こんちこれまた、武雄の変はその後どうよ、というと、いよいよ笑える展開ばい。
まず、日本図書館協会が5月28日付で見解を発表した。
▼日本図書館協会:武雄市の新・図書館構想について(2012年5月30日)
うーむ。
「公立図書館の管理運営の方法、形態は、それぞれの自治体が地域の実状に即して創造されるものですが、教育委員会が直接行うことを原則としております」とのことであるが、名張市の場合、えらいこっちゃな。
名張市教育委員会は、図書館を管理運営できるだけの見識なんて、正直、もちあわせておりゃせんのじゃからな。
なにしろ、つい最近まで、世に著作権なるものが存在する、ということを知らんかったわけやからな。
しかも、日本図書館協会の見解には、「指定管理者制度は『公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例で定めるところにより(中略)地方公共団体が指定するもの(指定管理者)に、当該公の施設の管理を行わせることができる』(地方自治法244条の2 第3項)と、例外としております」とも記されておる。
いやー、名張市役所のみなさんや、例外なんだってよ、例外。
名張市はもう、爪に火がともせるのであればなんでもよろしねん、とばかり、指定管理者制度に飛びついてしもうたわけやったけど、たぶん、例によって例のごとく、制度導入にあたっては、深い考えなんて、なんにもなかったのであろうな。
見解には、こんなことも書かれとる。
指定管理者に委ねることによって、図書館設置の目的が効果的に達成できることを示さなければなりません。図書館サービスと管理運営の現状を分析し、克服すべき課題を明確にし、その解決のためには指定管理者に委ねることが欠かせない、必要であることを明らかにすべきです。「骨子」には、"CCCが運営する書店のコンセプト及びノウハウを導入"とあり、「9つの市民価値」には"20万冊の知に出会える場所""蔦屋書店のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入"と抽象的です。図書館サービスに直接言及した改善点が希薄であり、明確ではありません。
な。
名張市は、「図書館サービスと管理運営の現状を分析し、克服すべき課題を明確に」したのであろうか。
そのうえで、「その解決のためには指定管理者に委ねることが欠かせない、必要であることを明らかに」したのであろうか。
そんなことは、たぶん、なかったと思う。
一にも二にも、爪に火がともせるのであればなんでもよろしねん、ということでしかなかったと思う。
そもそも、ここ名張市においてはじゃな、いやいや、いまは名張市ではなく、武雄市の話題をつづっていたのであった。
ともかく、日本図書館協会が、武雄の変にかんする見解を発表したわけね。
で、佐賀新聞がそれを報じた。
▼佐賀新聞:協会が示す「解明されるべき」6項目 図書館委託計画(2012年5月31日)
「荒唐無稽だ。懸念を言うだけでなく、対案を示してほしい。協会の要望には6月議会でこたえたい」という市長さんのコメントも掲載されておる。
でもって、市長さんのブログはどうよ、というと、こうよ。
▼武雄市長物語:日本図書館協会の見解は対案無しの荒唐無稽だ。(2012年5月31日)
寄せられたコメントであっさりたしなめられていらっしゃるありさまじゃが、ほんと、この市長さん、いったいなんなんだろうな。
なんなんだかはようわからねど、とにもかくにも、市長さんはなんつったって市長さんなのであり、その市長さんがじきじきに旗を振って進めていらっしゃるのだから、それも、市議会に条例案が上程されるところまで話が進んでおるというのじゃから、これはもう、武雄市図書館ツタヤ丸投げプロジェクト、実質的にはすでに本決まり、とみるべきなのであろうか。
武雄市の市議会議員の先生がたは、なにしろ市議会議員の先生がたなのであるから、やっぱ相当あれなみなさんでいらっしゃるのであろうなと推測される次第であって、だとすると、図書館は単なる無料貸本屋ではない、というあたりまえのことを理解していらっしゃる先生は、もしかしたらいらっしゃらないかもしれないなあ。
とか思って、武雄市の公式サイトにアクセスしてみたところ、武雄市の4月末現在の人口は五万一千とんで三十四人、これにたいし、市議会議員の先生はなんと二十六人もいらっしゃるではないか。
本気かよ。
名張市なんて、人口八万二千人ちょいで、議員先生の定数は二十人。
おとなりの伊賀市だって、人口は九万八千人ちょい、議員定数は二十八人、ということだったんだけど、ちょっと多くね? みたいな話が出て、二十四人に削減されることが決まったはずである。
伊賀市は、人口九万八千ちょい、議員定数二十四。
名張市は、人口八万二千ちょい、議員定数二十。
武雄市は、人口五万一千ちょい、議員定数二十六。
なんか、武雄市、多くね?
図書館でわけのわかんないことする前に、市議会まわりでやるべきことがあるんじゃねーの? とは思うけど、それはともかく、武雄市議会の二十六人の議員先生は、近く提出される市図書館・歴史資料館設置条例の改正案なんて、ろくに内容も理解しないまま、よろしおますなよろしおますな、そらほんまによろしおますな、としゃんしゃん賛成しておしまいになるのではないかしら。
そんなことになったら、どんなことになるのか。
いやー、手柄を立てたくて立てたくてしかたない市長さんが公共図書館の現状に敢然と異を唱えて新たな図書館システムの構築に邁進する武雄の変、ちなみにこの変ってのは、承和の変とか、慶安の変とか、桜田門外の変とか、そういった場合の変のつもりなんだけど、とにかくこの武雄の変、おもしれーからどんどんどんどん進めてもらおうか。
とか、ゆうとる場合か。
武雄市も武雄市やけど、名張市はどうよ。
いったいどうよ。
つづくのよ。
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