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Nabari Ningaikyo Blog
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Posted by 中 相作 - 2011.12.10,Sat

 はーっはっはっは。

 

 はーっはっはっは。

 

 サンデー先生だ。

 

 まず、名張市のミステリ講演会「なぞがたりなばり」の件。

 

 名張市公式サイト「市長への手紙」を利用して質問を送信しておいたところ、昨日夕刻、こんな回答をお届けいただいた。

 

 中 相作 様

 

 このたびは「市長への手紙」をお寄せいただき、ありがとうございました。

 

 江戸川乱歩生誕の地である名張市では、平成3年から日本推理作家協会のご協力のもと、ミステリー講演会「なぞがたりなばり」を開催してきました。

 多くの著名作家の方が名張市にお越しいただき、ミステリーや乱歩についてお話いただくこの講演会事業が、20年間も継続できたことに一定の成果も得られたと思っています。

 しかしながら昨年度の講演会開催時に、今後、日本推理作家協会から協力を得られない旨の連絡を受け、第20回の節目をもって著名作家をお招きしての講演会は見直すことにし、昨秋の時点で平成23年度の講演会についての予算計上を行いませんでした。

 今年度、乱歩ゆかりの催しについては、平成23年12月17日(土)皇學館大学の三品准教授による「江戸川乱歩と名張」の講座を開催します。また、平成24年度には、乱歩狂言の公演なども検討しております。今後も江戸川乱歩の偉業を後世に伝えるとともに、重要な地域資源として江戸川乱歩の生誕地を活かした、広く市民の方を巻き込んだ取組みについて企画していきたいと考えておりますので、ご協力お願いいたします。

 

 今後とも、貴重なご意見・ご提案をお寄せいただきますようお願いします。

 

 

 平成23年12月9日

 

 名張市長 亀井利克

 

 そういうことであったか。

 

 日本推理作家協会から、さよならを告げられた、ということであったか。

 

 理由はどういうことだったのか、それを知りたい気もするけど、まあいいか。

 

 昨年度の講演会というと、去年11月13日の開催で、講師は逢坂剛さんと石田衣良さんであったが、あの第二十回が最後となったか。

 

 よかったではないか。

 

 日本推理作家協会の協力でミステリ講演会が始まったのは1991年のことで、そのあたりの事情はまったく知らないんだけど、たぶん名張市から協会に協力を依頼して、定期開催が実現したんだと思う。

 

 だったら、いくらなんでも、こっちから、もうやめます、とはいいだしにくいもんね。

 

 むこうから別れ話を切り出してくれたのは、もっけの幸い、というやつではないか。

 

 ただし、名張市にひとつ、苦言を呈しておきたいのは、おしまいになったのならおしまいになったで、それを公表しなけりゃだめじゃろうが、ということだ。

 

 名張市の公式サイトは、いまだこんな状態。

 

 ▼名張市:なぞがたりなばり

 

 ここはどうあっても、ミステリ講演会「なぞがたりなばり」はおしまいになりました、という告知が必要じゃろう。

 

 おそらく名張市内には、毎年のミステリ講演会を心待ちにしています、という市民はひとりもいらっしゃらないはずである。

 

 なぜそんなことがわかるかというと、講演会場で毎年かならずおみかけする、といった市民がゼロだからなのだが、しかし、市外からの参加者のなかには、ごくごくわずかながら、というか、最近ではわずかおふたりなのであるが、常連とお呼びすべきかたがいらっしゃるのであり、足を運んではいただけなくてもミステリ講演会に興味を示してくださってるかたもまた、わしが知るかぎりでも確実に存在している。

 

 げんに今回も、名張市立図書館においでになったお客さんから、ミステリ講演会「なぞがたりなばり」はどうなったのか、とのご質問をいただいたことがきっかけで、講演会の終了が発覚したのである。

 

 待ってくれているひとがいるのだから、いやいや、待ってくれているひとがいるとか、いないとか、そんなことは関係なしにしても、毎年毎年、市民の税金で開催してきた定期イベントが二十年を区切りに終了したんだから、おしまいになりました、と公表するのは主催者として当然のことであろう。

 

 このあたりのことは、名張市役所のみなさんにも、きっとご理解いただけるものと思う。

 

 だというのに、どうして公表しなかったのか、理由がわからんな。

 

 ミステリ講演会をおしまいにすることは、去年の秋に決定されたという。

 

 つまり、もう一年以上、公表すべき事実が秘匿隠蔽されていたことになる。

 

 要するに、三重県名張市は日本の中国です、ということなのか。

 

 都合の悪いことはすべて、衝突事故で脱線した電車みたいに地中に埋めて、あとは知らん顔してやりすごします、ということなのか。

 

 どうもようわからん。

 

 ミスを犯したわけでもないんだから、かくかくしかじかでございます、とすんなり公表すればいいと思うんだけど、ほんと、どうもようわからんな。

 

 ただまあ、わしの印象では、ミステリ講演会もそろそろ潮時だな、という感じが年々強くなってきていたから、二十年の節目でフィニッシュを决められたのは、ほんとにいいことだったと思う。

 

 今後、名張市が乱歩関連事業として講演会を開くのかどうか、それはわからない。

 

 しかし、ここで確認しておきたいのは、そんな講演会を開くのであれば、やっぱ乱歩についての話を聴きたいな、ということじゃ。

 

 ミステリ講演会「なぞがたりなばり」では、そのへんがちょっとあれであって、乱歩とはなんの関係もなしに、サッカーワールドカップの話題が熱く語られたり、音吐朗々とシャンソンが熱唱されたり、いやもちろんそういうのも面白いんだけど、そういうことやってるとどうなるかというと、みたいなことは以前にも記したか。

 

 ▼残月祭に行ってきました(2011年7月25日)

 

 要するにまあ、乱歩を中心に据えた講演会をやるべきだ、ということで、となると、だれに講師を依頼するか、だれに乱歩の話をしてもらうか、それを考えることから企画がスタートする。

 

 それが講演会というものの本来の姿だと思うんだけど、ミステリ講演会「なぞがたりなばり」の場合、講師の人選は完全に日本推理作家協会におまかせしていたから、まあ楽といえば楽な話で、だれに講師を依頼するか、みたいなことに頭を悩ませる必要はなく、講師を引き受けてもらうべく働きかけてかき口説く、といった苦労とも無縁ではあったはずなんじゃが、しかし、そういったあたりの悩みや苦労こそ、講演会を主催するという一連の仕事のなかでほんとに面白いパート、いわゆる醍醐味というやつなのではないかしら。

 

 しかしまあ、乱歩関連事業の講演会なんてのは、名張市ではもう二度と開催されないだろうな、という気がするな。

 

 もっとも、「市長への手紙」の回答には、12月17日の講演会のことが記されている。

 

 このことだ。

 

 ▼2011年11月5日:教養講座・皇學館大学ふるさと講座

 

 メディアの報道がこれ。

 

 ▼毎日jp:江戸川乱歩:「幻の故郷」に迫る 皇学館大准教授、17日講座で解説--名張 /三重(2011年12月3日)

 ▼MSN産経ニュース:「乱歩」にスポット 教養講座参加者募集 名張で17日 三重(2011年12月5日)

 

 この講演会は、皇學館大学と名張市、名張市教育委員会の三者が主催するもので、ミステリ講演会「なぞがたりなばり」の後継事業ではまったくない。

 

 それからまた、「平成24年度には、乱歩狂言の公演なども検討しております」とのことであるが、おいおい、ちょっと笑ってしまうけど、おいおいおいおい、名張市乱歩関連事業アドバイザーであるはずのこのわしは、そんなことちーっとも聞かされておらんきに。

 

 というか、アドバイザーなんてもう辞めるつもりなんだけど、それにしてもまったく、あいかわらずひでー扱いじゃねーか、とぞ思う。

 

 でもって、「重要な地域資源として江戸川乱歩の生誕地を活かした、広く市民の方を巻き込んだ取組みについて企画していきたいと考えております」といったあたり、これはもうあきらかに、市当局が特定の市民団体と癒着結託を進めるうえの布石として記された文言であろうな。

 

 なんかもう、みえみえすぎて、思わず吹き出してしまったぞ。

 

 はーっはっはっは。

 

 はーっはっはっは。

 

 ま、好きにすればいいであろう。

 

 乱歩にちなんだご町内イベントで、小つまらぬ自己顕示欲をいいだけ満足させてれぱいいではないか。

 

 好きにしてろよばーか。

 

 面倒みきれねーよばーか。

 

 はーっはっはっは。

 

 はーっはっはっは。

 

 しかし、問題なのは名張市立図書館である。

 

 こっちのほうの問題は、このままないがしろにしておくわけには、とてもまいらぬ。

 

 じゃというのに、こっちもやっぱ、日本の中国あるよ。

 

 名張市立図書館もやぱり、都合の悪いものは地べたに埋めてしまて、知らん顔するあるよ。

 

 こんにちは、ゼンジー北京あるよ、たねもしかけも、ちょとあるよ、とか口走ってる場合じゃねーぞ。

 

 ただまあ、名張市役所内とか、あるいは、名張市内とか、そのあたりのレベルにおいては、名張市立図書館に問題があるなんてことはまったく認識されてないんだけど、残念ながら、名張市立図書館は世界でたったひとつ、乱歩の関連資料を四十年以上にわたって専門的に収集してきた、ということになってる図書館であって、しかもなお残念なことに、収集資料にもとづいてそこそこ質の高い目録を三冊も発行した図書館でもあって、全国の乱歩のファンや関係者、あるいはミステリマニアと呼ばれるひとたちから、それなりのことを期待されているわけである。

 

 期待されている、というか、いまや、収集資料を死蔵してんじゃねーよ、とか、寄贈図書をどうするつもりなんだよ、とか、お叱りを頂戴している、といったほうが正確じゃろう。

 

 しかし、いくらお叱りを頂戴しても、できないものはできないのじゃ。

 

 そもそも、図書館として当然、ごくふつうに、あたりまえにできてなければおかしいことが、なにもできない。

 

 だいたいが、図書館における資料収集というのがいったいどんなものなのか、ということが、いやいや、こんなのはもうさんざっぱら記してきたことだから、くり返すのはやめておこう。

 

 それよりも、いよいよ市長判断じゃ。

 

 ほんと、ここで市長にお助けいただき、救いの手を差し伸べていただかないことには、ここ名張市から、ごくまっとうでまともな乱歩関連事業、全国に誇るべき乱歩関連事業、全国から期待されている乱歩関連事業が、あたかも地中に埋められてしまったかのごとく、完全に姿を消してしまうのじゃ。

 

 すでに名張市の当局には、なにを説明してもご理解いただけぬようだから、以前から申しあげておるとおり、市長判断を仰ぐことにいたします、とお伝えして、そのためのよりよい方法はどんなんでっしゃろ、とお尋ねしているところである。

 

 つまり、市長判断を仰ぐ、といってみたところで、実質的には、市長にお願いを申しあげる、ということにほかならない。

 

 その場合、どのように話を運べばよろしいのでしょうか、とお訊きしているわけであって、現在、市当局からのお答えをお待ちしているところなり。

 

 はーっはっはっは。

 

 はーっはっはっは。

 

 サンデー先生であった。

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