いやー、ほんと、固唾を呑む毎日だ。
わしといっしょに固唾を呑んでくださっている諸兄姉には、なんとも申しわけないような気分である。
しかし、ここでなんとか踏みこたえないことには、名張市立図書館における乱歩なるものが、完全に終わってしまうからなあ。
ただし、名張市立図書館は、そんなこといっさい意に介さない。
それはまさしくそのとおりである、ということは、例の寄贈図書の一件であらためて浮き彫りにされたわけなんだけど、あれは実際、ちょっと信じらんないくらいにひどい話であった。
しかし、そのひどい話が、名張市のお役人さまにとっては、ごくふつうであたりまえのことなの。
なにも考えないことにしている。
できるだけ働かないようにしている。
それがふつうであり、あたりまえである、というのがお役人さまの世界なわけね。
まったくぶれない、といえばまさしくそのとおりで、わしが知るかぎり終始一貫、名張市立図書館は乱歩にかんしてなにも考えてこなかった。
開館準備の段階で、乱歩関連資料を集めよう、と思いつき、移転改築の段階で、館内に乱歩コーナーを設けよう、と思いついて、ただそれだけ。
ごく適当に、乱歩関連の古書を買いあさって、それでよしとしていた。
乱歩コーナーに、集めた古書や乱歩の遺品を展示して、それでよしとしていた。
要するに、本は読むものだ、ということがわかってなかった。
図書館の収集資料は、読んだり、知ったり、調べたりするためのものだ、ということがわかってなかった。
蟹は甲羅に似せて穴を掘る、ということばがあるけど、お役人さまに穴を掘っていただくと、無能と怠慢に合わせた穴しか掘ってくんないわけ。
乱歩の本を集める、と決めたのであれば、乱歩がどんな本を出したのか、それを調べることが穴掘りの第一歩だ、なんてのは名張小学校のよい子たちにも理解してもらえる理屈だと思うんだけど、お役人さまにはそれがわからない。
ただただ無能と怠慢を決め込むばかり、すなわち、なにも考えず、できるだけ働かない、という二大原則を死守するばかりだったわけね。
ほんとにね、なにも考えてこなかったの。
その意味では、みごとなまでに、ぶれがない。
しかし、いうまでもないことだけど、そんなことじゃよろしくないわけね。
図書館における資料の収集と活用とは、つねにワンセットで考えられるべきものであって……
いやいや、こんなことを十年一日のごとくぼやいておったって、どうにもならんな。
ほんとにどうにもならんから、わしゃ「市長への手紙」で市長に直談判、というよりは直訴、というよりは愁訴嘆願、そういう非常手段に訴えたわけじゃ。
ひとことでいえば、市長ご自身の責任において、わしを生かすのか、殺すのか、それをご判断いただきたい、というのがわしの訴えじゃ。
いやいや、生かすとか、殺すとか、なんとも剣呑になってきたのは、ちょいとまずいかな。
頭を冷やしたほうがよさそうだから、本日はこれまでとする。
固唾を呑みつつ、あすのエントリをお待ちいただきたい。
それにしても、きょうは頭を冷やすのにうってつけの寒さみたいだね。
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