台風十二号は日本海に去りましたが、予想以上の被害を残したという印象です。被災されたみなさんにお見舞いを申しあげます。当地は現在、小雨で無風の状態です。
さて、この件です。
▼2011年9月5日：学校開放講座「ふるさと伊賀再発見」
私の担当は10月16日の日曜で、この日はじつはえらい日になる予定でした。何がえらいかというと、なでしこジャパンの花のキャプテン、澤穂希選手が伊賀のピッチに立つことになっていたわけです。地元チーム伊賀FCくの一が澤穂希さん所属のINAC神戸レオネッサを迎え撃つなでしこリーグの一戦が、伊賀市小田町の上野運動公園競技場で戦われることになっていました。キックオフは午後1時。いっぽう私が講師を務める開放講座は伊賀市上野丸之内の上野高校で午後2時のスタートです。こりゃあかん、と私は思っていました。伊賀地域に住むすべての人間が澤さんの勇姿を見に行ってしまい、私の講座にはただのひとりも来てくれんのではないか、と。
つらつら振り返りますに、ここまで偉大なライバルと鉢合わせすることになったのは2009年10月3日以来のことではないのか。あの運命の日には横浜にある神奈川近代文学館の「大乱歩展」で行われた小林信彦さんの講演「乱歩の二つの顔」と池袋はミステリー文学資料館での私の講演「涙香、『新青年』、乱歩」とが見事にかぶってしまったわけで、こんな鉢合わせは二度とあるまいと思っていたのですが、まさか澤穂希さんとこんな形で接近遭遇することになろうとは。こりゃあかん、と思うしかありませんでした。むこうは世界の頂点を極めて国民栄誉賞に輝く当代一の人気者、こちらは単なる地域社会の嫌われ者。こーりゃ閑古鳥を相手に講師を務めにゃならんのだろうな。
しかし9月1日、意外な展開が訪れました。
▼伊賀タウン情報YOU：くノ一のホームゲーム、会場変更へ I神戸戦は鈴鹿で 女子サッカー・なでしこリーグ（2011年9月1日）
観客がどっと詰めかけて収容しきれなくなるのではないか、と試合会場が伊賀市から鈴鹿市に変更されてしまいました。台風は北に去り、なでしこは東に去ったというわけで、いや残念なことですなあ伊賀地域のみなさん。お暇でしたら上野高校開放講座へお運びください。私の担当テーマは田中善助で、アクチュアルなおもむきを付与するために「田中善助とポスト3・11」みたいなテーマでお話ししようかと考えております。ちなみに田中善助というのはこういう人です。
▼コトバンク：田中善助
伊賀地域で講師めいたことをする場合、名張市政批判をばんばん盛り込むと受けがまことによろしく、また笑いもたっぷり取れますので、10月16日の開放講座におきましても思いつきと癒着結託を両輪とした市民不在の市政運営をば、大失敗に終わったまちなか再生事業あたりを例にあげつつがんがん批判してさしあげたいところなのですが、くさいものにはふたをすることにいたしましたのでまちなか再生事業にはいっさい言及いたしません。それによく考えてみたら上野高校の地元伊賀市にもいろいろと問題があり、名張市政批判よりは伊賀市政批判を優先するべきなのかもしれず、となるとネタはさしずめこのあたりでしょうか。
▼伊賀タウン情報YOU：「現庁舎の利活用を」2291人の署名を提出 私達の伊賀市を考える会（2011年9月1日）
もしも田中善助が生きていたらこの伊賀市庁舎建設問題にどんな判断をくだすのか、みたいなことを問いかけてみるのも面白いのですが、いやいやそんなことを問いかけてみるまでもなく、伊賀市の市長さんは必ずや善助から叱り飛ばされているはずだとも思われます。いったいどんなものでしょう。
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