それでまあ、試しに作品データをつくってみた。
とりあえず、思いつくまま。
冒頭の番号は、いってみれば整理番号。
モーツァルトでいえば、ケッヘル番号、みたいなことになるか。
乱歩の文業の全容を明らかにするには、やっぱ時系列を基準に作品を整理してくのがよろしかろうから、大正12年、すなわち1923年の4月1日に発表された「二銭銅貨」は「1923-04-01-a」ということにしてみた。
1923-04-01-a
二銭銅貨
タイトルよみ:ニセンドウカ 備考:タイトル横に、創作探偵小説/末尾に、(一一・一〇・二) 挿画:3点
掲載 誌名:新青年 巻号:4月春季増大号 第4巻第5号 刊行年月日:大正12年4月1日 出版者:博文館 東京 ページ:244-253
収録 1925-07-18 心理試験 創作探偵小説集1 春陽堂 大正14年 1927-10-05 江戸川乱歩集 現代大衆文学全集3 平凡社 昭和2年 1929-07-27 乱歩集 世界探偵小説全集23 博文館 昭和4年 1931-06-10 江戸川乱歩全集1 平凡社 昭和6年 1932-06-15 心理試験 春陽堂 昭和7年 1935-06-30 陰獣 乱歩傑作選集7 平凡社 昭和10年 1939-09-25 石榴 江戸川乱歩選集10 新潮社 昭和14年 1944-04-30 くろがね叢書17 くろがね会 昭和19年 1946-06-10 二銭銅貨 平凡社 昭和21年 1947-05-25 屋根裏の散歩者 有厚社 昭和22年 1948-10-20 心理試験 春陽堂 昭和23年 1950-02-20 芋虫 岩谷書店 昭和25年 1950-03-10 江戸川乱歩集 現代大衆文学全集 春陽堂 昭和25年 1951-04-30 湖畔亭事件その他 改造社 昭和26年 1951-05-15 心理試験 河出書房 昭和26年 1952-09-30 心理試験 春陽堂書店 昭和27年 1955-06-10 江戸川乱歩全集9 春陽堂 昭和30年 1956-06-25 二銭銅貨 心理試験 日本点字図書館 昭和31年 1956-07-20 江戸川乱歩集 探偵小説名作全集1 河出書房 昭和31年 1956-11-30 犯罪幻想 東京創元社 昭和31年 1957-12-05 陰獣 江戸川乱歩文庫22 春陽堂書店 昭和32年 1958-06-30 現代推理小説集 現代国民文学全集27 角川書店 昭和33年 1958-09-25 暗黒星 名探偵明智小五郎文庫7 ポプラ社 昭和33年 1959-12-20 心理試験 春陽堂文庫出版 昭和34年 1960-04-10 江戸川乱歩集 日本推理小説大系2 東都書房 昭和35年 1960-12-24 江戸川乱歩傑作選 新潮社 昭和35年 1961-10-10 江戸川乱歩全集1 桃源社 昭和36年 1962-03-30 江戸川乱歩名作集7 心理試験 春陽堂書店 昭和37年 |
収録は、このあともまだまだずーっと増えてゆくわけで、英訳なんかも視野に入れなければならないし、乱歩ふうにいえば雑誌にアンコールされたものも記載しなければならないのだが、とりあえず『江戸川乱歩著書目録』で簡単に調べがつく範囲内において、なおかつ乱歩生前の刊行分にとどめた。
収録された書籍のタイトルには、それぞれの書誌データをリンクしておくことが望ましいが、一気にそこまでは手がまわらない。
初刊の『心理試験』には、国立国会図書館の書誌データをリンクしてみた。
大正12年4月1日に発表された乱歩作品は、もうひとつある。
そっちのほうは、「1923-04-01-b」ということになる。
1923-04-01-b
探偵小説に就て
タイトルよみ:タンテイショウセツニツイテ 備考:末尾に、(十二年二月六日) 改題:処女作「二銭銅貨」のあとに
掲載 誌名:新青年 巻号:4月春季増大号 第4巻第5号 刊行年月日:大正12年4月1日 出版者:博文館 東京 ページ:266-267
収録 1931-06-10 江戸川乱歩全集1 平凡社 昭和6年 *改題 1979-03-20 幻影の城主 江戸川乱歩全集17 講談社 昭和54年 *改題 1988-05-06 奇譚/獏の言葉 江戸川乱歩推理文庫59 講談社 昭和63年 *改題 1995-06-02 謎と魔法の物語 江戸川乱歩コレクション6 河出書房新社 平成7年 *改題 2005-10-20 悪人志願 江戸川乱歩全集24 光文社 平成17年 *改題 |
この作品は収録分、すべて拾ってみた。
収録された書籍にも発行日にもとづいて番号をつけてみたんだけど、作品データの番号と区別する必要があるな、と気がついた。
しかし、こうなると、長篇の連載は、ちょっと難儀なことになるか。
たとえば「怪人二十面相』なんて、十一回にわたる連載だから、第一回は「1936-01-01」、第二回は「1936-02-01」となって、全部で十一。
しかも、1936年1月1日に発表された乱歩作品は、「怪人二十面相」のほかにも、「緑衣の鬼」の第一回、それから随筆や評論が数点あって、なんか、整理番号が大変なことになるかもしれない。
それに、よくよく考えてみたら、新聞連載なんてのもあるわけだから、それを一日単位で追っかけて、「一寸法師」の第一回は「1926-12-08」、第二回は「1926-12-09」とか、そんなふうにしてかなきゃなんないわけか。
そうなるともう、はっきりいって、正気の沙汰ではないぞなもし。
いやー、えらいことじゃ。
お試しでいきなり、思いきり、つまずいてしまったではないか。
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