いかん。
いかんいかん。
こんなことではいかん。
ふと思いついてしまったから、幻影城プロジェクトの幻影、などというエントリタイトルにしてしまったが、幻影に終わってはいかんのだ。
なんとか実現させないことには、不肖サンデー、死んでも死にきれんぞ。
だから、とにかく市長にお願いし、おすがりして、幻影城プロジェクトを軌道に乗せたいと切に念じておる。
しかしまあ、実際のことをいえば、名張市立図書館や名張市教育委員会にまともな判断力さえあったなら、いちいちこんなブロジェクトを企画する必要なんかなかったんだけど、なにしろ、あんな状態じゃからな。
名張市立図書館なんて、寄贈図書をどうすりゃいいのか、そんなことさえ考えられねーんだぞ。
まともな判断なんて、とても望めない。
だからわしは、1月6日に送信した「市長への手紙」で、切々と訴えたわけな。
では、1月6日付エントリ「懐かしのパブリックコメント」に引用した「市長への手紙」のつづき。
以上、ご回答をいただくべく記しましたが、お答えになりにくい質問もあろうかと思われますし、また、過去のことをお尋ねしてもあまり意味はないかもしれません。
ですから、これまでに記した質問は、すべて却下することにいたします。
お読みいただくだけで、お答えをいただかなくても結構です。
な。
意外な展開じゃろう。
ミステリ講演会のことも、寄贈図書のことも、すべて不問に付したわけじゃ。
ただし、市当局はそれぞれの問題、すなわち、ミステリ講演会の終了を公表すること、あるいは、寄贈図書を活用する気はないと図書寄贈者に伝えること、そのあたりのことはちゃんと進めてもらわなければなんねだ。
さて、このあとにどんな展開が待っておるのか。
つづきまして、ぜひとも貴職のご判断を仰ぎたい件について、以下に記します。
ご判断を仰ぐ、というよりは、お願いを申しあげる次第です。
名張市立図書館の乱歩関連資料にかんするお願いです。
上に記しました寄贈図書の問題も含め、現在の名張市立図書館において、乱歩関連資料の収集と活用が正常に行われているとはとても認められません。
乱歩関連資料を収集するためには、乱歩作品を読み、乱歩について知ることが不可欠ですが、そうした作業がいっさいなされていないため、収集は有名無実なものとなり、活用はまともに検討されたこともないありさまです。
私はかつて、先述のとおり目録三冊を編纂し、そのことによって乱歩関連資料の収集と活用に明確な方向性を与えたと自負しているのですが、のちに名張市教育委員会からその方向性を否定されるにいたりました。
そうじゃ。
ひどい目に遭わされたんじゃ。
当時の教育次長から、おめーの考えてるとおりになんかしねーんだよ、などといわれてしもうてな。
もとより公務中のご発言であって、だったら名張市教育委員会の考えを聞かせてくんない? とお願いしたのじゃが、梨のつぶてであった。
しかし、こうなるともう、わしゃ名張市立図書館になんかいられないよね。
インターネットを利用したデータベース構築の提案が受け容れられず、そのうえ、資料収集の方向性まで否定されたとなると、嘱託をやめろといわれているようなものです。
ほかにも大きな理由があって、図書館嘱託を辞任いたしましたが、名張市立図書館が乱歩関連資料の収集と活用を等閑視しつづけているのは、やはり放置すべきことではないと考えております。
また、開館から四十年以上にわたって乱歩関連資料を収集し、館内に乱歩コーナーまで開設している公共図書館が、じつは乱歩のことをなにも知らず、乱歩や乱歩作品にかんする問い合わせに答えられないというのも、望ましいことではないと思われます。
のみならず、寄贈図書をどうすりゃいいのか、そんなことも考えらんないわけよ。
ここで、ややさかのぼって話をいたしますと、私が乱歩資料担当嘱託を拝命したのは、名張市立図書館から、乱歩にかんしてなにをしていいかわからない、と相談を受けたからです。
名張市立図書館は開館準備の段階から乱歩関連資料の収集をつづけていましたから、乱歩にかんしてなすべきなのは、なによりも収集資料の活用であり、その第一歩となるのは目録の作成でした。
そこで、収集資料にもとづき、未収集分の調査も進めて、目録三冊を編纂発行しました。
この目録は乱歩作品にかんする基礎資料として高い評価を得ており、たとえば昨年11月に刊行された紀田順一郎さんによる乱歩の評伝『乱歩彷徨』でも参考文献としてあげていただいております。
三冊の目録を発行したことで、乱歩の関連資料を専門的に収集している全国でただひとつの公共図書館として、名張市立図書館は乱歩のファンや関係者からそれなりの期待を寄せていただくようになりましたが、現在の市立図書館はそうした期待に応えることができておりません。
乱歩のデータベースをネット上に構築する構想が実現しなかったことは先に記しましたが、当時に比べてインターネットはますます身近なものになり、なにかを調べるときにはまずネット検索に頼ることが一般的になってきましたから、乱歩関連資料を長きにわたって収集し、その目録を三冊も発行している名張市立図書館がネット上にデータベースを公開していないのは、乱歩のファンや関係者にはとても奇異なことに映っているはずです。
わしがまだ嘱託だったころから、名張市立図書館はどうしてネット上に乱歩関連資料のデータを公開しないのか、というお叱りは、あちらこちらからちょくちょくいただいておった。
ふつうなら、ごく自然な流れとして、データベースのネット展開という方向に進んでいたはずなんだけど、それがまったく進めなかったから、わざわざ幻影城プロジェクトなんか企画せにゃならんわけよ。
なんなんだよいったい。
先ほども記しましたとおり、乱歩の偉業を後世に伝えることを考えた場合、全国的なレベルでみても、名張市立図書館がその一翼を担う必要があると判断される次第です。
そのためには、資料の調査と収集、整理と体系化といった作業とともに、インターネット上にデータベースやアーカイブを構築して、図書館としてのサービスを提供することが不可欠になります。
とはいえ、新しい事業を始めるわけではありません。
開館のときから手がけていた乱歩関連資料の収集を、ちゃんとした目的や方針のもとに適切に進め、収集資料を活用するだけのことです。
収集の目的と方針を明確に定めること、収集して死蔵するのではなく活用すること、これらは資料収集の基本ですが、市立図書館にはまったくできていませんので、まずそうした基本を決めてゆく必要があります。
また、図書館サービスにインターネットを利用するのはいまやごくあたりまえのことで、地方の小さな図書館でも地域資料などのデジタルライブラリー化を進めているところが珍しくありませんし、ブログやツイッターを利用してサービスの向上に努めている図書館やライブラリアンも全国に存在していますから、ネット上でデータベースやアーカイブを提供するといういまやごくあたりまえのことを視野に入れながら、乱歩関連資料の収集と活用を進めるべきかと判断いたします。
そのためにはどんな作業が必要なのか、やや具体的に記しますと、まず必要なのは、乱歩の作品のデータ、著書のデータ、関連文献のデータ、年譜のデータ、さらには寄贈図書のデータなど、データベース用のデータを整理と体系化の対象とすることです。
これとはべつに、同時代の乱歩関連資料をリアルタイムで収集してゆく作業も、日々のルーティンワークとしてつづけることが必要です。
要するに、乱歩にかんするデータベースやアーカイブの構築を近い将来の目標として掲げ、資料の調査と収集、整理と体系化を進めてゆく必要があると判断される次第で、そうしたネット上のコンテンツが誕生すれば、名張市のシティセールスや観光PRにもおおいに活用できるものと判断されます。
ご町内感覚にこりかたまった乱歩関連事業をいくら重ねても、泥沼に小石を放り込むようなものでしかなく、全国紙の伊賀版で記事になるだけで終わってしまうだけだと思うぞ。
では、本日はこのへんで。
幻影城プロジェクトが幻影に終わらぬように念じつつ、またやけ酒みたいな酒を飲むか。
たまらんなあまったく。
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