Nabari Ningaikyo Blog
Posted by 中 相作 - 2017.12.17,Sun
今年も残り少なくなりました。
本屋さんを覗いたら、新潮文庫の『江戸川乱歩傑作選』がこんなカバーで並んでいました。帯に「PREMIUM COVER 2017」と書いてあります。
来年になったら姿を消すのだろうな、と踏んで一冊買って帰りました。
書棚を確認してみると、真っ黒なカバーの『江戸川乱歩傑作選』はすでにあったんですけど、買って帰ったものにくらべるとカバーの紙質が違ってますし、帯には昔のカバーに使用されていたイラストがあしらわれています。
値段は、きのう買った平成29年6月10日の百五刷が本体五百五十円、紙違いの黒いカバーが巻かれた平成22年6月10日の九十五刷は本体五百十四円。
なんやかんや、世の中ますますせちがらくなってるようです。
新潮文庫といえば、去年から今年にかけて刊行された乱歩の少年もの三冊、当地の本屋さんではもう見かけません。
ほんと、田舎というのは読書には向かない土地柄で、それどころか、田舎にいると絶望することが多いんです、と川瀬七緒さんがあるインタビューでおっしゃってます。
▼ダ・ヴィンチニュース:死にかけた田舎町に「女性下着」で革命を起こす!『テーラー伊三郎』の仕立て職人と男子高校生が奮闘するエンタメ小説とは?( 2017年12月6日)
引用。
「私も福島県出身ですが、田舎にいると絶望することが多いんです。シャッター街ばかりで、役所が考える町おこしは見当はずれに見えることばかり。ステイタスのある子どもの将来といえば、公務員になるかゼネコンに入るか。たとえ大学進学のために上京しても、また田舎に戻ってきてほしいというのが大半の意見です。そのうえ、家庭によっては貧困の問題も抱えています。アクアもそうですが、子どもが夢を持ちづらい状況に追い込まれている気がして。アクアの成長小説を書こうというつもりはありませんでしたが、なんらかの希望が垣間見える話にしたいとは思っていました」
名張市もご同様。
乱歩が生まれた名張のまちもいまやたしかに死にかけていて、というかもはやすっかり死んでしまっていて、むろん押しも押されもせぬ見事なまでのシャッター街になり果ててますし、お役所のまちおこしなんてのはただ迷走に迷走を重ねて税金をどぶに棄ててるだけのひどいもの、はっきりいって無茶苦茶です。
というか、お役人なんてのは死ぬほど地頭の悪いみなさんが「手前どもは何も考えさせていただかないことにさせていただいております」とか「手前どもはできるだけ働かさせていただかないようにさせていただいております」とかいいながら日々ぐずぐずと腐りつづけてるような人たちですから、あんなの相手にしてるとほんとに絶望するしかなくなってしまいます。
そういえば名張市立図書館の乱歩関連資料収集問題、「市長への手紙」のお返事はそろそろなのかな。
要するに──
あんたらこんな名張川の水をざるですくうようなことしてるだけで手前どもは乱歩関連資料を収集しております、えへん、とかほざけるわけ? という問題なんですけど。
乱歩ファンのみなさん、絶望してもらってもいいですか? みたいなことにしかならんやろなと思います。
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