きのうのつづきだ。
図書館ってのは、読む場であり、知る場であり、調べる場でもある、という基本に立って、乱歩関連資料の活用について決定する。
ところで、図書館は調べる場でもあり、名張市立図書館は四十年以上にわたって乱歩関連資料を収集しているのだから、名張市立図書館に行けば乱歩のことをくわしく調べることができるのか、というと、ないない、そんなことはまったくない。
むろん、そんなことじゃいけない。
しかし、実際にそうなのである。
一般的な公立図書館とおなじ程度のこと、つまり、百科事典をはじめとした辞書のたぐいをひもとく程度のことしかできない。
乱歩のことを専門的に深く調べる、などということは、とてもできない。
読み、知り、調べる場であるというのに、名張市立図書館は開館このかた、乱歩の作品を読もうとせず、乱歩のことを知ろうともせず、まして乱歩について調べようともしなかったからだ。
そんな図書館で乱歩のことを調べるなんて、とてもできない。
なぜ、そんなことになったのか。
図書館の資料は読むためのものである、ということを、関係者がもうひとつ理解できていなかったからではないか。
図書館の資料は飾るためのものである、と思い込んでいたからではないか。
しかし、いくら飾ってあったって、みてもらえなかったらどうしようもないのよね。
きのうアップロードされたばかり、こんなブログ記事がある。
▼歴史散策への誘い~のんびり旅紀行~:名張市内を初瀬街道沿いに歩く(2011年9月9日)
けんさんとおっしゃるかたが名張のまちを散策してくださって、その報告が記されているのじゃが、文面と写真から推測するに、このけんさん、本町にある乱歩の生誕地碑はごらんにならなかったようじゃな。
本町から路地に入り、桝田医院の裏にある小さな石碑を撮影して、その石碑が生誕地碑であると勘違いなさったようじゃ。
で、石碑の前の案内板をカメラに収めたあと、生誕地碑があるあのあやしげな神社のような広場にはお入りにならなかったらしい。
そりゃそうかもしれんな。
あんな淫祠邪教の聖地のような気色のわるい場所、足を踏み入れるのを躊躇するひとがあっても不思議ではない。
整備工事の最中から、あやしいたたずまいは隠しようもなかったからな。
▼名張まちなかブログ:淫祠邪教の聖地のようだ(2008年11月26日)
なんか、名張市民のひとりとして、けんさんにはなんとも申しわけないな、という気がする。
それでこのけんさん、名張市立図書館にはお寄りにならず、したがって乱歩コーナーに飾られている乱歩関連資料もごらんにならなかったということらしい。
それも当然じゃろう。
初瀬街道を軸として名張のまちを散策する場合、名張市立図書館は散策の動線から大きくはずれている。
しかも、かなり急な坂を登らなければ、図書館にたどりつくことができない。
じゃからな、みごとなまでの大失敗に終わった名張市のまちなか再生事業において、でたらめというしかなかった名張まちなか再生プランに鋭くも厳しく寄せたパブリックコメントで、わしはなんとゆうたか。
なーにばかなプランつくってんだ低能。
乱歩が生まれたのは新町なんだからな……
おっと。
こいつぁいけねえ。
くさいものにはふたをする約束だったな。
ばんッ。
ばんッ。
ばんッ。
ほら。
ちゃんとふたをしてやったぜ。
というわけで、うすらばかとうすらばかが官民協働でつるみーの、陰でコンサルタントにいいだけぼったくられーの、母さん、名張市民の三千十万七千七百円、どうしたでせうねーの、みたいなことは書かない。
ありがたく思えよな、このすっとこどっこい。
でもって、街道といえば、この本がもうすぐなくなりますので、ときょう版元から郵便で連絡があった。
▼吉川弘文館:奈良と伊勢街道
横光利一と乱歩を並べて紹介するというアクロバティックな芸当に挑んだ拙文が収録されており、執筆者割引で入手することが可能だから、購入希望のかたがいらっしゃったらお気軽にメールでお知らせのほど。
第二ステップの話がどっか行っちゃったけど、またあしただ。
ばんッ。
ばんッ。
ばんッ。
心配するな心配するな。
わーっはっはっは。
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