書籍
越境する言の葉──世界と出会う日本文学 日本比較文学会学会創立六〇周年記念論文集
編:日本比較文学会
平成23・2011年6月20日初版第一刷 彩流社
A5判 カバー 486ページ 本体6000円
関連箇所
フランスにおける江戸川乱歩と横溝正史の受容
間瀬玲子
各論 > 欧州語圏 > p237-247
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フランスにおける江戸川乱歩と横溝正史の受容
間瀬玲子
はじめに
日本を代表する推理作家を二人挙げるとするならば江戸川乱歩と横溝正史であろう。現在でもこの二人の作家の作品は複数の出版社から出版されて書店の店頭を飾っている。また研究書や一般向け概説書も出版され続けている。この二人の推理小説作家がフランスでどのように紹介され、かつ受容されてきたかを概観してみよう。
乱歩の『芋虫』のフランス語訳が発表されたのは一九五四年のことであった。その後八〇年代から九〇年代にかけて『鏡地獄』『陰獣』『心理試験』『芋虫』(上記の訳とは別の翻訳)『人間椅子』『二癈人』『赤い部屋』『二銭銅貨』『パノラマ島綺譚』『盲獣』『押絵と旅する男』『蟲』『黒蜥蜴』が翻訳された。これらはアジア関係の書籍を出版しているフィリップ・ピキエ社から刊行されている。なおニ〇〇八年九月に『陰獣』がフランス映画として公開され、ニ〇〇九年三月にはフランスでDVDが発売された(日本公開はニ〇〇九年八月、DVD発売はニ〇〇九年十二月)。フランス語訳は当初『獲物と陰』という意味の題名で刊行されていたが、映画公開と同時に『陰獣、陰の中の獣』に変更された。
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▼彩流社:越境する言の葉
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