10月もおしまいである。
早いものじゃ、とびっくりしつつ、サンデー先生の人生ぼやき講座。
それで結局、このあいだから述べてきたとおり、名張市立図書館が乱歩にかんして手がけるべき第二ステップは、以前にはあっさり否定されたことだけど、やっぱ、インターネット上に乱歩のアーカイブを構築する、ということに尽きると思う。
そうすれば、収集資料を死蔵するな、みたいなお叱りを頂戴することもなくなる。
お叱りをいただく、ということは、それだけ期待されている、ということにほかならないわけだし、名張市立図書館にしかできないこと、というのがたしかにあるのだから、オンリーワンの図書館として本分を尽くし、そうした期待に応えてゆくことが必要だ。
そうすることは、名張市という自治体の信頼や価値を高めることにもつながるはずなんだけど、ま、いまはそこまではいわない。
とはいえ、名張市だっていつまでも、乱歩ファンの笑いものになって喜んどるわけにもいかんじゃろうて。
アーカイブの細部はじっくり詰める必要があるけど、大筋はこれまで考えてきたとおりでいいと思う。
図書館というのは、読み、知り、調べる場だから、乱歩のアーカイブも当然、乱歩を読む、乱歩を知る、乱歩を調べる、ということが基本的なテーマになる。
ところで、乱歩を読む、ということでいえば、国論を二分しているTPP問題じゃが、かりに日本がTPPに参加するということになれば、やっぱ著作権の保護期間は延長されてしまうのじゃろうか、と思って検索してみたところ、こんな記事がひっかかってきた。
▼INTERNET Watch:福井弁護士のネット著作権ここがポイント(2011年10月31日)
やっぱ、まずまちがいなく、五十年から七十年に延長、ということになるのじゃろうな。
そうなると、以前にもちらっと記したとおり、むろんまだアイデアを転がしている段階であって、確定したわけではまったくないのだが、乱歩の著作権切れを待って全作品の初出をフルテキストでネット上に公開する、という案件にも多少の見直しが必要になるだろうな。
ともあれ、いつまでもちんたらしてないで、アーカイブづくりに早々に着手すべきであろうと判断される。
ここ名張市においては、もうずいぶん以前から、乱歩記念館だの、乱歩文学館だの、そういうのを建設しようという話が、いくたびか浮上してはそのたびに沈没してきた。
近い例では、くさいものにはふたをすることにしているから、ごくおおざっぱなことだけを記すけど、みごとなまでの大失敗に終わったまちなか再生事業において、桝田医院第二病棟跡地に乱歩文学館だか乱歩記念館だかを建設する、などという気のふれたような思いつきが検討され、もちろん実現するわけもなく、結局はあんなあやしげな神社みたいな場所になってしまったんだけど、名張市立図書館によるこのアーカイブづくりは、ネット上に乱歩文学館なり乱歩記念館なりを建築する事業だ、と思っていただいていいであろう。
要するに、ネット上に幻影城をつくろう、みたいなプロジェクトだから、以後、幻影城プロジェクト、と呼ぶことにしたい。
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