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平成24・2012年3月9日 森ビル
ぼっ、ぼっ、僕らは少年探偵団!
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更新日 : 2012年03月09日 (金)
<開催期間>
2012年3月7日(水)~2012年5月中旬(予定)
小説の中に出てくる遠藤平吉の名前をはっきりと覚えている人は皆無とは言わないまでも、それに格別の思い入れを持っている人は極めて少ないことでしょう。
では〈怪人二十面相〉の呼び名はどうでしょうか。かなり多くの人びとは、それが江戸川乱歩の『少年探偵団』に登場する大変重要なキャラクターであり、この作品のヒーローである探偵明智小五郎とその助手小林少年のライバルで、物語に不可欠な人物であることを知っているはずです。そして、多分もっと多くの人たちは、それが物語の登場人物であるとはつゆ知らずに慣用句として使っています。
乱歩がその物語を書き始めて75年、書き終えて今年で50年になります。『少年探偵団』が長期にわたって少年雑誌に連載されたり、映画化されたり、TVドラマで放映されたりして、小中学生にもてはやされてきたことから、子ども向けの作家という印象が強いのですが、かつては「探偵小説」と呼ばれ、その後「推理小説」となった、エンターテイメント小説の元祖であり、戦前戦後の二つの時代を巨匠として意欲的に創作活動を続けた作家でもあります。
故人でもあり、また巨匠ということで、最近ではあまり華々しく話題になることはありませんでしたが、最近『少年少女昭和ミステリ美術館』(平凡社)が刊行され、初版『少年探偵青銅の魔神』の表紙がそのカバーを飾っているのを見て、少年・少女時代を思い出した人たちがたくさんいたようです。
乱歩の創作活動は、池袋の立教大学に隣接した邸宅でなされていました。同大学は2002年にその邸宅を入手し、そこに大衆文化研究センターを開設しました。今回の展示は、同センターの全面的なご協力の下で、江戸川乱歩旧蔵書から『少年探偵団』と『名探偵明智小五郎』の貴重な旧版をご提供頂いております。
企画・監修 澁川雅俊 (ライブラリーフェロー)
主 催 アカデミーヒルズ ライブラリー事務局
協 力 立教大学 江戸川乱歩記念 大衆文化研究センター
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