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平成24・2012年5月26日 産経デジタル
【ヒューマン】浅野ゆう子、デビュー40周年へ
ペン:栗原智恵子
カメラ:春名中
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2012.5.26 05:05
【ヒューマン】浅野ゆう子、デビュー40周年へ(1/2ページ)
歴代の名優が演じた「黒蜥蜴」のオリジナル作品に、「私らしいセリフもあります」と目を輝かせる浅野ゆう子 =東京・六本木
来年デビュー40周年を迎える女優、浅野ゆう子(51)が6月1日から東京・明治座で上演される舞台「黒蜥蜴(とかげ)」(江戸川乱歩原作、24日まで)で3度目の座長公演に挑む。女盗賊、黒蜥蜴と名探偵、明智小五郎の対決を描いた不朽の名作は、これまで京マチ子(88)、岩下志麻(71)ら名だたる役者が演じてきた。浅野は「50歳を過ぎて新しいことにチャレンジできるのは女優冥利に尽きます」と新境地開拓に腕をぶしている。(ペン・栗原智恵子、カメラ・春名中)
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ミニスカートからスラリと伸びた脚を軽く組み、カメラに向けた妖艶な視線はまるで女盗賊、黒蜥蜴。「体中、筋肉痛でバリバリです。普段はペッタンコの靴なのに7センチのヒールの靴でけいこしていて…。本番は9センチになるので、舞台が暗転してはける(退場)ときにねんざをしそうで、命懸けですね」とニヤリ。
同作は07年、10年の「大奥」で演じた総取締役、瀧山に続く明治座3度目の座長公演。「黒蜥蜴」といえば京マチ子、岩下志麻、美輪明宏(77)ら名優が演じてきた。その大役を「プレッシャーはありました。私ができるのだろうか悩みました」と振り返り、「ただ、新しいものにチャレンジすることは、普通に暮らしていても50歳を過ぎるとそうはない素敵なこと。失敗したらゴメンなさいって感じですが」と意欲を見せた。
続けて、「大奥の瀧山(たきやま)は江戸幕府に一生を捧げたキャリアウーマン。日本初の女性総理ではないかというほどの権力と知恵を持って13代将軍家定のために生きた人。黒蜥蜴は自分の欲しい美しい物に人生を賭ける。盗賊をキャリアとして考えると、2人とも凛と一生懸命に生きた女性だと思います」と一気に語り、「私も常日ごろ凛と生きたいと思っているので、三者がそこでつながれば」と自らを重ね合わせた。
この潔い生き方は、歌手デビューした13歳のとき、すでに1メートル67あった長身に由来する。「まわりから『あんたなんか1人で生きていけるわね』なんて言われたこともありました。デカイ女がナヨナヨしても、かわいくないですからね。だったら、毅然と凛と生きていこうと思って」と10代で悟った。
デビュー当時からたくましく生きてきた浅野だが、今でも母親から小遣いをもらっている。「母にとって私はいつまでも子供。『お金を持っていると全部使い切るから』と、月1でもらっています。もらった分? すべて使い切りますよ」とおどけてみせた。
神戸で暮らす母親とは2、3日に1回、電話で他愛もない話をするのが楽しみのひとつになっている。そんな幸せを実感したのは17年前、「朝テレビで阪神大震災を知り、その後、母と連絡が取れずヤキモキしていました。午前10時ごろ、『とにかく無事だから安心して。後ろに人がたくさん並んでるから切るよ』と電話がありまして…泣いている母を見た学生の方が公衆電話の順番を譲ってくれたんです」と振り返る。
その後、母親は大阪の知人の助けで東京へたどり着いた。「学生の方も家族に電話をしたかったでしょうし、知人も仕事を置いて母を迎えに行ってくれた。人の温かさ優しさを知りました」。そう語ると、目は涙がにじんでいた。
そのときの感謝の気持ちを、東日本大震災の被災地へそっと送った。「昨年3月11日はちょうど実家にいたので、水やトイレットペーパーを買い、本名で被災地に送りました。人に優しくされるのはうれしいですから」としみじみ。
人の優しさを身を持って感じた浅野だからこそ、舞台の上でも輝きを放つ。「どんな生き方をしようと悔いは残ると思う。だったら元気なうちにいろんなことをして、1回しかない人生、楽しんでいきたい」ときっぱり。
最後に結婚について聞くと「ご縁なので、あれば」と笑った。
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