きょうで、3月もおしまいだ。
あしたから、新年度だ。
なんか、小学生の作文みたいだ。
さて、名張市の3月定例会も26日、新年度一般会計当初予算案など全議案を原案どおり可決して、つつがなく閉会した。
予算ってのは、こんな感じ。
▼伊勢新聞:<まる見えリポート>名張市の財政赤字 経費削減は十分か(2012年3月4日)
うーむ。
赤字だ。
当初予算、いきなり赤字だ。
新年度には、財政調整基金、ほぼ全額を取り崩す、ってか。
今年度、というのは、きょうで終わってしまう年度のことだけど、今年度には、残っていた財政調整基金約五億円のうち、約四億円を取り崩した、ってか。
その四億円のうち一億五千万円は、斎場問題がらみ、ってか。
うーむ。
母さん、名張市民の八億六千万円、どうしたでせうね? の一件が、名張市の財政に深刻な影を落としている、ゆうわけやね。
いやいや、八億六千万じゃなかとよ。
金額はさらにふくれあがって、母さん、名張市民の八億九千五百万円、どうしたでせうね? ということになったのであった。
いやいや、それでもまだだめ、ということであったか。
なんのことだかよくわかんない、とおっしゃるかたのために、ごく簡単に説明しておくと、名張市が昔、市内某所の土地を、九億八千万円で購入したわけね。
しかし、諸事情あって、そんな土地、もう要らね、ということになった。
で、その土地を、売りに出すことにした。
気になるお値段は、なんと驚きの一億二千万円。
九億八千万円で買ったものを、一億二千万円で売る。
差し引き八億六千万円が、むざむざ消えてしまうことになる。
だから、母さん、名張市民の八億六千万円、どうしたでせうね? ということになったのじゃが、結局、売れなかった。
しかたないから、もっと勉強させてもらいまっさ、ということで、一億二千万円を八千五百万円に値下げした。
だから、さらに三千五百万円が飛んでしまうことになり、母さん、名張市民の八億九千五百万円、どうしたでせうね? となった。
ところが、これでも売れなかった。
だから、かりに、このままずーっと、売れない、となると、母さん、名張市民の九億八千万円、どうしたでせうね? ということになる。
九億八千万円、つまり、ほぼ十億円である。
十億円でっせ、十億円。
十円置くんちゃいまっせ。
あいやー、ベタなパクリもちょとあるよ。
しかし、なんなんだろうね。
なんでこんなことに、なったんだろうね。
九億八千万円で買った土地、どうして八千五百万円で売りに出す、みたいなことになったんだろうね。
あるいは、八千五百万円でも買い手がつかないような土地、どうして九億八千万円も出して買わなきゃならなかったんだろうね。
腑に落ちないことはいろいろあるけど、そりゃまあ、こんなことやってたら、財政難にもなるわな、というのは、なんとなくわかる。
それにしても、この記事、斎場問題以外にも、「公務災害認定期間中、居酒屋に出入りしたとして、懲戒免職処分となった元消防士の男性が処分の取り消しを求めた訴訟」だの、「市職員による市立看護専門学校の公金着服問題」だの、「架空の請求書に基づき、火災のがれき処理費を不正に支出した問題」だの、不祥事のオンパレードではないか。
さらに、「臨時職員に正規職員と同様の仕事を任せている」問題も指摘されていて、名張市役所でもそろそろ、同一労働同一賃金、とかいったようなことを考えるべき時期に来ているのではないか。
だいたいが、あれだぞ、正職員よりも臨時職員のほうがよっぽど有能だ、みたいな例は、そこらじゅうに転がっているのではないか。
てゆーか、わしが名張市立図書館で嘱託やっとったときには、おめーはいくらなんでもつかえなさすぎ、みたいな正職員、名張市役所のあちこちにごろごろしとったぞ。
いやほんと、「手ェ置いてくれましたわ、手ェ置いてくれましたわ」と周囲の職員を感動させた管理職、みたいなかたもいらっしゃった。
どういうことか、というと、その管理職のかたは、ただぼーっとしている、というだけの人材であった。
机にすわって、両腕をだらーっと垂らして、斜めうえあたりの虚空をにらんで、ただ、ぼーっとしている。
どこからどうみても、お仕事をしているような気配は、微塵も感じられない。
ちょっと、まずい。
だが、あからさまに注意することなんて、とてもできない。
だから、やっべーなーあの管理職、あんな姿を市民に目撃されたら、まーたYOUに投書されんじゃね? と周囲は戦々恐々としていたのであったが、ある日のこと、その管理職が、きのうまでだらーっと垂らしているだけだった両腕を、みよッ、机にしっかと置いたではないか。
机にはバソコンが設置されているから、両手を机に置きさえすれば、上体はやや前傾姿勢となり、うつろな眼でバソコン画面をぼーっとながめているだけでも、一見、お仕事をしているようにみえるのである。
やったぞ、やったぞ。
管理職の周囲は、驚きと喜びにあふれた。
「手ェ置いてくれましたわ、手ェ置いてくれましたわ」
祝福をこめたささやきが、庁舎内に静かにひろがっていった。
桜の花も終わろうとするころの、ある晴れた日の午後のことであった。
あのかたもとっくに定年退職されて、いまごろは悠々自適の毎日を送っていらっしゃるのであろうな。
よきかな、よきかな。
ところで、じつは妙に人気があったりする名張市立図書館のかつての副館長、つまり、『乱歩文献データブック』と『江戸川乱歩執筆年譜』を両手に携えて、
「これ二冊ありますけどさなあ、こっちとこっち、表紙は違いますわてなあ。せやけど、中身はほれ、どっちも字ィ書いてあって、二色刷で、ふたつともおんなじですねさ。これ、こっちとこっち、どこが違いますの」
と尋ねてきてくれたかたなのじゃが、このエピソードからも知れるとおり、ほんとに正直なかたであって、ご閲覧各位のあいだで妙に人気があるのも当然かもしれないんだけど、この元副館長もまた、定年退職されて悠々自適の毎日でいらっしゃるのであろうな、と思っていたところ、定年で退職したあと再雇用されて、その再雇用期間も終わってついにきのう、最終的に退職なさったとのことであった。
いやー、どうもご苦労さまでした、と申しあげておきたい。
さて、まあ、なんつか、いろいろあって、不祥事にまみれ、財政難にあえぎつつ、衰退と縮小の下り坂をえらい勢いで転がり落ちつづけているわが名張市は、ほんと、これからどーなるんだろーなー、とか、市民のひとりとして、とっても心配ではあるんだけど、そげなことはまあいいとして、幻影城プロジェクトはいったい、どぎゃんなるのかというと、おかげさまで、なんとか、ようよう、かろうじて、あす始動、ということになった。
おら。
おらおら。
おらおらおらおら。
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