽や本の話題になり、ふと江戸川乱歩の話になる。僕がいちばん好きな乱歩作品は『芋虫』。「グロテスクだけど泣けるんです」と僕。「読んでいないなあ。アマゾンで買えるかな?」と植木さん。


 そして最後に意外な話を聞いた。


 「六月だけじゃないです。埼玉に<十二月の田んぼ>と書いて<十二月田しわすだ>っていう街もありますよ」


 え、本当に?


 というわけで12月のスキマ旅は、もしかしたら「十二月田」を歩くかも。そしてこの翌日、植木さんからメールが届いた。


 「『芋虫』買いました」


 足立区六月。この不思議な名前の街とは、長い付き合いになりそうだ――そう思った。


ELSIE MARLEY(エルシーマーリィ)

 東京都足立区六月2―21-18

 Tel:03-3858-3398

 営業:午後6時~深夜1時

 日曜定休


| 前編 | 後編 |


(2013年6月21日 読売新聞)


プロフィール




カベルナリア吉田


旅行ライター。1965年北海道生まれ。早稲田大学卒業後、読売新聞社、情報雑誌「オズマガジン」増刊編集長などを経て2002年よりフリー。沖縄や離島を舞台にした紀行文を単行本と雑誌で発表している。近著に「さすらいの沖縄伝承男」「絶海の孤島」「オキナワ マヨナカ」などがある。

Posted by 中 相作 - 2013.06.23,Sun

7月


書籍
江戸川乱歩傑作選
 江戸川乱歩
 平成25・2013年7月1日「ワタシの一行」プロジェクト開始
Entry


冊子
ワタシの一行 新潮文庫の100冊
 平成25・2013年7月 新潮社
椅子の中の恋!
Entry


ウェブニュース
INTERNET Watch
 平成25・2013年7月1日 Impress Watch
TPP交渉、著作権保護期間延長や非親告罪化を阻止するのは国民の関心
 鷹野凌
Entry


雑誌
グランドジャンプ 7月3日号
 平成25・2013年7月3日 第2巻第14号 集英社
江戸川乱歩異人館
 山口譲司
Entry


ウェブニュース
ぴあ映画生活
 平成25・2013年7月3日 ぴあ
『偽りの人生』特集:兄になりすました男の人生は “真実”か“偽り”か?
Entry


書籍
薔薇の鉄索 村上芳正画集
 画:村上芳正
 監修:田中幸一
 編:本多正一、堀江あき子、竹上晶
 平成25・2013年7月5日初版第一刷 国書刊行会
江戸川乱歩
Entry


ネット動画
YouTube
 平成25・2013年7月6日公開
『乱歩で散歩』丸ノ内編・第1回
Entry


ウェブニュース
web R25
 平成25・2013年7月8日 Yahoo! JAPAN
新潮文庫の100冊 今年は新展開
Entry


書籍
世界を変えた人たち365 生きる力を育てる新時代の伝記
 監修:田島信元
 平成25・2013年7月10日 永岡書店
3月18日 江戸川乱歩 推理小説というジャンルを日本でそだてた
Entry


書籍
森繁さんの長い影 本音を申せば6
 小林信彦
 平成25・2013年7月10日第一刷 文藝春秋 文春文庫
松本清張・1959
港が見える丘への道
Entry


ウェブニュース
KEJ Press
 平成25・2013年7月10日 コリアエンタテイメントジャーナル
生田斗真主演映画『脳男』 「富川国際ファンタスティック映画祭」で上映
Entry


ウェブニュース
毎日jp
 平成25・2013年7月11日 毎日新聞社
訃報:三井永一さん93歳=挿絵画家
Entry


ウェブニュース
毎日jp
 平成25・2013年7月11日 毎日新聞社
講演:乱歩賞作家・高野史緒さん、母校・土浦一中で 「挫折に夢のタネ」 /茨城
 福沢光一
Entry


ネット動画
YouTube
 平成25・2013年7月12日公開
『乱歩で散歩』丸ノ内編・第2回
Entry


ウェブニュース
ダ・ヴィンチ電子ナビ
 平成25・2013年7月16日 メディアファクトリー
酒を水で割って飲むほど貧乏しちゃいない? 粋人たちによる「ウイスキー」の愛し方
 成田全
Entry


ウェブニュース
BOOKSTAND
 平成25・2013年7月16日 博報堂ケトル、博報堂
"麻雀プロ"出身SF作家 「ロボット」がテーマの直木賞候補作
Entry


雑誌
グランドジャンプ 7月17日号
 平成25・2013年7月17日 第2巻第15号 集英社
江戸川乱歩異人館
 山口譲司
Entry


ウェブニュース
MSN産経ニュース
 平成25・2013年7月17日 産経新聞社、産経デジタル
藤野可織さん「ホラー映画を観ながら結果待ち」
Entry


ウェブニュース
BOOK asahi.com
 平成25・2013年7月18日 朝日新聞社
藤野可織さん 「ホラーは美しさの形態であり笑い」 芥川賞受賞会見
Entry


ウェブニュース
MSN産経ニュース
 平成25・2013年7月19日 産経新聞社、産経デジタル
藤野可織さん(33)第149回芥川賞受賞 少女の夢だった「おはなしを書く」
 山上直子
Entry


ネット動画
YouTube
 平成25・2013年7月20日公開
『乱歩で散歩』丸ノ内編・第3回
Entry


ウェブニュース
日本経済新聞
 平成25・2013年7月21日 日本経済新聞社
「青空文庫」一転曇り空? 作品数、大幅減の懸念
 蓬田宏樹、渋谷高弘
Entry


ウェブニュース
Phile-web
 平成25・2013年7月23日 音元出版
著名人90人のウイスキーに関する逸話を収録した注目新書「ウイスキー粋人列伝」
 季刊analog編集部
Entry


ウェブニュース
中日新聞 CHUNICHI Web
 平成25・2013年7月24日 中日新聞社
名張にコスプレ好き集まれ 27日に「撮影会」
 小西亮
Entry


書籍
屋根裏の散歩者
 江戸川亂步
 挿画:池田満寿夫
 平成25・2013年7月25日 藍峯舎
豆本因縁噺
 池田満寿夫
亂步の写真帖から
真珠社主人 平井通
 中相作
Entry


雑誌
文学 7、8月号
 平成25・2013年7月25日 第14巻第4号 岩波書店
座談会 浅草を語る
 木内昇、藤野裕子、ロバート・キャンベル、児玉竜一、十重田裕一(司会)
「尖端的だわね。」──『浅草紅団』の〈目〉
 高山宏
Entry


雑誌
立教大学日本文学 第110号
 平成25・2013年7月25日 立教大学日本文学会
江戸川乱歩「湖畔亭事件」の大衆性について : 谷崎潤一郎「白昼鬼語」との比較を通して
 宋玗炫
Entry


ウェブニュース
BOOK asahi.com
 平成25・2013年7月26日 朝日新聞社
ウイスキー粋人列伝 [著]矢島裕紀彦
 江田晃一
Entry


ネット動画
YouTube
 平成25・2013年7月27日公開
『乱歩で散歩』丸ノ内編・第4回
Entry


催事
紀田順一郎氏講演会
 平成25・2013年7月27日
 立教大学池袋キャンパス14号館6階(東京都豊島区西池袋3-34-1)
Entry


ウェブニュース
高知新聞
 平成25・2013年7月28日 高知新聞社
小社会
Entry

Posted by 中 相作 - 2013.06.23,Sun

雑誌

グランドジャンプ 7月3日号
 平成25・2013年7月3日 第2巻第14号 集英社
 平成25・2013年6月19日発売
 B5判 442ページ 定価330円(本体314円)

江戸川乱歩異人館
 山口譲司
 第23話〈異人ノ九 明智小五郎×虯女~黒蜥蜴~6〉 p265-286


 ▼集英社グランドジャンプ公式サイト:Home

Posted by 中 相作 - 2013.06.21,Fri

ウェブニュース

朝日新聞デジタル
 平成25・2013年6月19日 朝日新聞社

読者の右傾化?不満の表れ?「愛国エンタメ小説」が人気
 中村真理子、山田優
 Home .> 社会 > その他・話題 > 記事

2013年6月19日17時45分


読者の右傾化?不満の表れ?「愛国エンタメ小説」が人気




書店には百田尚樹さんのデビュー作「永遠の0」が並ぶ=東京・紀伊国屋書店新宿南店




本屋大賞を受賞した百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」が並ぶ書店=東京・紀伊国屋書店新宿南店


 【中村真理子、山田優】近頃、エンターテインメント小説に、愛国心をくすぐる作品が目立つ。なぜ、読者の心をつかむのか。


 安倍晋三首相も「面白い」と太鼓判を押す今年の本屋大賞受賞作、百田尚樹「海賊とよばれた男」は「日本人の誇りを失うな」と訴えかけ130万部超のベストセラーに。


 エンタメ小説の新人賞、江戸川乱歩賞は今年、最終候補5作のうち2作が太平洋戦争末期の日本軍を素材にしたミステリーだった。同賞事務局である講談社の担当者は「偶然、重なっただけだと思う」という。


 優れたエンタメ小説を選ぶ山本周五郎賞。先月の選考会で、受賞を逃した山田宗樹「百年法」について選考委員の石田衣良さんは「右傾エンタメのパターンを踏んでいて残念」と講評した。同作の舞台は不老不死が実現した世界。ゆがんだ社会を立て直すためリーダーは国のために犠牲になった先人らをたたえる。


 「右傾エンタメ」とは石田さんの造語。「君たちは国のために何ができるのか、と主張するエンタメが増えているような気がします」。百田さんの2006年のデビュー作「永遠の0(ゼロ)」から気になっていたという。同じ年、安倍首相の「美しい国へ」がベストセラーになった。


 「永遠の0」は、特攻で命を落とした祖父の人生を26歳の青年が追う物語。特攻隊の男たちの迷いや弱さに焦点をあてて、読者の支持を得た。ネットに読者が寄せたコメントは、命を落とした人々への尊敬と同情にあふれている。石田さんは「かわいそうというセンチメントだけで読まれているが、同時に加害についても考えないといけないと思う。読者の心のあり方がゆったりと右傾化しているのでは」。


 「永遠の0」がいわば骨太な愛国エンタメなら、現代の日本の自衛隊をラブコメで描く作品も人気だ。

Posted by 中 相作 - 2013.06.20,Thu

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日本経済新聞
 平成25・2013年6月17日 日本経済新聞社

ぬいぐるみと旅する女 出かけられない人たちの夢を代行 女子力起業(2)
 石鍋仁美
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ぬいぐるみと旅する女 出かけられない人たちの夢を代行 女子力起業(2)


編集委員 石鍋仁美


(1/3ページ)2013/6/17 6:30




ぬいぐるみのための旅行代理店「ウナギトラベル」の東園絵代表


 「押絵と旅する男」といえば、作家・江戸川乱歩が「私の短編のうちでももっとも気に入っているもののひとつ」と自負する小説だ。夕暮れ時、海岸沿いを走る列車の窓際。押し絵を外向きに立てかけ、額の中の人間たちに風景を見せている男がいる。不思議に思った主人公が近づくと、男が説明を始める。描かれた人間の正体は……。そんな幻想小説だ。


 ちなみに押し絵とは、紙や布に綿を詰めて人や花の形を作り、板などに張り付けたもの。平面の絵画と立体である人形やぬいぐるみとの中間的な作品だ。


■果たせぬ思いをぬいぐるみに託す人々


 今回紹介するウナギトラベル(東京・世田谷)を立ち上げた東園絵さん(38)が働いている姿も、知らない人から見れば、乱歩の小説に登場する男のように奇妙なものに映るかもしれない。何体ものぬいぐるみをカバンに詰めて持ち歩き、実際に列車の中で窓際に並べて彼らに風景を見せたり、公園で弁当を囲ませたりして、それを逐一、写真に撮るのが仕事なのだから。「先日も、街で警察の方に職務質問をされました」と笑う。


 ウナギトラベルは「ぬいぐるみのための旅行代理店」を名乗る。旅するのはぬいぐるみだけ。だから法律上は旅行会社ではない。まず、業務の流れを、あえて無機的に説明すると、こうなる。


 持ち主は、所有するぬいぐるみを東さんのもとへ宅配便などで送る。東さんは集まった何体かのぬいぐるみをカバンに入れ、時に東京都内を回り、時に列車で遠出をし、観光して歩く。各地の風景などを背景にぬいぐるみたちの写真を撮り、自社のフェイスブックに掲載する。持ち主はそれを見て楽しむ。ツアー終了後は、写真を紙焼きとCD-ROMにして、ぬいぐるみと共に持ち主へ送り返す。これで完了だ。


 この説明で、ふだんお気に入りのぬいぐるみと暮らしている人は「なるほど」と思うだろう。そうでない人は「?」という感じかもしれない。




ウナギトラベルの利用者はぬいぐるみに自分の思いを託している


 ツアーを申し込む人にとって、ぬいぐるみは単なるモノではない。ある人には、病気や忙しさなどで自由に動けない自分の分身。またある人には、亡くなった最愛の人の代わり。小さいときから一緒に生きてきた無二の親友という場合もある。ぬいぐるみのことも、「これ」ではなく、大抵は「この子」と呼ぶ。東さんのもとへ送るときに「こわれもの」や「天地無用」で送ってくる人もいる。


 車いすで暮らす人からの申し込みもあった。「自分の分身が自由自在に歩き、階段を自分の足で登り、同行する仲間と平等、対等に、丸くなって食事をしている。そんな姿を見たい」。そう申込書にあった。写真を送ると、感謝の手紙が来た。「自分も早く元気になって、同じ場所を旅したい」


ぬいぐるみと旅する女 出かけられない人たちの夢を代行 女子力起業(2)


編集委員 石鍋仁美


(2/3ページ)2013/6/17 6:30


■米国からの“旅行客”もご案内


 海外からの利用者もいた。黒沢映画が好きな米国人。「自分に代わり、お気に入りのぬいぐるみに日本を観光してきてほしい」。そういう依頼だった。日本茶を飲み、日本語の新聞を読み、相撲のけいこ場を訪れる。そんな写真をたくさん撮影した。いずれ自分自身で日本を旅したい。そう思うきっかけになればと東さんは願う。




金融業界での激務から「リセットしたくなった」ことが、人生の転機となった


 だから東さんの写真は、単なる記念写真ふうの構図、つまり名所を背景に1列に並んで、というものとは全く違う。生き生きと動き、食べ、語り合っている様子を、友達が横から、ちょっと写しました。そんな自然な絵柄を演出する。ぬいぐるみ自身はもちろん動かない。構図や写し方を工夫して動きを出すのだ。持ち主には、それぞれの「子」の性格や習慣をあらかじめ教えてもらう。それに基づき、活発なら活発に、おとなしい子はおとなしくと、ストーリーを組み立て、写真を撮る。


 依頼者の思いをくみ取る感受性と、現場でのきめ細かい工夫やアイデア。両方が必要となる。手の込んだ仕事といえる。


 東さんは、一直線に「起業」に向かって歩いてきたわけではない。10代のころは難民問題に関心があり、高校時代にはボランティアにも参加。国際機関への就職を希望し、上智大学では国際関係論を学んだ。ケニアの難民キャンプにも1カ月滞在。「まず、世界をマクロに見る視点を身につけたい」と、金融機関に進路を変え、三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)に総合職として就職。1998年のことだ。


 しかし金融業界には逆風が吹いていた。アジア通貨危機に山一証券の破綻。就職先も国際業務を縮小していく。2年目にドイツ証券の調査部門に転職し、証券アナリストとして3年半勤務。海外出張も多い。「あまりの激務でリセットしたくなり」、アジア経済を本格的に学ぼうと早稲田大学大学院へ。


■出会いとつながりが変える旅の意味


 銀行員だったころ、ITやゲームなどの分野で、銀行やコンサルティング会社の出身者がどんどん起業していった。「すごいなあ」と思っても、自分も、とは思わなかった。


 しかしドイツ証券で海外出張を繰り返す中で、ふと「旅」で起業できないか、という思いがわく。出張といえば仕事、買い物、食事。それだけでなく「現地の人などと、いい出会いの機会があり、つながりが増える仕組みがあれば、旅というものの意味や価値が上がるのではないか」。




ぬいぐるみとカメラを手に、街や観光地を駆け回る


 大学院時代には「付加価値のある旅」のビジネスプランをまとめ、起業家が集まる国際会議で見てもらったことも。そうした中で「自分も、人をつなげる仕事で、何か起業したい」との思いが育つ。コンサルティング会社を経て7年前に独立。東京・品川にあった洋館にオフィスを構え、日本に住む外国人起業家と日本人が交流する場を提供するというビジネスや、女性起業家の集まるイベントの運営などを手がけた。


ぬいぐるみと旅する女 出かけられない人たちの夢を代行 女子力起業(2)


編集委員 石鍋仁美


(3/3ページ)2013/6/17 6:30




ぬいぐるみの性格をくみ取って、構図などを練り上げる作品は、単なる記念写真とは違う


■分身「うなえ」の旅からひらめく


 「ぬいぐるみ」の持つ価値に気づいたのは6年前だ。うなぎが好きで、よくウナギ釣りをした。ふとタオルでウナギのぬいぐるみを作り、「うなえ」と名づけ、自分の分身としてブログに登場させた。やがて「うなな」「鰻鰻(ウーウー)」「ウナーシャ」と仲間が増え、彼らの「生活風景」を演出した写真がブログの顔になっていく。


 あるとき友人から「米国に出張するから、うなえを連れて行ってあげるよ」と申し出があった。預けると、現地から写真を送ってくれた。友人の視点で撮られた自分の分身の写真が新鮮だった。


 「こうした経験は、楽しみ、喜び、学びになるのではないか。特に、事情があって自分で旅をできない人にとっては」。まず知人向けの趣味的なサービスとしてスタートし、半年あまり前から本格的に外からの依頼を受け始めた。料金は「1人」3000円から4000円くらい。これまで累計で200人近くが利用した。9割が女性。30代から40代が多い。


 「ぬいぐるみの可能性は大きい」。最近、そう感じている。東日本大震災の被災地で仮設住宅をぬいぐるみたちと訪問するツアーも手がけている。訪れる先は、靴下などでぬいぐるみを作り、販売する女性たち。人間が大勢で行くより、双方にとってハードルは低いと感じる。支援の意味を込めて手製の作品を購入し、預かったぬいぐるみと返送するときに一緒に届ける。


■スカイダイビング、墓参り…… 広がる舞台


 車いすで暮らす依頼者からは、上京する機会に「会いたい」と申し出があった。利用者同士の会話がフェイスブックで始まった。ぬいぐるみが現実の人を結んでいく。京都と北海道、さらに欧州でも協力者が名乗り出てくれた。うまくいけば「旅」の舞台が広がる。


 旅の内容も、いずれスカイダイビング、墓参り、世界一周などへと、どんどん広げたいと思う。ぬいぐるみが、自分が行けないところに行き、できないことをやる。関心が広がる。心が癒やされる。可能であれば、いずれ自身でも追体験する。そうした流れをつくっていきたい。「誰かの心に突き刺さるサービスを作ってみたい」。昔抱いた夢が、少しずつ形になってきた。

Posted by 中 相作 - 2013.06.18,Tue

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 平成25・2013年6月15日 毎日新聞社

北の書棚:押野武志・諸岡卓真編著「日本探偵小説を読む 偏光と挑発のミステリ史」 /北海道
 尚
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北の書棚:押野武志・諸岡卓真編著「日本探偵小説を読む 偏光と挑発のミステリ史」 /北海道


毎日新聞 2013年06月15日 地方版


 (北海道大学出版会)


 ミステリー小説は、戦前から現在まで多くの読者に支持されている人気ジャンルだ。ところが、日本文学では「サブカルチャー的領域」に位置付けられ、あまり研究対象として扱われてこなかった。北海道大は近年、大学院文学研究科映像・表現文化論講座で、そのミステリーについて活発な研究を行っている。


 本書は、同講座で活動した気鋭の研究者9人が執筆した10論文を収録する。日本のミステリーを戦前、戦後1、戦後2、現代と4区分し、江戸川乱歩、坂口安吾、松本清張、横溝正史、赤川次郎、京極夏彦など、各時代を代表する12人の作家と作品について独自の視点で、その特質を読み解いている。


 編著者の押野武志教授は「ミステリーはそれぞれの時代を何らかの形で映し出す(反面教師的)鏡である」と解説。各論文を通読することで、作品が書かれた当時の社会背景や日本におけるミステリー小説の変遷が分かる。(尚)(320ページ、2520円)

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