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Posted by 中 相作 - 2012.05.23,Wed

ウェブニュース

 

毎日jp

 平成24・2012年5月18日 毎日新聞社

 

歴史ウオーカー:/3 海賊王・九鬼嘉隆の鳥羽を歩く=長屋良行

 長屋良行

 Home > 地域 > 記事

 

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歴史ウオーカー:/3 海賊王・九鬼嘉隆の鳥羽を歩く=長屋良行

 

毎日新聞 2012年05月18日 中部朝刊

 

 ◇“海城”としての威勢残る鳥羽城

 「目立ってなんぼ」の戦国武将の中でも海賊王、九鬼嘉隆(よしたか)の存在感は抜群だ。織田信長に仕えると、捕鯨で鍛えた操船術で数々の海戦を勝ち抜き、ついには、当時最強といわれた毛利水軍を鉄甲船で撃破。この勝利によって、信長は天下をほぼ手中に収めた。そんな九鬼水軍の拠点が三重県鳥羽市にある。

 

 今回はJR鳥羽駅からスタートだ。駅前の商店街を抜け、赤福がある交差点を右に曲がると岩崎通に入る。マリンパークの向かいに鳥羽市歴史文化ガイドセンターがある。ここの2階では「九鬼嘉隆水軍展」が開催されており、資料の入手や道案内に役立つ。

 

 岩崎通に戻り先を急ごう。ひなびた港町の風情と潮の匂いが心地よい。1キロほど歩いた所に案内板があり、左に曲がると常安寺がある。嘉隆の息子、守隆(もりたか)が慶長12(1607)年に父の供養のために建立した。境内には、嘉隆が寄進した石灯籠や鰐口(わにぐち)、九鬼一族の廟所(びょうしょ)がある。鯱(しゃち)の瓦と九鬼氏の家紋である巴紋と七曜(しちよう)紋が、何とも印象的だ。

 

歴史ウオーカー:/3 海賊王・九鬼嘉隆の鳥羽を歩く=長屋良行

 

毎日新聞 2012年05月18日 中部朝刊

 

 常安寺を訪れた後は、Uターン。大里通を歩き鳥羽城跡へ向かう。旧遊郭街の風情が残る細い路地には、江戸川乱歩や画家、岩田準一ゆかりの「鳥羽みなとまち文学館」や真珠王、御木本幸吉生誕の地がある。乱歩の独特の世界観が、この地で育まれたことがリアルに実感できる。

 

 さて、鳥羽城跡へは鳥居のある階段から登城しよう。この城は本丸、二之丸、三之丸で構成された平山城で、鳥羽駅前の小山をまるごと使っている。現在は、山麓(さんろく)に国道が走っているが、当時は海に向かって大手門を設け、麓(ふもと)は断崖絶壁。海に浮かぶ“海城(うみじろ)”として、まさに海賊王にふさわしい威勢を誇っていた。建物は現存しないが、今でも石垣や土塁跡が残り、縄張りの全形を把握することができる。

 

 まず二之丸跡の大山祇(おおやまずみ)神社で参拝し、家老屋敷跡の横の階段を上る。本丸跡は空き地になっており、最近まで鳥羽小学校のグラウンドとして使われていた。

 

歴史ウオーカー:/3 海賊王・九鬼嘉隆の鳥羽を歩く=長屋良行

 

毎日新聞 2012年05月18日 中部朝刊

 

 ここで一息ついて鳥羽湾を眺めていただきたい。小さな島々が幾つも浮かび、リアス式海岸ならではの美しい眺望が広がる。天気の良い日は、知多半島や渥美半島の向こうに富士山が見えることもあるそうだ。

 

 信長が倒れた後、豊臣秀吉に仕え、全国の水軍を束ねた嘉隆。関ケ原の戦いでは西軍につき、東軍についた息子と敵味方に分かれ、最期は西軍の敗戦で自害する。親子の「情」よりも、主君への「忠」を重んじた戦国武将の生き様が、ここにある。=次回は6月1日掲載

 

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 ★ガイド

 

▽鳥羽市歴史文化ガイドセンター(入場無料)9~16時。観光ガイドの無料サービスもある▽鳥羽みなとまち文学館(入場無料)平日10~15時、土日・祝日10~16時半。休館日は火・水曜。

 

 ★ゴール後の交通手段

 

 ▽近鉄「中之郷」駅、または近鉄・JR「鳥羽」駅まで、いずれも徒歩約10分。

 

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 ■人物略歴

 

 ◇ながや・よしゆき

 広告会社「三晃社」勤務。03年に武将観光を発足させ、「名古屋おもてなし武将隊」(名古屋市)などを企画。著書に「古地図で歩く城下町なごや」「東海戦国武将ウオーキング」。

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