紙からウェブへ、という時代の趨勢は、名張市役所のみなさんにも、ご理解いただけているものと仮定して、そのつぎには、そういった趨勢を主体的に考えられるかどうか、という問題が生じてくる。
きのうも書いたけど、行政情報の提供は、広報紙すなわち紙媒体だけ、という時代から、とっくの昔に、紙でもウェブでも、という時代になっていて、いまや、市勢ガイドは紙がなくてウェブだけ、まさしく、紙からウェブへ、ということになってしまった。
これすなわち、時代の趨勢を主体的に考えた結果だ、ということができるだろう。
ま、あたりまえっちゃ、あたりまえの話であって、日本全国津々浦々、インターネットを利用して行政情報を発信していない自治体なんて、たぶん、存在しないのではないか。
つまり、行政情報の発信、みたいなレベルのことなら、お役所のみなさんにも、紙からウェブへ、という時代の趨勢に主体的に乗っかっていただくことが可能であった、ということになる。
ところが、ちょっと畑のちがうことになると、もうだめ。
全然だめ。
わしはもちろん、名張市立図書館における乱歩関連情報のことをゆうとるわけなんやけど、収集した資料を死蔵しとくのやなしに、書誌情報なりなんなり、インターネットを利用して全国に発信する、なんてのは、ごくごくあたりまえのことであって、てゆーか、日本でただひとつ、乱歩関連資料の収集、なんてことやっとるわけなんやから、ただただぼーっとしとるんやなしに、それなりのことをせにゃおえんぞな、お役所のみなさんの辞書には、使命、とか、責務、とか、そういったことばは収載されておらんのかもしれんけど、乱歩関連資料の収集を図書館のメインテーマとして掲げたのであれば、古本屋さんから買ってきた本を飾っとくだけ、というのでは、さすがにまずいんだけど、とにかくもうね、主体的に考える、ということをいっさいせんのやから、つか、ちゃんと考えて、ちゃんと決める、ちゃんと決めたことは、ちゃんと実行する、ということがまったくできんのやから、びっくりするくらいおそまつなことしかできんわけよ。
げんに、市勢ガイド、みてみんせ。
な。
「また、名張市立図書館には、館内に江戸川乱歩コーナーを常設。乱歩の著書や色紙、原稿などの遺品を展示しています」と書いちゃるやろ。
しつこくもいうけど、図書館の本分は、展示なんぞじゃありゃせんのやき。
ところが、資料は読むもんや、ゆうことが、名張市立図書館にはわかっちょらんのやき。
せやけ、どうしたっち、展示でございます、陳列でございます、みたいなことを、ちまちまちまちましたご町内感覚にもとづいて、広い世間にゃ背を向けて、うわっつらだけとりつくろって、こそこそお茶ばにごしますばい、みたいなことしかようせんわけやき。
そういえば、この投書にも、「名張市発の情報発信が足りないと感じます」と書かれておったな。
▼伊賀タウン情報YOU:「なぞがたりなばり」の情報 まだ?
ところで、名張市からの回答に、「12年度には、乱歩狂言の公演なども検討しており」とあったけど、それはもしかして、これのことかな。
▼2012年2月10日:狂言:乱歩原作、名張市が制作・上演 東京・豊島、宮城・塩釜でも 「夏能」休み事業費で /三重
しかし、いま、塩竈市でなんか上演する、ゆうたら、狂言やのうて、やっぱ、能じゃね?
▼朝日新聞デジタル:世阿弥の能、600年経て舞台に 自筆本を2年かけ研究(2012年4月10日)
▼YOMIURI ONLINE:世阿弥「阿古屋松」600年ぶり復曲 京都で公開稽古(2012年4月10日)
▼朝日新聞デジタル:山形舞台 世阿弥の「阿古屋松」(2012年4月11日)
能楽発祥の地でございます、とか、観阿弥創座の地でございます、とか、そういったことを売りにするのであれば、塩竈明神が登場する世阿弥の能をお届けにまいりました、みたいなことにしたほうが、かっこよくね?
塩竈といえば、乱歩がらみでこんなものもあったよね。
▼長井勝一漫画美術館:イベント最新情報
3月6日から18日まで、塩竈市の長井勝一漫画美術館で「江戸川乱歩×丸尾末広の世界 パノラマ島綺譚」が開催されたんだけど、名張市はこの催しにからんだのかしら、からまなかったのかしら。
なんか、からまなかったっぽいけど、からんでもよかったっぽいと思う。
てゆーか、それこそ、乱歩都市交流会議をからませる、という手もあったっぽい、と思うんだけど、あれはまあ、乱歩都市交流せん会議、っぽいから、とても無理であっただろうな。
いやいや、閑話休題。
発信すべき情報があるにもかかわらず、なーんにもしようとせず、市民からは「名張市発の情報発信が足りないと感じます」などと苦言を呈されたりもする始末ではあったけれど、名張市もついに、ようよう、こういうことになたあるよ。
なたあるよ、なたあるよ、とかいってるうちに、4月ももう中盤である。
そろそろ本格始動して、紙からウェブへ、時代の趨勢に主体的に棹をさして、インターネットを利用した情報発信、とかいうやつに着手しなければならんなあ。
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