きのうのエントリに、乱歩生誕地碑の建立記念日なのにどうのこうの、みたいなことを記したところ、横溝正史ゆかりの地では三年連続でこんなことが、とメールでお知らせくださったかたがあった。
終了したイベントもあるけど、このブログでもお知らせしておこう。
▼倉敷市:金田一耕助の小径
いわゆる平成の大合併で倉敷市に編入合併されてしまったけれど、かつての岡山県吉備郡真備町は横溝正史が疎開した土地であって、そこを舞台に三年前から毎秋、正史にちなんだイベントが催されている。
お知らせいただいたかたのメールには、「名張と真備町との温度差が感じられます(苦笑)」と記されてあって、いやはや、お恥ずかしい話であるが、名張はほんと、乱歩ファンの笑いものになってしもうた。
昔は、お、名張市ってすげーな、と思っていただいたりもしておったのじゃが、そうさな、官と民が手に手を取ってこんなことをはじめてから、急な坂道を転げ落ちるように笑いもの一直線、みたいなことになってしもうた。
ほんと、このときはあちらこちらで大反響、もののみごとに大笑いされてしもうたものであったが、そんなことはともかくとして、名張市の乱歩イベントはすべてこのばかみたいな看板、というよりばかそのものの看板と似たようなもので、ひとことでいえば乱歩ファンの琴線にふれることがまったくない。
ひるがえって、倉敷市真備町の横溝正史イベントでは、金田一耕助のコスプレであれ、本陣殺人事件のトリック再現であれ、ファン心理を巧みにつかむ企画である。
とくに本陣のトリック再現なんて、ファンの心を鷲づかみさ。
よく考えついたものだと以前から思っておったのだが、くだんのメールでお知らせいただいたところによると、発案者は青山融さんであったという。
青山融さんは名張市立図書館の目録づくりでお世話になったかたで、いまだお会いしたことはないのだが、検索してみたら三年前にこんなレポートをお書きであった。
▼おかやま旅ネット:【金田一耕助を追う】本邦初演!密室トリック再現!(2009年10月14日)
なるほどな、と思った。
密室トリックを再現してみよう、などという企画はお役所から生まれたものではないのではないか、という気がなんとなくしていたのだが、まさか青山さんのアイデアであったとは知らなんだ。
民間の知恵が正史イベントに活かされた、ということだったのか、とようよう腑に落ちた。
つまり、倉敷市には、
──現段階では正史にかんして外部の人間の話を聴く考えはない。
などと口走るあほな職員はおらんかった、ということであろう。
それにひきかえ、いったいどうよ。
この名張市とかいうインチキ自治体の腐れ公務員さまは、いったいどうよ。
おらおらおらおらおーっとっと。
おーっとっと。
おーっとっとっと。
おっとととーの、以下略。
ついでだから、こちらもお読みあれ。
▼おかやま旅ネット:【金田一耕助を追う】名探偵の立像が完成!(2011年10月31日)
うーむ。
正史が疎開した真備町には、正史の気配がいよいよ濃厚に漂っておるようじゃな。
それにひきかえ、いったいどうよ。
乱歩が生まれた名張のまちは、いったいどうよ。
ふるさとの秋に乱歩の気配なく、なんつってな。
まさしく不在なわけである。
乱歩が不在なわけである。
みたいなことは以前にも記したな、と探してみたら、残月祭がらみでつづっておった。
▼2011年7月25日:残月祭に行ってきました
真備町の正史イベントの中心には正史がしっかり位置づけられているけれど、名張市の乱歩イベントは中心がなぜかからっぽ、乱歩不在の状態である、ということになる。
名張市はもう、このまま笑いものになりつづけてるしかないのであろうか。
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