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平成24・2012年5月28日 産経新聞社、産経デジタル
高野史緒さん、江戸川乱歩賞 「懸案一つクリアした気分」
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2012.5.28 08:19
江戸川乱歩賞に決まった高野史緒さん
■あこがれの賞を見事に受賞
「ずっと引かれてきた賞なので、懸案が一つクリアできた気分です」。公募ミステリー賞の最高峰、第58回江戸川乱歩賞(日本推理作家協会主催)を射止めた高野史緒(ふみお)さん(45)は15日に東京都内で行われた会見で、そう喜びを語った。
茨城県生まれ。平成7年に日本ファンタジーノベル大賞で最終選考に残った『ムジカ・マキーナ』でデビュー。約18年のキャリアを持つプロ作家だが、「いったんSFというレッテルを貼られると、ミステリーのつもりで書いていても、読者がなかなか読んでくれない」のが不満だったという。昨年9月に東欧文学の作品集を編んだ際、知名度の必要性を痛感したことも重なって、あこがれの賞への挑戦を決めた。
受賞作「カラマーゾフの妹」(「カラマーゾフの兄妹」を改題)は、ドストエフスキーが構想した『カラマーゾフの兄弟』の第2部を書き継ぐ形で進む。従来の解釈を疑い、作中の父殺し事件の真相に迫る、という意欲的なミステリーだ。想像力を駆使してエンターテインメントに仕立てた筆力は「他の候補より頭一つ二つ抜けていた」(選考委員の東野圭吾さん)と評価された。
「『カラマーゾフの兄弟』には、ミステリー読みが読むと『(その犯人では)おかしい』という部分が何カ所かある。露文(が専門)の人たちに、『ミステリーをなめるな!』と言いたいですね」
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