ウェブニュース：加藤謙一文庫：弘大付属図書館に開設 復刻版など260冊収蔵 ／青森

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　平成22・2010年9月10日　毎日新聞デジタル

 

加藤謙一文庫：弘大付属図書館に開設　復刻版など260冊収蔵　／青森

　塚本弘毅

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加藤謙一文庫：弘大付属図書館に開設　復刻版など２６０冊収蔵　／青森

 

　◇少年雑誌の名編集長

 

　弘前大学は７日、戦前戦後、少年雑誌の名編集者として活躍した弘前市出身の加藤謙一さん（１８９６～１９７５年）の業績をたたえ「加藤謙一文庫」を開設した。同市文京町の付属図書館に設置された文庫は、加藤さんが手掛けた「少年倶楽部」の復刻版など約２６０冊が収められている。また、図書館前の記念碑が除幕され、資料展も開かれている。

 

　加藤さんは県師範学校（現同大教育学部）卒。同大は活躍した卒業生を顕彰する事業で文庫を開設した。

 

　加藤さんは卒業後、市内の小学校教諭を一時務めた。その後、「子どもは国の宝。子どものためになる本を作りたい」との一念で上京。講談社に入社して間もなく、２５歳の若さで「少年倶楽部」の編集長に抜てきされ、１１年間務めた。その間、同市出身の作家、佐藤紅緑の「あゝ玉杯に花うけて」を連載して大ヒット。さらに、吉川英治や大仏次郎、江戸川乱歩らの作家も起用した。田河水泡の漫画「のらくろ」も紙面を飾り、部数を飛躍的に伸ばした。

 

　戦後は、「野球少年」「漫画少年」の少年雑誌を発刊。漫画少年では、手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子不二雄、赤塚不二夫らの漫画家を育てた。

 

　資料展は、同大創立５０周年記念会館で１２日まで開催され、少年雑誌の復刻版や手紙、遺品などが展示されている。入場は午前１０時～午後４時４５分。【塚本弘毅】

 

毎日新聞　2010年9月10日　地方版