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Nabari Ningaikyo Blog
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Posted by 中 相作 - 2012.01.07,Sat

 つれづれなるままに、文案でも考えてみるか。

 

 「名張市立図書館の地下書庫に全国のミステリー愛好家から寄贈された約4000冊の本と雑誌が死蔵されていることがわかった」件について、名張市立図書館が、

 

 「現在のところ、活用方針を検討することについて、具体的な動きはありません。具体的に検討する際には、是非とも有識者による専門的な立場からのご助言をいただければと考えています」

 

 とか、まるでひとごとみたいなことをゆうとることにかんする公式見解の文案である。

 

 それにしても、いっそみごとなもんだな。

 

 かくも堂々と、また高らかに、手前どもはなにもいたしません、と宣言されてしまった日にゃ、うっかりすがすがしさをおぼえてしまったりするではないか。

 

 寄贈図書を死蔵しとるせいで寄贈者のみなさんからお叱りを受けた、とわしが報告しておるのに、それでもなお、「現在のところ」と小ずるい先送りをかましつつ、検討する気はさらさらない、ということを、「検討することについて、具体的な動きはありません」などともってまわった表現で宣告する。

 

 夢でもなければ、うそでもなく、せめて冗談であってくれたらいいんだけど、残念ながら冗談でもない。

 

 名張市役所のみなさんは、本気でこんなことを口走れるわけよ。

 

 ひとから寄せられた厚情を、平気で踏みにじってしまえるわけよ。

 

 自分たちの都合しか、眼中にないわけね。

 

 公務員の仕事増やしてんじゃねーよ、というのが、名張市役所のみなさんの魂の叫びなのかもしれんな。

 

 しかしまあ、ここまで本気でゆうとるんだから、ほんとになにもする気はないんじゃろ。

 

 だったらせめて、図書寄贈者のみなさんにそれをお伝えしなければなるまい。

 

 というわけで、文案じゃ。

 

 こういう場合、親しみやすく、わかりやすい筆致を採用すべきであろうな。

 

 そこで、こんなんはどうじゃろ。

 

 こんにちは。

 

 いつも貴重なご蔵書をご寄贈いただき、どうもありがとうございます。

 

 しかしながら、手前どもはなにも考えないことにしており、また、できるだけ働かないようにしておりますので、ご蔵書は図書館の地下書庫で死蔵するだけにとどめております。

 

 あしからずご了承ください。

 

 それがいやなら、もう寄贈しないでください。

 

 寄贈図書が場所ふさぎで困ってるんです。

 

 迷惑ばかりかけないでくださいね。

 

 じゃ、ごめんあさーせ。

 

三重県名張市  

 

  図書寄贈者のみなさまへ

 

 ま、こんな感じじゃろうな。

 

 ただ、あさーせ、では崩れすぎてるかもしれん。

 

 親しき仲にも礼儀あり。

 

 ここはやはり、ごめんあそばせ、で締めくくっておくべきか。

 

 いやいや、伝統のフレーズ、あらあらかしこ、をもってくるという手もあるぞ。

 

 ようわからんから、有識者のみなさんにお訊きしてみようかな。

 

 しかし、こんな文章を名張市の公式見解として公表するのは、ちょっとまずいのではないか、とも思われる。

 

 書いてあることは事実じゃ。

 

 慶應義塾大学推理小説同好会OB会からの図書寄贈は、名張市立図書館にとって、とどのつまり、迷惑以外のなにものでもなかった、ということは、いまや明白であろう。

 

 名張市立図書館は、いまやもう堂々と、寄贈図書の活用策なんて検討する気ねーよ、とかゆうとるんじゃからのう。

 

 しかし、有識者の助言は求めておるらしい。

 

 だったら、慶應義塾大学推理小説同好会OB会のみなさんから助言を仰ぐ、という手もあるぞ。

 

 あのみなさんはどなたも、文字どおりの有識者でいらっしゃるから、いちどお願いしてみてはどうじゃろう。

 

 きゃはは。

 

 それにしても、名張市役所のみなさんがおやりになることは、ほんとにわからんのう。

 

 たとえば、この図書寄贈の一件だって、なんでそうなるの? みたいなことばっかやっとるわけね。

 

 どういう経緯で図書寄贈を受けることになったのかは知らんけど、受ける話が決まったら、その段階で、寄贈図書をどうすっか、みたいなことは、アバウトなところだけでも考えとくものだと思うぞ。

 

 ま、考えないことにしてるんだったら、しかたないんだけどね。

 

 だいたいがだな、と後出しじゃんけんみたいなことをいうけど、もしもわしが図書館長だったら、寄贈を受けた図書は最初から公開していたと思う。

 

 スペースの問題その他、いろいろ支障はあったかもしれんけど、館長の権限でそれらをクリアし、慶應ミステリ文庫、とか名前をつけて開架に並べたと思う。

 

 でもって、メディアに依頼して、名張市立図書館に慶應ミステリ文庫が誕生しました、と大々的に報道してもらう。

 

 そりゃそうじゃろう。

 

 名張みたいな草深い土地の図書館が、慶應義塾大学のネームバリューというか、ブランド力というか、そういうものを濡れ手で粟でゲットできたんだから、それをめいっぱい利用しなくてどうするよ。

 

 名張の図書館に慶應ミステリ文庫がある、と聞いたら、慶應義塾関係者はたぶん全員、え? と思うはずで、名張という名も知れぬ土地に多少なりとも興味を抱いてもらえるであろうことはまちがいなく、そこから先になんらかの展開が待っていたかもしれない。

 

 図書館運営においても、乱歩というコンテンツに慶應というブランドが加わることで、なんらかの相乗効果が発揮されることになったのではないか。

 

 名張市立図書館はそういったチャンスを無にしてしまい、名張市という自治体が潜在させていた可能性を……

 

 いやいや、いまからなにいったって、しゃあないあるけど、寄贈図書をいきなり地下書庫に直行させたのは、たぶん最悪の選択であったと思う。

 

 名張市立図書館も少しはものを考えるべきなんだけど、なにも考えず、なにもしない。

 

 ほんと、どうしてなにもしようとせんのじゃろうな。

 

 きょうのウェブニュースに、こんなのがあった。

 

 ▼毎日jp:名張市立病院:医師、拡充の見込み 救急態勢、改善へ /三重(2012年1月7日)

 

 名張市が記者会見用のバックボードを新調したそうで、「観光名所の赤目四十八滝▽青蓮寺湖▽江戸川乱歩生誕地▽観阿弥創座の地──の文字と写真も加えた」とのことじゃ。

 

 な。

 

 乱歩生誕地である、ということを、名張市はシティセールスの素材にしている、ということじゃ。

 

 だったら、名張市立図書館も、乱歩をもっとアピールすればいい、というか、アピールするべきじゃろう。

 

 乱歩を全国発信の素材にしようとして、ほぼことごとく、失敗を重ねているのが名張市なんじゃが、名張市立図書館による乱歩関連資料の収集と活用は、まさに全国に発信するべき素材なわけじゃ。

 

 これは1月6日付「市長への手紙」の未公開パートにも記したんだけど、プログやツイッターを利用してサービスの向上に努めている図書館やライブラリアンなんて、全国津々浦々に存在しているぞ。

 

 ちょっと検索したら、こんなのがひっかかってきた。

 

 ▼図書館へ行こう:図書館系ブログ集

 

 以前にもこのエントリで紹介したけど、横芝光町立図書館。

 

 ▼名張まちなかブログ:文学館とか記念館はどうよ(2011年2月28日)

 

 「図書館系ブログ集」にもリンクされておる。

 

 ▼マロニエの花咲く 横芝光町立図書館blog:[新聞記事] ストーカー規制法違反容疑 旭署 [千葉日報 2012年1月7日]

 

 名張市立図書館だって、ブログのひとつも開設し、乱歩が生まれたまちの図書館として、好きなことを発信すりゃいいものを、というか、とくに乱歩の関連情報なんて、ぜひとも発信すべきだと思うぞ。

 

 それなのに、どうして、なにもせんのじゃろうな。

 

 四千冊もの寄贈図書は地下書庫に眠らせたまま、なにをしようともせず、なかったことにしてしまう。

 

 同様に、わしが心血を注いだあれこれだって、なかったことにされとるんじゃからのう。

 

 ちっとはちゃんとやれよ、といくらいってやったって、現在のところ、なにをする気もありません、でおしまいなんだもんなあ。

 

 こりゃいったい、なんなんだろうな。

 

 ま、なんでもいいや。

 

 公式見解の文章も、もう適当に書いといてよ。

 

 さ、きょうもやけ酒で、われとわが身を痛めつけるか。

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